自民維新、御用マスコミの「立民敗北は野党共闘のせい」に騙されるな! 実際は野党共闘で僅差、見直し論は野党を壊滅させる作戦
https://lite-ra.com/2021/11/post-6067.html
衆院選の結果を受けて、かつてない「野党共闘」批判と見直し論が巻き起こっている。
投開票日から一夜明けた今月1日の朝刊では産経新聞が「立民「共闘」失敗」「野党共闘は不発に終わった」と報じただけではなく、朝日新聞も「立憲後退、共闘生かせず」と総括。
一方、ワイドショーや報道番組に出演しつづけている田崎史郎氏は「なぜ立憲が負けたかというのは、共産党と組んですごい左のほうへ振れてしまったのが失敗の原因」などと喧伝して回り、日本維新の会躍進のPRに駆け回っている橋下徹氏も「大阪は野党共闘がなくても自民を壊滅させた」などと主張している。
こうした総括の影響を受けた結果か、1日と2日におこなわれた共同通信の緊急世論調査では、候補者を一本化した立憲民主党など5野党の共闘関係について「見直した方がいい」が61.5%にのぼり、「続けた方がいい」は32.2%にとどまった。
また、昨日4日の読売新聞の1面記事では、政治部・末吉光太郎記者が
〈基本政策の不一致を棚上げにしたままの野合だと見透かされた結果〉
〈立民が次第に共産に溶け込み、左傾化していったことで、立民支持層の離反も招いた〉
〈政策を無視した共闘では支持が広がらないことを肝に銘じるべきだ〉
などと断罪。
挙げ句、当の立憲民主党内部からも「政策や理念が異なる政党との協力は以前からの支持層の反発を招いた」と見直しを求める意見も出ているといい(NHKニュース5日付)、枝野幸男代表の後任を決める代表選への出馬に意欲を示している泉健太政調会長も「衆院選結果を踏まえ、再検討するのは当然だ」と発言した。
ようするに、マスコミの「共闘失敗」の大合唱を受けて世論もそれになびき、立憲の代表選では「野党共闘を見直すか否か」が争点になりそうになっているのだ。
まったく馬鹿げているとしか言いようがないだろう。
そもそも、石原伸晃や甘利明や、現役閣僚の若宮健嗣、初代デジタル大臣である平井卓也といった大物議員が小選挙区で敗れたのは野党共闘の成果だし、立憲は小選挙区にかぎっていえば、公示前の48議席から57議席に伸ばしており成果を出している。
橋下徹「大阪は野党共闘がなくても自民を壊滅」は嘘、維新は公明と握っていたのに
また、橋下氏は「大阪は野党共闘がなくても自民を壊滅させた」などと言うが、大阪府政では維新が与党であり、さらには昨年11月におこなわれた「大阪都構想」住民投票後のテレビ番組で橋下氏自身が「公明党とある意味、握ったわけですよ。衆院選挙の議席を維新は公明党に譲る代わりに、この住民投票のほうに賛成にしてもらったわけだから」と語っていたように、今回の選挙で維新は大阪の選挙区において公明党と調整。
「野党共闘がなくても自民を壊滅」させたのではなく、事実上の「維公共闘」の結果なのだ。
しかも、一本化によって自民候補と野党統一候補が競り合う結果となった選挙区が続出したのは、明確な事実だ。
実際、前述したように政治部記者が「野党共闘では支持が広がらないと肝に銘じろ」と1面で書いたのと同じ4日付の読売朝刊では、かたや4面で「衆院選小選挙区 自民当選者 2割が辛勝」という記事を掲載。
いかに今回の衆院選小選挙区において共闘野党が善戦していたかを、このように分析している。
〈今回の衆院選では、自民の小選挙区当選者の約2割に当たる34人が、次点候補との得票率の差が5ポイント未満だった。
政権復帰した12年は17人だったが、14年は22人、17年は27人と、選挙を重ねるたびに増えている。〉
〈次点候補との得票率差が10ポイント未満で当選した自民候補は59人だった。
自民候補が5ポイント減らして次点候補が5ポイント伸ばしていれば、自民候補は小選挙区で59人が敗れていた計算になり、自民単独で過半数となる233議席を確保できなかった可能性もあった。〉
つまり、60近い選挙区ではわずかな差まで自民候補を追い詰めており、自民の議席が単独過半数に届かないシナリオも十分考えられた、というのだ。
この事実はメディアによる情勢調査にも表れていた。
投開票日の20時に出された獲得議席予想では、議席予測では信頼度の高いNHKまでもが「自民 単独過半数に届くかギリギリの情勢」と打ったほか、投開票日の夕方にマスコミ関係者のあいだで流れていたNHKや共同通信による出口調査の結果でも、自民が大幅に議席を減らして単独過半数を割り込むと予想されていた。
これほどまでに調査結果が大ハズシとなったのは、たんにオートコール方式だとかネット調査だとかといった調査方法の問題だけではなく、いかに接戦区が多かったかということの証明にほかならない。
そして、「野党共闘」が脅威であったことは、当の選挙を戦った自民党が認めている事実だ。
元自民党情報調査局長の平将明も「野党共闘の見直し論があるみたいですけど、我々からみると、すごい脅威」
読売新聞の記事でも〈自民幹部も野党の候補一本化について「一定の効果はあった」と認めざるを得なかった〉としている上、自民党のネット戦略にかかわり、情報調査局長も歴任した平将明は、4日放送『報道1930』(BS-TBS)で今回の衆院選についてこう語った。
「自民党は結果的には良い数字を獲れましたけれども、現場で戦っている人から見ると、立憲と共産党の統一候補というのは、大変な脅威でした。
いままでと緊張感が全然違う。
最後競り勝ちましたけど、どっちに転んでも(おかしくなかった)。
ギリギリのところ30カ所ぐらい、たまたま我々が勝てた」
(「ちょっと違えばひっくり返った?」という問いに)
「もちろん。そう思います」
「立憲と共産党の共闘の見直しみたいな感じがあるみたいですけど、我々からしてみると、すごい脅威でしたね」
野党共闘はすごい脅威だった、ちょっと違えばひっくり返った──。
これこそが自民党の本音であり、だからこそ、選挙戦では麻生太郎・副総裁や安倍晋三・元首相、岸田文雄首相、公明党の山口那津男代表をはじめとする与党幹部や日本維新の会の松井一郎代表などは野党共闘を「共産党を政府に関与させていいのか」「立憲共産党」などと攻撃を繰り広げてきた。
そして、いま読売や田崎氏のような御用メディア・ジャーナリスト、橋下氏のような自民アシスト勢が「野党共闘は失敗」であるかのように喧伝しているのも、自民を脅かす野党共闘を潰そうと必死にキャンペーンを張っているにすぎないのだ。
にもかかわらず、その世論醸成に流され、当の立憲内部で「野党共闘は見直すべき」などという声があがっているとは、アホ丸出しもいいところ。
立憲の代表選出馬に意欲を示している顔ぶれは自民党の補完勢力になることがミエミエだった「希望の党」に乗った議員ばかりだが、いま野党共闘を見直して「左に寄りすぎ」などという自民支持者の言うことを聞けば、反自民という対決軸を失い、それこそ自民党の思う壺にはまるだけだ。
実際、前述の平氏は「野党共闘は脅威」と語った際、こうも話していた。
「AかBかという選択になると国民投票的な選挙になるもんですから、『自公が良いのか悪いのか』なんですよ。
しかも国民投票的なやつはミクロな『こんな酷いことあったよね』の積み重ねで、結構あとになればなるほど、反対の人が増えていく傾向がある。
ですから1つの選挙区で選択肢が2つしかないっていうのは、すごいやっぱり怖いんですよね、我々としては」
立憲議員も野党を応援する人も、「野党共闘」を潰そうとするキャンペーンに乗せられてはいけない。
「野党共闘は脅威だった」という自民の本音、候補者一本化によって自民を恐怖に陥れた事実こそを見るべきだ。
■2021年総選挙総括:なぜ『野党共闘4党』は政権交代できず『大敗北』したのか?
https://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/88889dbeade03358a48c4bfe1712db2f
▲(基本データー)与党による衆議院支配の最低議席数
衆議院総議席:465議席
過半数:233議席
安定多数:244議席(衆議院全17委員会の委員長ポス独占と野党と同数の委員確保)
絶対安定多数:261議席(衆議院全17委員会の委員長ポス独占と半数以上の委員確保)
絶対多数(2/3):310議席
▲『改憲勢力4党』の選挙結果
①自民党:261議席 (選挙前276議席)
②公明党:32議席 (選挙前29議席)
③維新:41議席 (選挙前11議席)
④国民民主:11議席 (選挙前8議席)
小計:345議席
_________________________
▲『野党共闘4党』の選挙結果
①立憲民主党:96議席 (選挙前109議席)
②共産党:10議席 (選挙前12議席)
③れいわ :3議席 (選挙前0議席)
④社民党:1議席 (選挙前1議席)
小計:110議席
■今回の総選挙で『野党共闘4党』が政権交代できず『大敗北』した『主な要因』は以下の4つだろう!
▲第1の要因:現行の『比例代表選挙制度』は民意を正確に反映せず『自民党の議席を激増させる』『全くのインチキ制度』であること。
自民党に比例投票した有権者は全有権者(1億562万人)の19.8%(1991.4万票)しかいないのに衆議院の全議席(456議席)の57.2%(261議席/456議席)を占めたのである。
●もしも『1票の格』が『ゼロ』の『小選挙区単純投票制』で各党の比例獲得票数の割合で衆議院の議席(465議席)を分配したら各党の獲得議席数はどう変わったか?
結論から先に言うと、
二党の減った議席『104』を、
公明党(+25)、
維新(+24)、
国民民主(+9)、
共産党(+23)、
れいわ(+14)、
社民党(*7)
がそれぞれ議席を増やしたのである。
すなわち現行の『小選挙区比例代表制』は、『自民党の獲得議席を激増させ』『自民党以外の小政党の獲得議席を激減させる』『民意を全く反映しないインチキな選挙制制度』なのである。
この『インチキな選挙制制度』の元凶は『1票の格差がゼロではない』ことである。
どんな選挙でも民意を正確に反映するには『1票の格差ゼロ』が絶対基準であるが、今回の総選挙では289の小選挙区での『1票の格差』は『最大2.09倍』となり前回2017年の総選挙での『1.98倍』よりも『0.11倍』も増えたのである。
こんな『インチキな選挙制制度』で何回総選挙を繰り返しても、常に自民党が勝利し『野党による本格的な政権交代』など永遠に実現できないのだ。
『野党共闘4党』はこの『インチキな選挙制度』廃止し、民意を正確に反映する『1票の格差ゼロ』の新たな選挙制度に変更することを来年7月の参議院選挙の最大の争点にすべきである。
▲『改憲勢力4党』の比例獲得票数と計算式と予想獲得議席数(獲得議席実数):
比例投票総数:5746.5万票
自民党:1991.4万票 →1991.4万/5746.5万x465議席=161.1議席 →161議席(261議席)
公明党:711.4万票 →711.4万/5746.5万X465議席=57.5議席 →57議席(32議席)
維新:805.0万票 →805.0万/5746.5万X465議席=65.13議席 →65議席(41議席)
国民民主:259.3万票/5746.5万X465議席=20.98議席→20議席(11議席)
小計:303議席(345議席)
________________________________
▲『野党共闘4党』の比例獲得票数と計算式と予想獲得議席数(獲得議席実数):
比例投票総数:5746.5万票
立憲民主党:1149.2万票 →1149.2万/5746.5万x465議席=92.9議 →92議席(96議席)
共産党:416.6万票 →416.6万/5746.5万X465議席=33.7議席 →33議席(10議席)
れいわ:221.5万票 →221.5万/5746.5万X465議席=17.9議席 →17議席(3議席)
社民党:101.8万票 →101.8万/5746.5万X465議席=8.23議席 → 8議席(1議席)
小計:150議席(110議席)
▲第2の要因:今回の総選挙の投票率が戦後3番目の低投票率(55.93%)に意図的にされたことである。
投票率が低くなればなるほど組織票を持つ自民党と公明党が有利になる仕組みがあるからである。
そのために内閣(総務省)傘下の『中央選挙管理委員会』は意図的に投票率を下げるため全国1000箇所以上の投票所で締め切り時間を『4時間から1時間』くりあげたのである。
こんな『権力犯罪』を防ぐには、『中央選挙管理委員会』を内閣(総務省)傘下ではなく、国会(衆議院と参議院)全面に移管すべきなのだ。
今回『中央選挙管理委員会』が全国1000箇所以上の投票所の締め切り時間を『4時間から1時間』くりあげたことは、投票率を意図的に下げることで組織票を持つ自民党と公明党を有利にするための『権力犯罪』である。
『野党共闘4党』はこの『権力犯罪』を糾弾し『総務省』と『中央選挙管理委員会』の最高責任者と組織を『権力乱用』として『刑事告訴』すべきである。
▲第3の要因:野党第一党・立憲民主党の枝野代表が市民連合の仲介で初めて実現した共産党、れいわ、社民党との『野党共闘』を『つぶした』事である。
枝野代表、福山幹事長、安住国対委員長など立憲民主党執行部は、もともと野党共闘による『政権交代』などする気は全くなく、毎年68.9億円の政党助成金が自動的に支給される現在のままが『一番居心地が良い』のである。
▲第4の要因:日本のマスコミが『自民別動隊』として機能した事である。
日本のマスコミは、安倍晋三自公政権下で安倍首相と菅官房長官が犯した数々の『権力犯罪』(アベノミックスによる国家資産横領問題、120兆円の海外ばらまき問題、森友学園問題、加計学園問題、桜を見る会問題、自民党資金1.5億円問題など)を本気で追及せず国民に『野党による政権交代』の必要性を主張しなかったからである。
自民党は莫大な予算を投入して電通・マスコを使いって『共産党バッシング』と関西のTVを中心に使った『維新旋風キャンペーン』に多くの国民は『世論誘導』されたのである。
(おわり)