ミャンマーの軍事クーデターの背景には米国の対中国戦争
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ミャンマーで2月1日に軍がクーデターを実行、アウンサン・スーチーを含む政府の要人を拘束したと伝えられいる。
ユーラシア大陸東部の責任者としてカート・キャンベルをジョー・バイデン米大統領が選んだ結果が現れたのかもしれない。
長い間軍事政権が続いたミャンマーでスーチーは軟禁されていた。
その彼女が解放されたのは2010年11月。
これ以降、「民主化」されることになるのだが、その背後ではアメリカの私的権力による対中国戦争があった。
中国が進めている一帯一路(BRI/帯路構想)はロシアの大ユーラシア・パートナーシップと合体し、アメリカが仕掛けている「貿易戦争」に対抗しようとしてきた。
交易で地域(世界)の安定を図ろうというのだ。
COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)の騒動で中露の計画はブレーキがかけられたが、進んではいる。
一帯一路(BRI/帯路構想)のうち「海のシルクロード」は東シナ海から南シナ海にかけての海域からマラッカ海峡を通過、インド洋、アラビア海を経由してアフリカやヨーロッパへつながっている。
この海路を断ち切るためにアメリカは太平洋軍を2018年5月にインド・太平洋軍へ作り替え、東シナ海や南シナ海でアメリカ軍が中国に対して軍事的な圧力を加えている。
先島諸島で自衛隊の活動が活発になっているのもそのためだ。
この海域を押さえられると、輸送に支障が生じる。
中東から石油を運ぶことも困難になる事態が想定でき、マラッカ海峡を通過しないルートを中国は建設している。
そのひとつがミャンマー北部のガスのパイプライン建設。
中国は銅山開発も進め、北部カチン州のイラワジ川上流では「ミッソン・ダム」を建設していた。
そうした動きを妨害するため、アメリカ政府はミャンマー政府と話をつけ、アウンサン・スーチーを前面に出してきたのだ。
スーチーが実権を握った後、ミャンマーの仏教徒はヤカイン州に住んでいるイスラム教徒のロヒンギャを襲撃し、多くの人を虐殺した。
襲撃グループのリーダーは「ビルマのビン・ラディン」とも呼ばれているアシン・ウィラトゥで、そのウィラトゥに率いられていたグループは「民主化運動」の活動家というタグが付けられている。
この虐殺をスーチーは黙認していたが、アメリカ政府や西側の有力メディアは静かだった。
ロヒンギャの一部はバングラデシュなどへ逃れたが、その穴を埋めるかのようにして、中東でアメリカなどのジハード傭兵として戦ってきたワッハーブ派の戦闘集団が入り込んだとも伝えられている。
アメリカはユーラシア大陸の東部地域でもワッハーブ派を使おうとしている。
2017年5月にはフィリピン南部にあるミンダナオ島のマラウィ市をダーイッシュ系だというマウテ・グループやアブ・サヤフが制圧した。
インドネシアではワッハーブ派へ改宗させる工作が数十年にわたって続けられ、中国西部の新疆ウイグル自治区へも戦闘員が潜り込んでいると言われている。
ある時期から西側はスーチーを声高に批判するようになるが、これは彼女が自立の道を歩み始め、中国へ接近したからである。
アメリカの私的権力にとってスーチーは「裏切り者」になった。
今回のクーデターで彼女たちを脅し、再び手先にするつもりかもしれない。
状況によっては中東と同じように、ワッハーブ派を使って東アジアから東南アジアにかけての地域を廃墟にしようとする可能性もある。