韓国戒厳令の裏読み
https://tanakanews.com/241205korea.htm
韓国の尹錫悦大統領は、12月3日夜に戒厳令(非常戒厳)を発布したが、6時間後の4日未明には議会に覆され、撤回に追い込まれた。
韓国の政界は、野党の「共に民主党」が議会(国会)の過半数を握り、尹は以前から何度も弾劾決議案を出され、ぎりぎりの政局運営を続けてきた(野党の議席が、弾劾可決に必要な3分の2に達しておらず否決)。
最近は、尹が出した政府予算案を野党が大幅に減額した。
しだいに追い込まれている尹は、一発逆転を狙って戒厳令を打ち出したが、惨敗した。
(South Korea’s Unsuccessful Self-Coup Could Complicate America’s “Pivot (Back) To Asia”)
今回の戒厳令に対しては、与党の「国民の力」の内部からも批判の声が強まっている。
韓国が服従する米国も、アジア安保の重鎮であるカート・キャンベル国務副長官が4日、尹の行動を非難する発言をしている。
尹は、米政府に(正式ルートで)相談・通告せずに戒厳令を発し、失敗した。
尹の信頼は大幅に落ちた。
与党内で尹の弾劾に賛成する議員が増え、弾劾決議案が可決される可能性が高まっている。
尹は自滅した。
(US says South Korea's Yoon badly misjudged martial law declaration)
尹は、戒厳令を12月3日の22時半に発令した。
戒厳司令部が軍内に置かれ、23時には、議会や政党の政治活動の禁止など命令を出した。
軍の特殊部隊が議会の議事堂に派遣され、議会の封鎖や議長の逮捕などを挙行しようとした。
だが、軍による議会封鎖は完遂されなかった。
野党議員が次々と議会に入り、4日の午前1時には、戒厳令を解除する決議が議会の過半数で可決された。
これを受け、与党も尹に戒厳令の解除を求めた。
韓国憲法などは、戒厳令が出されても、議会が過半数でその解除を決議した場合、大統領は戒厳令を解除せねばならないと定めている。
尹は、この規定に従って午前4時半に戒厳令を解除した。
(Coup attempt in South Korea: What was it all about?)
尹は、戒厳令を出したらすぐに議員の政治活動を禁じ、議会を封鎖して、議会が戒厳令解除を可決できないようにするつもりだった。
議会が戒厳令解除を可決しても、それは戒厳令違反の違法行為だから認めないなどと尹が突っぱね、戒厳令の維持を強行することもできた。
現実は、速攻にやれるはずの韓国軍がすみやかに議会を封鎖せず、野党議員たちが議事堂に入り込んで戒厳令解除を可決した。
与党も尹を見限り、尹は突っぱねることもできずに瓦解して戒厳令解除に追い込まれた。
(South Korea - President Launches Putsch Against Parliament)
尹は、戒厳令を発布する前に、誰がどこまで協力してくれて、誰がどこまで反対するか、綿密に調べたはずだ。
野党や世論が猛反対し、軍や与党の内部から離反者が出ても、戒厳令をやり切れると考えて踏み切ったはずだ。
どこで、どう間違えたのか。
私は、米国政府の戒厳令反対が失敗の決定打だったのでないかと推測している。
韓国は、米国に国家安全を依存する徹頭徹尾の対米従属だ。
韓国軍は、米軍の傘下にある。
米国に無断で戒厳令を敷くことはできない。
尹は、戒厳令の発布について、事前に米国側の了解を得ていたはずだ。
事前に米国に根回ししなかったから猛反対されてすぐ失敗したんだ、ってか?。
それはない。
韓国の大統領は、軍事行動である戒厳令の施行を、米国に無断でやらない。
(South Korean President Announces Plan To Lift Martial Law In TV Address To Nation)
尹が戒厳令を発案して米国に打診したというより、米国側が尹をそそのかして戒厳令をやらせた可能性の方が高い。
尹の方から打診する場合、米国側が断ったら、米上層部における尹の信頼が揺らいでしまう。
尹の方から打診する可能性は低い。
米国側が持ちかけたと考えるのが自然だ。
尹は、自政権の金龍顕・国防相からそそのかされて戒厳令を発したという話もあるが、そうだったとしても、米国に事前に相談して了承を得ないと戒厳令はやれない。
現実は、尹が米国に無断で戒厳令を発布したことになっている。
ブリンケン国務長官は、事前に韓国側から何も聞いていなかったと言っている。
米政府は、テレビの報道で尹の戒厳令を知ったという。
おそらく、尹の戒厳令発布をテレビで知ったバイデン政権は、すぐに反対することを決めて尹に電話して発布を撤回しろと命じた。
米政府は、在韓米軍を通じて韓国軍に戒厳令に協力するなと要請した。
米政府は韓国与党にも、尹に協力するなと加圧しただろう。
これらの結果、戒厳令は1-2時間で尻すぼみになり、議会に派遣された特殊部隊も動きが鈍くなり、野党議員たちが議事堂に入れるようになり、戒厳令解除が可決された。
与党も尹に戒厳令解除を勧めた。
(US was not aware in advance of South Korea martial law decision, Blinken says)
尹は、事前に米国側に相談しなかったのか。
そんなはずはない。
問題は、尹が米国側の誰に相談したのか、誰からそそのかされたのか、だ。
トランプはまだ就任前なので、バイデン政権内の誰かだ。
バイデン政権の上層部には、自滅的で奇妙な展開を引き起こす勢力が、以前から存在していた。
彼らは今年6月、バイデンがトランプと大統領選の討論会をやることを仕掛け、バイデンが認知症であることを暴露させた。
彼らは、マスコミを動かして非難させ、バイデンに立候補を取り下げさせ、替わりにもっと無能な副大統領のハリスを昇格させた。
彼らは、民主党が選挙不正をやれない状況に追い込み、ハリスを惨敗させ、トランプの返り咲きを実現した。
私の見立てでは、彼らはバイデン政権の上層部に入り込んでいる米諜報界のリクード系である。
彼らが今回、バイデン政権の代表者のふりをして尹をそそのかして戒厳令を発布させ、大失敗させて尹を辞任への道に追い込んでいる。
(トランプ快勝の裏側)
この流れの背景にはおそらく、トランプが就任後、1期目にやった北朝鮮の金正恩との対話を再開し、韓国と北朝鮮の和解をトランプが仲裁し、朝鮮半島を緊張緩和し、在韓米軍を撤退する流れを計画していることがある。
この計画の中で、韓国の大統領が尹のままだと、北との和解を拒否しかねず、南北対話が進まない。
今回、尹を戒厳令騒動で自滅させ、来年早々、トランプ就任後ぐらいに韓国も大統領選挙をやって「共に民主党」が大統領と議会の両方を握る与党になる。
トランプは、南北和解に積極的になった韓国の新政権を取り込みつつ金正恩との対話を再開し、南北を和解させて朝鮮半島の米国覇権を放棄しようとしている。
諜報界のリクード系は、中東や欧州だけでなくアジアでも、トランプが対立抑止と覇権放棄の功績を成功できるよう、協力している。
これが私の推測だ。
(イスラエルの安全確保)
国民をだます野党一致の功績のように見せる茶番国会




