ロンドンを舞台にしたアッサンジへ弾圧は言論の自由に止めを刺すことが目的
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アメリカの司法当局はイギリス政府に対してウィキリークスのジュリアン・アッサンジを引き渡すように求めている。
今年1月4日に担当判事のバネッサ・バラツァーは引き渡しを認めない判決を言い渡したが、アメリカ側は上訴、10月28日から29日にかけて審理があった。
判決は11月に言い渡される模様だ。
バラツァー判事は戦争犯罪を含む権力犯罪を明らかにすることは重罪だというアメリカ側の主張を認めた上で、アッサンジの健康状態が悪いことや自殺の可能性から引き渡し要求を認めなかった。
アメリカ政府の立場を配慮した判決だと言えるだろうが、それでアメリカ側が満足することはなかった。
アッサンジは2019年4月11日、ロンドンのエクアドル大使館でロンドン警視庁の捜査官に逮捕された。
2007年1月から17年5月までエクアドルの大統領を務めたラファエル・コレアは12年8月にアッサンジの亡命を認めていたのだが、イギリス当局がアッサンジを逮捕しようとしていたため、大使館から出られなくなっていた。
この時点でアメリカの司法当局はすでにアッサンジを秘密起訴していたと見られている。
エクアドルの大統領がコレアからレニン・モレノに交代した2017年5月にスウェーデン検察はアッサンジに対するレイプ捜査を終え、逮捕令状を取り消すと発表した。
捏ち上げだったので当然だが、モレノを排除できたので、スウェーデンの役割は終わったということだろう。
イギリスとスウェーデン両当局の間でやりとりされていた電子メールは消去された。
モレノはアッサンジの亡命を取り消し、ロンドン警視庁の捜査官を大使館へ「招待」したのだが、その1カ月前、2019年3月11日にIMFはエクアドルに対して42億ドルの融資を実施すると発表している。
この融資は亡命取り消しの交換条件のひとつだったとみられている。
内部告発を支援してきたウィキリークス。
この団体はアメリカの私的権力にとって目障りな存在だろうが、その象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジは現在、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所へ入れられている。
イギリスの裁判所がアサンジのアメリカへの引き渡しを認めた場合、懲役175年が言い渡される可能性があるのだが、アッサンジへの弾圧が正当だと認められたなら、アメリカの権力犯罪を明らかにしたジャーナリストは国籍や活動拠点に関係なくアメリカの私的権力が報復できることになる。
ジャーナリストでないアッサンジの起訴は言論弾圧に当たらないとする詭弁を弄する人もいるが、ウィキリークスが行っていたことはジャーナリストが行うべきことであり、有力メディアが放棄してしまったことである。
医者、弁護士、料理人などとは違い、「ジャーナリスト」は本人がそう名乗れば良いのだ。
「言論」は全ての人間に認められた権利である。
アメリカの当局はアッサンジをハッキングのほか「1917年スパイ活動法」で起訴している。
ハッキングで最も重要なアメリカ側の証人はシギ・トールダルソン。
2010年当時、ウィキリークスの活動にボランティアとして参加していたが、後にFBIへの情報提供者になった人物。
ウィキリークスはこの人物が寄付のうち5万ドルを横領したと疑っていた。
トールダルソンはアッサンジが2010年の初めにアイスランド政府のコンピュータに侵入して情報を盗むように指示したなどと主張したが、後にそれは嘘だとメディアに証言している。
トールダルソンは第三者から書類を受け取り、チェックしないままアッサンジに渡したという。
その当時、トールダルソンは「サブ」と呼ばれていたヘクター・ザビエル・モンセガーと接触していた。
この人物はハッキング・グループのリーダーだが、逮捕され、懲役124年が言い渡される可能性があった。
そこで司法取引に応じ、FBIの情報提供者になったのだ。
アイスランド政府へのハッキングを仕掛けたのはFBIを後ろ盾とするサブ。
トールダルソンはFBIの罠にかかり、FBIの協力者になり、アッサンジを起訴するために偽証したが、その事実をメディアに認めてしまった。
FBIはアッサンジを起訴するため、事件を捏ち上げたことが明らかにされたわけだ。
そのトールダルソンをアイスランドの捜査当局は9月24日に逮捕、収監した。
トールダルソンがFBIの以降に沿う証言をしなければ、アッサンジの起訴は「1917年スパイ活動法」によるしかなくなる。
支配的な立場にある人は自分たちにとって都合の悪い情報を明らかにすることを許さない。
そうした行為は被支配者による「スパイ行為」だとも言えるだろう。
支配者にしてみると、ウィキリークスは権力犯罪を暴くという「スパイ行為」を行ったわけだ。
ウィキリークスの活動に絡み、有罪判決を受けた人物がいる。
アメリカ軍のブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵だ。
2010年5月に逮捕され、軍事法廷は懲役35年を言い渡されたが、後に刑期は短縮され、2017年5月に釈放されている。
エクアドル大統領がコレアからモレノに交代、スウェーデン検察がアッサンジに対する逮捕令状を取り消したタイミングだ。
しかし、釈放後、アッサンジへの弾圧を正当化する証言をしろというアメリカ当局から要求を拒否したことからマニングは2019年3月から20年3月まで収監されている。
アッサンジを起訴した根拠が薄弱だとアメリカの当局は自覚しているのだろう。
マニングが告発した情報はイラクにおけるアメリカ軍の犯罪的な行為に関するもの。
その中にアメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターによる非武装の一団に対する銃撃の映像が含まれていた。
2007年7月にバグダッドでの出来事だが、その銃撃でロイターの特派員2名を含む非武装の十数名が殺されている。
こうした情報が公開された翌月、マニングは逮捕されたのだ。
マニング以外にも政府機関の不正行為を告発した人たちはいる。
例えば電磁情報機関NSAの不正を明らかにしたウィリアム・ビーニーやエドワード・スノーデン、イランへ核兵器に関する資料を渡してイラン侵略の口実を作るというCIAの危険な作戦を警告したジェフリー・スターリング、そしてCIAなどによる拷問を告発したジャニス・カルピンスキーやCIAの分析官だったジョン・キリアクたちだ。
カルピンスキーはイラクのアブ・グレイブ刑務所で所長を務めていたが、所内での拷問が明らかになった後、2004年1月に停職となる。
それに対して彼女はその年の6月、BBCに対して刑務所内で拷問が行われていたセクションを管理していたのは軍の情報部であり、彼女は実態を把握していなかったと主張した。
刑務所内で撮影された写真については、兵士が独断で撮影することはありえないとも指摘した。
カルピンスキー本人も命令していない。
彼女によると、グアンタナモから来ていたジェオフリー・ミラー少将は拘束されている人々を犬のようなものだと表現、そうした人々が自分を犬以下の存在だと信じさせることでコントロールが容易になると主張していたという。
そうした考え方で私的権力は政策を進めているのだろう。
2004年7月には、刑務所にイスラエル人の尋問官がいたとも話している。
後にカルピンスキーは准将から大佐へ降格になった。
キリアクは2007年12月にABCニュースのインタビューを受け、CIAの同僚から聞いた話として、ウォーターボーディングと呼ばれる拷問が行われていると語っている。
それが問題になり、結局、2013年に懲役30カ月の判決を受けた。
NSAの監視システムに関する情報を明らかにしたエドワード・スノーデンはロシアから出られない状態にある。
言論を弾圧するため、内部告発者やその協力者を厳しく処罰するだけでなく、検閲システムも強化されている。
第2次世界大戦が終わって間もない頃から有力メディアはCIAと連携、1970年代に規制緩和でメディアの所有者が集中、そのころからプロパガンダ色は濃くなり、広告会社の役割が強まった。
日本の状態は世界の中でも悪い方で、ジャーナリストのむのたけじが1991年に開かれた「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」主催の講演会の冒頭で語ったように、「ジャーナリズムはとうにくたばった」のだ。(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)
2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された後、言論統制は格段に強化され、インターネットの普及に伴い、グーグル、ユーチューブ、フェイスブック、ツイッターなどシリコンバレーの巨大企業が政府機関と連携して検閲を行っている。
フェイスブックのエンジニアだったフランセス・ハウゲンは社内文書を持ち出してウォール・ストリート・ジャーナル紙へ提供、彼女自身は上院の消費者保護小委員会で証言したりCBSの「60ミニッツ」でインタビューを受け、「内部告発者」として褒め称えられている。
彼女はフェイスブックが一部のエリートを特別扱いし、フェイスブック系のインスタグラムは十代の女性に悪い影響を与えていると主張、また人身売買、臓器売買、麻薬取引などへの対応が甘いとしているが、こうした犯罪が蔓延しているのは捜査機関や情報機関が容認しているからだ。
実際、いずれも情報機関が深く関与しているとさえているものであり、捜査機関や情報機関の責任を問わねばならない。
フェイスブックに責任を押しつけるのはお門違いだ。
しかも彼女は「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」を接種させる努力が足りないと批判しているが、検閲の強化の矛先は権力犯罪を暴こうとする人びとにも向けられる。
ハウゲンは私的権力の手先として働いていると言えるだろう。
アメリカの私的権力はジャーナリズムに止めを刺そうとしている。
ソロスが情報統制のために新たな会社「グッド・インフォメーション」を設立
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ふたりの富豪、ジョージ・ソロスとリード・ホフマンが「グッド・インフォメーション社」なる会社をスタートさせた。
ふたりの仲間、つまり私的権力にとって「優れた」、そして「好都合な」情報を広めることが目的なのだろう。
この会社は情報統制システムの一端をになうことになるだろう。
ソロスはハンガリー生まれの投機家でロスチャイルド資本と緊密な関係にあることで有名だが、その一方、ソ連を経済面から攻撃していたことでも知られている。
そうした工作の拠点として1984年にハンガリーで設立した団体が「オープン・ソサエティ・インスティテュート(後のオープン・ソサエティ財団)」だ。
ホフマンはインターネット産業の成功者で、ビジネス系SNSのリンクトインを創業したことで知られている。
ピーター・ティールのPayPalで副社長を務めたこともあった。
リンクトインは2016年にマイクロソフトの子会社になっている。
「グッド・インフォメーション社」は私的権力にとって都合の悪い情報の信頼度を落とし、排除することを目的にするのだろうが、グーグルやフェイスプックなどシリコン・バレーのハイテク企業は検閲を強化している。
第2次世界大戦後、アメリカの私的権力はメディアをコントロールするためのプロジェクトをスタートさせている。
いわゆるモッキンバードだ。
プロジェクトの中心人物はアメリカの情報活動を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの下で破壊工作機関OPCを指揮していたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近でCIA長官になるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙のオーナーだったフィリップ・グラハムの4名だ。
ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士で、ヘルムズの祖父は国際決済銀行の初代頭取。
グラハムはジョン・F・ケネディが暗殺される3カ月前に自殺、キャサリンが次の社主になり、ウォーターゲート事件の取材を指揮した。
同紙でウォーターゲート事件の取材はカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードが中心になって行われた。
ウッドワードは少し前まで海軍の情報将校で、情報源を持っていたものの、記者としては素人に近い。
事実上、取材はバーンスタインが行ったと言われている。
バーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いた。
これはウォーターゲート事件以上に重要な記事だ。
(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)
記事を執筆するまでの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上におよんだという。
1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったともいう。
CIAが有力メディアを情報操作のために使っていることはフランク・チャーチ上院議員を委員長とする情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会でも明らかにされたが、CIAからの圧力があり、記者、編集者、発行人、あるいは放送局の重役から事情を聞いていない。
当時のCIA長官、つまりウィリアム・コルビー(1973年9月から76年1月)やジョージ・H・W・ブッシュ(1976年1月から77年1月)たちから調査をやめるように働きかけられたことが影響したようだ。
それでもチャーチ委員会の調査は情報機関やその背後に存在する私的権力にとって脅威だったようで、その後、活動の拠点をCIAの外部に移している。
各国の情報機関の幹部が参加したサファリ・クラブが作られた理由もそこにある。
ここにはヨーロッパ貴族のネットワークも深く関与していた。
破壊活動に貴族の名前が出てくるのが、偶然ではない。
COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で情報統制のシステムは強化され、恐怖を煽り、「ワクチン」を接種させるために機能している。
「ワクチン」接種の先にはデジタル・パスポートを使った管理システムの構築が予定されている。
脳の管理や人口削減も目的だろう。