国民が困窮しているのを放置しておきながら、国会の議決も通さない巨額のウクライナ支援は、いったいどこから誰の許可を得て支出したのか?というと、内閣が自由に使える「予備費」からの支出でした。
国会に、つまり国民にお伺いを立てずに使えるものです。
原口一博議員が、国会の決算行政監視の調査室に、現在使われている予備費の内訳を求めて出てきた資料を解説されていますが、驚愕ものです。
多くの国会議員も知らない、非公開で議事録もない資料です。
最初に、近年の4月〜6月の予備費の使用額を比較していますが、令和元年から毎年ケタ違いに増額しており、令和3年、4年はコロナを理由に1兆円を軽く超えています。
しかし、そもそも、4月〜6月の予備費というのは存在自体がおかしな話で、国会開会中なのだから国会で補正予算案を出して、国会つまり国民の許可を得た目的に使うべきでした。
ところが使途を問われずに内閣の責任で使える「予備費」をガンガン増額している。
原口一博議員は、財政民主主義(国家が財政を動かす際には国民の代表から構成される議会の議決が必要)の観点からも問題だと指摘します。
岸田政権は、この4月だけで「一般予備費 3945億円」「コロナ予備費 1兆1170億円」も使っている!
しかも驚いたことに、この予備費では足りないという理由で、補正予算を組んで「予備費に埋め戻しをする」という閣議決定までしている!
有り体に言えば、かつてないほど政府のお小遣いを増やしておきながら、まだ足りないから、わざわざ補正予算を組んで増額させたと。
4月時点で予算が不足したというのは、憲法87条「予見し難い予算の不足」と言えるのか。
予算の見立てそのものが間違っているのではないか、もっと言えば、内閣の統治能力が無いのではないかとすら言えます。
国会開会中は予備費を使用しないという原則にも外れます。
さらに問題なのは、額が増えているだけでなく使途も従来より増えており、それ自体が開会中の国会にはかることは必須のはず。
これはもう参院選を前に、政府の裁量で使えるお金をばらまいているのではないかという疑念すら湧いてきます。
まともな政府であれば非公開にせず、使途の報告を上げるでしょうし、そもそもこのような異常な予備費は認めないはず。
「国会をないがしろにすることは、国民をないがしろにすること」。
原口議員は節度をもって「ノリを超えている」と表現されていますが、まのじ的には、ふざけたドロボウ内閣です。
岸田政権に「調子に乗るな」と言う機会は、選挙です。