きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

旧国際秩序執着から進む新国際秩序 2 ~米国が中国との戦争に集中~

ウクライナ戦争をやめたくてもやめられない米国側
https://tanakanews.com/230131ukrain.htm

米国の軍産複合体系の権威あるシンクタンクであるランド研究所ウクライナ戦争を長引かせると米国の国益にならない。早く終わらせた方が良い」と主張する論文を発表した。

 

「戦争を長引かせるな」(Avoiding a Long War)と題するこの論文は、ウクライナ戦争が長引くほど、対露経済制裁の反動で世界のエネルギーや食糧の価格が高騰して米国に不利になり、軍事と経済の両面での米国のウクライナ支援のコストも上がると言っている。

 

また戦争が長引くほど、ロシアと中国との結束が強まって中国に有利になるし、米国がウクライナ支援に資金と国力を取られるほど、米国は中国と敵対するための余裕が不足し、中国が米国を押しのけて台頭することを阻止できなくなると警告している。 

 

 

 

ベトナム戦争で親米勢力にゲリラ戦をやらせて共産側に徹底抗戦することを提唱するなど、昔から無謀な好戦論で有名なランド研が、今回のような現実論を主張することは異例だ。

 

米国側は、米欧政府高官からマスコミまでの権威筋のほとんどが「ロシアを潰すまでウクライナを支援してこの戦争を続けるべきだ」という好戦論を叫んでいる。

 

最近は、NATO諸国がウクライナに新型の戦車を送るべきだという話になり、それを嫌がるドイツ政府が非難されている。

 

戦車の次はNATO諸国が戦闘機をウクライナに送るんだという話も出ている(ウクライナ上空の制空権は露軍が握っており、戦闘機がウクライナ領空に入った途端にロシアと交戦になる)。

 

NATOの将軍(オランダ人のRob Bauer)は、NATOがロシアと戦争する準備ができているとまで言っている(ウソだが)。

 

ランド研の現実論は、ほとんど無視されている。 

 

 

 

米国やNATOは、ロシアと直接交戦できない。

 

したら核戦争になりかねない。

 

NATO(米国側)は、直接ロシアと交戦するのでなく、ウクライナを軍事支援し続けるだけだが、それだと露軍を打ち負かせず、戦争が長引く。

 

ロシアとウクライナをうながして停戦・和解交渉させる道もあるが、ゼレンスキーのウクライナは、ロシアが占領地(ウクライナ東部2州とクリミア)をウクライナに返還しない限り交渉しないと言っている。

 

 

占領地の住民の大半はロシア系であり、ロシアは同胞の安全を守るため返還に応じられない(返還したらゼレンスキー傘下の極右勢力がロシア系住民を売国奴とみなして殺害する)

 

ゼレンスキーはプーチンらロシア高官たちを戦犯として国連などで裁くことも要求しており、プーチンらに着せられた罪状は濡れ衣ばかりなので、当然ながら露側は拒否している。 

 

 

和解交渉はない。

 

停戦できないから延々と戦争が続く。

 

ランド研が指摘するとおり、戦争が続くほど中露が結束し、日本を追い越して世界最強の製造業を持つ中国は、安くて大量なロシアの石油ガス資源類を得てますます強くなる。

 

中露のまわりにサウジやイラン、BRICSなど、他の資源諸国や大市場諸国も集まり、非米側は米国側(先進諸国)をしのぐ経済力を持って台頭していく。

 

 

世界は米単独覇権体制から、多極型の覇権体制に転換していく。

 

ウクライナを早く停戦させれば、米覇権の解体・喪失を防げるかもしれないが、ゼレンスキーが了承しないので停戦できない。

 

ランド研の警告は正しいが無視される。

 

 

ゼレンスキーは米諜報界の傀儡だ。

 

ランド研が正しい忠告をしているのだから、諜報界はそれに沿ってゼレンスキーに加圧して停戦交渉させるのが筋だ。

 

しかし、そのようにはならない。

 

なぜかというと、米諜報界は米覇権を自滅させて非米側を台頭させようとする隠れ多極派に乗っ取られており、米覇権を守ろうとするランド研はいつの間にか非主流派に追いやられているからだ。

 

 

 

米(英)諜報界を乗っ取った多極派は、2021年の夏からゼレンスキー傘下の極右勢力をけしかけてウクライナ国内のロシア系住民への攻撃を急増させ、プーチンのロシアがウクライナに侵攻せざるを得ないように仕向けた。

 

多極派は同時にプーチンに対し、ウクライナに侵攻して戦争を長引かせるほど、ロシアが中国を引っ張り込んで世界を多極化して勝ち組に入れることを入れ知恵し、プーチンは勝算を得てウクライナ戦争を始めた。

 

多極派は、諜報界傘下の米国側のマスコミを動員して「露軍はもうすぐ負けるから、対露制裁とウクライナ支援を加速しよう」と喧伝させ、ゼレンスキーに加圧して停戦交渉を拒否させ、プーチンのロシア側も米国側のプロパガンダを大して否定しない「偽悪戦略」を採り、これらの策略が米国側を戦争長期化の泥沼に陥れた。 

 

 

 

ウクライナ戦争の長期化は意図的な策略なので、今後もこの状態が延々と続く。

 

 

米諜報界の多極派はこの戦争より前に、地球温暖化対策新型コロナウイルスに関しても、米国側とくに欧州を経済的に自滅させる方向で策略を展開してきた。

 

また多極派は、ウクライナ開戦と同期して、米政界経由で米連銀を加圧し、インフレ対策(愚策)として利上げやQTをやらせており、これも米国側の金融崩壊につながっていく。

 

これらのすべてが奏功し、覇権構造の転換が進んでいる。

 

この流れは、ランド研の主張ぐらいで変わるものでない。

 

米国側は、ウクライナ戦争をやめたくてもやめられなくなっており、覇権自滅の道に入り込んでいる。

米国内では、民主党エスタブやマスコミ権威筋と結託し、ウクライナ戦争と地球温暖化と新型コロナの全てについて、覇権自滅的な超愚策を進めている。

 

 

対照的に共和党は、以前に党を牛耳っていたエスタブ系と、トランプ以来の新興で草の根の反エスタブ右派ポピュリスト勢力が内紛し続けており、しだいにトランプ派が共和党を席巻している。

 

バイデンの民主党は愚策ばかりやっているので支持が減り、トランプが席巻する共和党の支持率が上がっている。

 

しかし民主党側は選挙不正のシステムを握っており、簡単には負けない。

 

負けないが、民主党が選挙不正を繰り返すほど、共和党の支持者はそれに気づき、米国内の分裂状態がひどくなる。

 

共和党のトランプ派は、ウクライナ支援に象徴される覇権行為の全体を放棄したがっている。

 

米国は今後、政治分裂で決定不能性が高まり、いずれ共和党が政権に返り咲くころには、ドル崩壊も重なって、覇権放棄・孤立主義の国に変質している。 

 

 

このように米国が自滅しても、欧州(や日本)が対米従属を貫いて米国の弱さを穴埋めしてしまうと、米国の覇権が維持される。

 

 

 

米国は1970年代、ニクソンショックベトナム戦争で自滅しかけたが、日独が対米従属を貫いて米国を助けたので覇権が維持された。

 

米多極派はあのころを繰り返したくないので、今回は欧州を狙い撃ちして経済自滅させ、欧州人が対米従属をやめたくなるように仕向けている。

 

ウクライナ戦争や温暖化やコロナへの対策で欧州経済が自滅して市民生活が悪化するほど、欧州の人々は対米従属の従来エリートでなく、新興の右派ポピュリストを支持して政権につかせる方向に流れていく。

 

右派ポピュリストはロシア敵視や対米従属を馬鹿げていると考え、欧州はロシアと和解して対米自立していく。

 

欧州の変質が進むと、ウクライナ戦争も終わる。

 

欧州人は、ウクライナがロシアとポーランドに分割されることを黙認する。 

 


米国覇権が衰退したら、豪州やNZも中国と対立したいとは思わず、中国の経済圏に入っていく。

 

アングロサクソンの世界支配は終わる。

 

日本の自民党政権は、豪NZよりも現実的なので、米中両属が良いとすでに考えている。

 

中国は習近平が独裁化を達成したので今年初めからコロナ愚策を全放棄して経済の高度成長を再開したが、日本もこれに同期してコロナ愚策を放棄し、春から国民へのマスク着用の奨励を解除する。

 

この同期は、日本が経済面の対中従属を強めていることを示している。