きなこのブログ

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武富士スラップ訴訟代理人 吉村洋文 5 ~感染対策より虚構づくり~

 

 

 

 

 

吉村知事の「新大阪駅で検温」に“在来線や飛行機は?”とツッコミ殺到!「変異株を徹底調査」も検査は6%、死亡者の隠蔽も判明
https://lite-ra.com/2021/03/6.html

大阪府の吉村洋文知事が、またぞろ「やってる感アピール」に精を出している。

 

昨日19日、新型コロナの感染者数が158人確認され、2月9日以来初となる150人を超えるなどリバウンドが起こりはじめているが、そんななか、吉村知事は「首都圏との往来による感染の再拡大を防ぐための水際対策が必要だ」とし、ドヤ顔でこんなことを打ち出したのだ。

「首都圏から来阪される方、大阪に帰阪される方にJR新大阪駅での発熱チェック、検温をおこなう」

新型コロナ流行から1年も経って対策として打ち出すのが、まさかの「検温」とは……。

 

新大阪駅で検温しても、京都や新神戸などで新幹線を降りて在来線で来阪する人もいるし、検温で引っかかった人がPCR検査を受けられるのならまだしも、対応は37.5度以上の人に対して健康観察や保健所・医療機関受診を呼びかけるだけ。

 

これのどこが「水際対策」なのだろうか。

当然、この発表に対し、ネット上では

「無症状者もいるということをわかってるのかね?」

「で、夜行バスは?飛行機は?新幹線だけ?」

「京都で降りて新快速で新大阪駅へ行けば問題なし」

「「思いつき」で振り回される自治体職員の皆様には、心から同情いたします」

などというツッコミが巻き起こった。

しかも、吉村知事は「リバウンド防止策」として、「大阪モデル」にくわえて新しい指標である「見張り番」なるものをつくろうとしている。

 

これを吉村知事は「感染の波が来ている可能性があることを短期的な視点でお知らせ」できる「天気予報」のようなものだと説明するが、当の「大阪モデル」を吉村知事は危険信号を出さなくてはならなくなるたびに基準を何回も変更してきた。

 

 

 

 

都合が良いように恣意的に運用するようでは、新たな指標をいくらつくっても意味などないだろう。

 

ようするに、これもただの「やってる感」でしかないのだ。

吉村知事といえば、ちょうど1年前の3連休に「大阪・兵庫間の往来自粛」を打ち出し、このときも「2府県間だけの往来自粛に意味があるのか」とツッコミが殺到。

 

すると吉村知事は“これは国からの提案だ!”と言い出したが、その提案は大阪府とそれ以外の地域の往来」兵庫県とそれ以外地域の往来」の自粛というもので、大阪府兵庫県の間の往来の自粛が提案されたわけではなかった。

この提案をおこなった西浦博・京都大学教授も、著書のなかで兵庫県との往来だけをピンポイントに止めても流行制御に直結しないことは皆さんすぐに分かりますよね」などと呆れ果てたように述べていたが、あれから1年経っても、吉村知事は何も学習していない。

実際、この1年間、吉村知事は「やってる感」を演出するパフォーマンスばかり夢中になって、検査の拡充や医療提供体制の整備などを怠り、東京よりも多いコロナ死亡者を生み出してきた。

そして、「リバウンド」が十分予測されていた最近も、その姿勢は変わっていなかった。

 

吉村知事は新大阪駅で検温」というなんの実効性もない間抜けなパフォーマンスの一方で、いまもっともやらなければならない対策を放置、それをごまかすために、嘘までついていたのだ。



変異株感染者多数で吉村知事が「検体を徹底的に調べたから」 でも実際の検査数は6%で神戸市の10分の1
 

吉村知事がやることをやらず、嘘でごまかしていたのは、変異株の問題だ。

 

変異株は感染力が強いとされているが、17日時点の変異株感染者の報告数は兵庫県がトップの94人で、大阪府はそれに次ぐ72人。

 

9日には大阪府が全国最多となったが、この点について吉村知事は11日、記者団にこう語った。

「検体を徹底的に調べたことで、判明数が多いということだろう」
「検査能力を高め、できるだけ早く押さえ込むことが重要だ」


つまり、変異株かどうかを積極的に調べた結果、判明数が多いのだと誇ったのだが、しかし、実態はまるで違う

たとえば、変異株の報告数が多い兵庫県の場合、とりわけ神戸市の多さから変異株は神戸で拡大していると捉えられがちだが、これは神戸市が独自の変異株監視体制をとり、陽性者のうち約60%の検体で変異株かどうかを確認する変異株PCR検査をおこなっているためだ。

しかし、大阪府の場合、3月7日〜13日の新規陽性者620人に対しておこなった変異株PCR検査数はわずか37人で、検査実施件数の割合はたったの約6.7%。

 

2月28日〜3月6日も526人の陽性者のうち約8%の43人にしか変異株検査をおこなっていないのだ。

ようするに、お隣の神戸と比べても一目瞭然で、まったく胸を張れるような検査数ではないというのに、吉村知事は「検体を徹底的に調べた」などと強調したのである。

いや、吉村知事がおこなったことは検査実態の詐称だけではない。

 

より重大なのは、変異株感染者の死亡者が出ていたというのに、その事実を公表しなかったことだ。

16日に神奈川県が新型コロナ死亡者の変異株への感染を公表し、これが国内初の変異株死亡者の確認だと大々的に報じられたが、その翌日である17日に吉村知事も新型コロナで亡くなった府内の80代女性の検体から変異株が確認されたと公表した。

だが、じつはこの女性が亡くなったのは2月4日で、変異株に感染していたことが判明したのは2月25日だった。

 

つまり、変異株感染者の死亡を約20日近くも黙っていたのである。



変異株感染者の死亡を20日近く隠した理由を吉村知事は「国にあわせた」「おひとりなんで」
 

17日の会見で、吉村知事は「国には2月末の段階では報告している」と言い張り、

「国において公表の仕方も含めて判断するのが重要」

「きょう(厚労省の)アドバイザリーボードで公表されるので、それにあわせて大阪府としてもどんどん公表していきたい」

と発言。

 

「知事に報告があったのはいつで、そのタイミングで公表しようと思わなかった理由は?」と訊かれると、こう語った。

「僕自身に報告があったのはきょうです。うん。で、これについては、単独で公表することにたしかにどこまで意義があるのかということはあると思いますが、ただ、府民のみなさんも変異株で亡くなられた方が何人ぐらいいるんだろうかというのはやっぱり知りたい情報だと思うので、それについては公表していこうと。

国の公表にあわせて大阪府としても公表していこうと判断した」
「国に対しては当然報告はして、国は統計は必要ですからHER-SYSにもきちんと載せた上で、大阪府としての公表どうするのかということの相談がありましたから、それはどんどん公表していきましょうと判断したということで、とくに他意はないと思います。

それがものすごい数になったら別だと思いますけど、おひとりということなんで、公表の仕方の話であって、とくに担当部に他意はないんじゃないかというふうに思います」

「変異株死亡例は1人だから他意はない」って、そんなことあるわけないだろう。

 

現に、前述したように神奈川県が発表した変異株死亡者は2人だったが、「国内初」として大きなインパクトを与えたからだ。

その上、吉村知事は「僕自身に報告があったのはきょう」と強調したが、これだけ変異株に注目が集まり、吉村知事自身、これまで会見で何度も変異株の感染状況について言及してきたのに、20日近くも死亡例の報告が吉村知事まであがってこなかったとは到底考えられない。

 

しかも、吉村知事といえば“国任せではない独自の情報公開”を謳ってきたというのに、こんなときだけ「国の公表にあわせた」と言うのだ。

ようするに、「国内初の変異株死亡者が府内で確認された」と発表することのイメージ悪化を恐れて情報を公表せず、神奈川県の死亡例発表やアドバイザリーボードでの変異株の死亡者公表を受けて、ようやく公表したということではないのか。



緊急事態宣言の解除に前のめりだった大阪府が意図的に変異株死亡者隠した可能性
 

しかも、この変異株死亡者情報の隠蔽の背景には、きわめて政治的な理由があった可能性が高い。

 

それは、緊急事態宣言の解除に影響を与えるのを避けたかったという理由だ。

実際、大阪府が死亡者の変異株感染を確認したのは2月25日だというが、吉村知事は2月1日の段階から緊急事態宣言の解除に向けて独自の緩い基準を定めることを表明するなど宣言解除に前のめりで、23日には兵庫・京都とともに28日の解除を国に要請。

 

菅義偉首相は26日に2月末での解除を表明した。

 

もし25日に国内初となる変異株の死亡例大阪府が公表したならば、関西圏の宣言解除に不安が高まり、批判の声があがったことだろう。

無益有害な「やってる感」アピールだけではなく、変異株検査もおろそかにし、その上、宣言解除のために情報を隠蔽する──。

 

「都構想」住民投票に邁進して感染拡大防止も医療提供体制の強化も怠った結果、医療崩壊を招いて人口あたりの死亡者数では東京以上となったというのに、その反省はまるでなく、いまも府民の安全や健康はなおざりにされているのだ。

 

にもかかわらず、メディアは相変わらず吉村知事を持ち上げ、「リーダーシップのある知事」だという虚構づくりに手を貸しつづけているのである。

もはや伝説のバカ丸出し対策となった「大阪・兵庫間の往来自粛」から1年が経っても、吉村知事も共犯者のメディアも何も変わらない。

 

この事実こそ、大阪の恐怖といえるだろう。