きなこのブログ

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統一教会と清和会と保守

2013-04-28
統一教会と清和会と保守]
http://nicoasia.wordpress.com/

2012年6月28日付のしんぶん赤旗橋下徹大阪市長が公募で採用した吉田康人・住吉区長が統一教会と深い関係のある人物であると報じた(リンク)。
 
週刊誌の報道によればこの区長はもともと松井一郎大阪府知事(維新の会幹事長)と関係があったという(リンク)。

松井一郎の父で元大阪府議会議長だった松井良夫に関しては、日刊ゲンダイがインタビューした地元関係者の話によれば
 
「元大阪府議会議長まで務めた自民党府連の実力者の父・良夫氏は、競艇場の照明設備を担う会社の経営者です。
 
日本の競艇会のドン・笹川良一氏の運転手をしていたことがあり、その関係で住之江競艇の仕事を請け負いました。
 
笹川氏が福岡工大高の理事だったことから、松井知事は編入できた」
 
とのことだ。
 
つまり松井の父は笹川の子分格であったことになる。

拙ブログでご紹介した橋下維新の人脈は竹中平蔵系の新自由主義構造改革派と大前研一外資系のコンサルタントが中心をなしているのが特徴であるが、ブレーン筆頭格の上山信一マッキンゼー出身であるが同時に笹川良一日本財団東京財団とも関係の深い。
 
その他の橋下応援団には屋山太郎日本財団がおり、維新塾講師には北岡伸一東京財団がいることも、こうした松井の人脈と無関係ではなかろう。

橋下維新と統一教会が直接関係があるのかどうかは、ネット上では様々な意見が出ているが、決定的な証拠はなく、実態はよくわからない。
 
しかし、こうした人間関係や腐れ縁から統一教会関係者が入り込んだり、橋下維新への支援活動を行う可能性は十分に考えられるだろう。
 
上述の2012年9月1日付週刊誌記事は、橋下徹尖閣竹島問題について沈黙する理由に関して、吉田康人・住吉区長の件を挙げ、統一教会橋下維新との関係を示唆している(リンク)。
 
物議を醸した橋下の竹島日韓共同管理提唱はこの記事の出たすぐ後の2012年9月23日である(リンク)。
 
安倍晋三統一教会の関係については表立った情報は少ないのであるが、既にさまざまな所で指摘されてきており、皆様もご承知のことと思う。
 
政治学を学ぶ者の間では安倍の祖父・岸信介から続く統一教会との関係は半ば常識であるが、それが政治学者によって語られることも、主流メディアによって報じられることも殆どない(報じられるとすれば週刊誌のみ)。
 
これに関してネット上ではさまざまな情報が提示されているが、記述者の主観や憶測を含むものが多く、検証が不十分のものが多いのが実態である。
 
以下、比較的客観的に記述されていると思われるウィキペディアの記述を主に参考にして簡単におさらいをしておきたい。
 
なお、記事下に99年に週刊現代が報じた記事のリンクを掲示しておくので、ぜひご参照いただきたい。

安倍晋三という政治家を見る上で不可欠であるのは、父・晋太郎の義父・岸信介から続く韓国人脈と統一教会との関係である。
 
は商工省官僚として満州国の計画経済の運営に携わってきたが、笹川良一児玉誉士夫らとの満州人脈が戦後にも受け継がれる。
 
は日韓国交回復を強く後押ししたが、その時の韓国大統領朴正煕(現大統領・朴槿恵の父)は元満州国将校のいわゆる満州人脈である。
 
岸・笹川・児玉らは韓国のカルト教団である世界基督教統一神霊協会統一教会の教祖・文鮮明と1968年に国際勝共連合を設立する。
 
初代会長は統一教会信者であった久保木修己で、「歴代会長の全員や役員の多くは統一教会の幹部であり、活動する会員も統一教会の信者であることが多いため統一教会の事実上の下部組織である」(ウィキペディア)。
 
また韓国でも勝共運動は満州人脈の朴政権下で庇護を受けた。
 
こうして霊感商法・洗脳・集団結婚で悪名高いカルト教団日本の政界・社会に蔓延る下地が形成されることとなった。
 
なお笹川良一は初代名誉会長となったが1972年に辞任している。

岸派の流れを汲む清和会は「反共」を掲げると共に「親韓・親台」路線であるが、これにはこうした歴史的経緯がある。
 
勝共連合自民党の政治家に秘書を送り込んだり、選挙を支援するなどして影響力を拡大した。
 
岸の娘婿で安倍晋三の父の安倍晋太郎勝共推進議員名簿に名を連ね、教団も安倍晋太郎政権の実現のために積極的に動いた」 ウィキペディア)。
 
また安倍晋太郎は韓国政界と太いパイプを有していたことで有名である。
 
こうした関係は岸から晋太郎を経て晋三にまで受け継がれていると考えるのが妥当であろう。

なお自民党の歴史において清和会は決して主流の派閥ではなく、保守本流と呼ばれる田中派木曜クラブのち竹下派経世会))と池田派(宏池会)の2派閥に対して、傍流であった。
 
しかし経世会宏池会は後に分裂して弱体化したこともあり、清和会は近年小泉純一郎の時に最大派閥となり、小泉純一郎の前の森喜朗から小泉の後の安倍晋三福田康夫と4人続けて総理総裁を輩出している。
 
清和会が他を圧倒するに至って、今ではかつての保守本流は傍流となり、「保守本流」そのものが死語となる、或いは、清和会の政治家が自ら「保守本流」を名乗ったりする現象が現れている。
 
一般においても、「保守本流」の本来の意味を無視あるいは誤解して、現在自民党で最大勢力となった清和会系の流れを指して使うといった倒錯現象が起きている。

また統一教会勝共連合を通じて日本の保守団体との結びつきを強めた。
 
その結果、現在保守論壇では主流である「親米保守」という「反共」のみを殊更強調し、米国には協調(従属)するという対米従属思想の形成に大きな影響を与えている。
 
「保守」はかつては多様な思想を縫合するものであったが、清和会の拡大と並行して、「保守」も多様性が狭められ、かつてと比べればかなり偏狭な思想の枠の中に自らを集約していっている傾向がみられる。

以上見てきたように、統一教会の下部組織である勝共連合との関係が岸から安倍に受け継がれていること、および日本の保守政界・論壇とも関係し、少なからぬ影響力を保持しているのは明らかであり、逆に無関係を証明することは非常に困難である。

民主党政権末期には「自民党は変わった」と自民党自らが喧伝していたが、果たしてそうであろうか。
 
安倍政権が誕生して現在進められているのはまたしても急進的な構造改革路線に他ならない。
 
中野剛志は「小泉・竹中路線の総括」の必要性を強調しており、私も全く同感であるが、
 
それは同時に現在自民党の最大勢力である「清和会的なるもの」清算・総括を意味するものに他ならず、
 
現実には清和会が最大勢力である自民党が自らそうしたものを総括したり決別をしたりするようには到底思えない。
 
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「スクープ! 公安の極秘資料入手現職国会議員128人の「勝共連合統一教会」関係度リスト」
週刊現代, 99年2月27日号)