2017-06-12
「1977」 日本の「国家秘密警察長官」である 菅義偉・官房長官の正体がわかる二冊の本を紹介する。(2)
http://www.snsi.jp/tops/kouhou
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今回は、菅義偉の「表人脈」の話をします。
安倍政権のときに、官僚の幹部人事を一手に握る、「内閣人事局」が発足したが、幹部公務員の人事は菅義偉の横槍で変更されることもあるというが、官僚はこの人事を司る人事局の存在に震え上がって、安倍政権に意見を言うことができなくなってしまった。
菅義偉は、1996年の総選挙で初当選している。
国会議員歴は20年になる。
菅は、派閥を渡り歩く政治家である。
ただ、菅は派閥には所属していないが、掛け持ちが可能な自民党内の幾つかの議員グループには所属している。
その一つが、「創生日本」という党内でも最も右よりの議員があつまるグループで菅は副会長をしている。
現在は2015年以来、活動を行っていないようだが、まだウェブサイトは残っており、メンバーも、現在の自民党の代表的な右派政治家ばかりが揃っている。
鳩山が亡くなっても約106人のメンバーを持つ「きさらぎ会」は存続している。
鳩山邦夫の亡くなったあと、その地盤の福岡の選挙区を争う補欠選挙では、菅義偉は福岡の自民党のドン的存在である麻生太郎財務大臣が推薦する候補ではなく、鳩山の次男である鳩山二郎を二階俊博幹事長と一緒に支えて当選させた。
麻生が推した候補、自民党福岡県議会団長、つまり地元のドンの一人である人物の長男だった。
このドンが獣医師だった。
そこで加計(かけ)学園の獣医学部の新設をめぐる問題では、麻生が安倍・菅に対して嫌がらせをしているのではないかという説が流れているが、真偽は分からない。
菅義偉を体系的に研究した本の中で最も優れていると私が思っているのが、去年(2016年)の夏にでた、『総理の影』という本だ。
著者は1961年生まれで、政治家が嫌がるノンフィクション本を書かせたら今は右に出る人はいない。
この本には菅義偉の「表人脈」について網羅的に説明がされている。
(1)横浜人脈
森氏の本でも多くのページをさいて紹介しているのが、菅義偉の横浜時代だ。
1973年に法政大学を卒業したあとで、菅は法政大学就職課の世話で、そのOB会事務局長から衆議院議長にもなった国会議員の秘書を紹介され、同じ派閥だった中曽根派の小此木彦三郎(おこのぎひこさぶろう)の秘書として政治の世界に入る。
森氏によると、小此木事務所には神奈川県内の鉄道会社に強い秘書が揃っていた。
小此木の三男が、小此木八郎という衆議院議員で、小選挙区制で中選挙区から変わる際に選挙区が増えたことで、菅と小此木が議席を分け合って、菅が2区(横浜市西区・南区・港南区)、小此木が3区(横浜市鶴見区・神奈川区)を持つことになった。
三男なのに八郎で選挙区は3区というのはわかりにくい。
菅は小此木三郎事務所で7番手秘書から頭角を現し、1988年に市会議員になってゆき、そこで当時の市長を操る「影の横浜市長」とまで言われたという。
この市長は小此木事務所や菅のバックアップで、港湾などの横浜市開発を急速に進めていったし、道路の整備も進めていった。
そういった地元市議活動の中で、菅はバックアップしてくれる財界人を増やしていった。
山口組三代目の田岡一雄と「全国港湾荷役振興協会」という港湾業者の組織でそれぞれ副会長、会長の役割を分担した間柄の地元の「藤木企業」の藤木幸太郎という海運業者の息子である藤木幸夫(ふじきゆきお)は今も「ハマのドン」と言われる人物で、この人物の一言で横浜にカジノを誘致するかしないかが左右される。
しかも、藤木は二階とも極めて親しい。
(2)大阪人脈
大阪維新の国会議員というのは、お笑いの横山やすしにそっくりの顔の足立康史衆議院議員(それでもコロンビア大学のジェラルド・カーティス門下)とか、イケメンだがネット右翼に人気がある丸山穂高(まるやまほだか)衆議院院議員とか、自民党にとって使い捨てにできる便利な存在が多い。
また、森氏は著書の中で長年、創価学会で関西を率いていた西口良三(にしぐちりょうぞう)という学会副会長の死が投げかける物が大きいと指摘している。
安倍と橋下は「新しい歴史教科書をつくる会」の分派組織である日本教育再生機構という団体が大阪でシンポジウムを開いた時に知り合ったのだという。
「裏人脈」の方で解説したように、この二人は筋金入りの右翼政治家である。
そして、安倍が総理を辞めて下野しているときにも菅が安倍を支えた。
安倍は、東日本ではなく、関西圏で定期的にテレビに出るなどして東京では気づかれないように勢力を拡大していった。
「日本維新の会」を巡っては、一時は国政政党では橋下徹・石原慎太郎の二枚看板になったこともあったが、日本維新の会、みんなの党の勢力に小沢一郎系の別働隊の旧民主党議員の比例復活組の議員たちが加わって「維新の党」になった。
ここで当時は「生活の党」(現・自由党)の代表だった小沢は維新を民主党にくっつけて自民党に代わる政治勢力と作るつもりだったようだが、2015年に内紛が有り、維新の党は、大阪系は菅義偉の思惑で独立し、おおさか維新の会になっており、維新の党は民主党と合併して今の民進党に至っている。
ここを見ればわかるように、これは私の独自解釈だが、維新を巡る争いは小沢と菅の闘いでもあったのである。
そして、小沢が今の段階は負けている。
維新はひところの勢いは国政レベルではないが大阪圏では勢力になっている。
それが、今度の東京都議選では民進党から櫛の歯が欠けたように次々と、民進党の都議たちが小池百合子の「都民ファーストの会」に流れていってしまっており、民進党は都内では地方選挙がやがてうまく戦えない状況になる。
そうなると、民進党はまだ東北や北海道では強いものの、都市政党としては「都民ファーストの会」の国政政党版(ジャパン・ファースト?)が出てくることになり、かなりつらい状況になる。
安倍・菅が、この国会の終わりで「加計学園」の問題を逃げ切った場合、次は総裁選挙で麻生や石破、岸田を振り切って来年の9月の総裁選挙で再選できるか、というのが勝負になる。
森友学園問題は、日本の復古主義的な宗教教育という切り口が有り海外のメディアも踏み込みやすかったが、加計学園の問題は、国家戦略特区という規制撤廃、つまりアベノミクスの「3本の矢」をめぐる問題であり、以前も小泉純一郎や竹中平蔵の「構造改革」やTPP(環太平洋経済連携協定)について概ね好意的に報道してきた、海外の英字紙が取り上げる訳がない。
(3)保守人脈
これについては、すでに述べた「創生日本」の人脈そのものである。
「きさらぎ会」の人脈もある。
だからこそ、加計問題での獣医学部設置をめぐる前川喜平・前文部科学事務所官が、内閣府から文科省に「総理のご意向」という文書にが出されたことに告発に対しては、「怪文書」だと言ってみたり、前川前次官を国家秘密警察の情報網を使って監視して、読売新聞に「出会い系バー」の謀略報道をやらせるなど「裏人脈」を使う。
ところが、麻生太郎が自分の派閥である「為公会」と、旧高村派と谷垣派の一部(代表は麻生の子飼いだった、国会の裏方の経験が長い佐藤勉・元総務大臣)を糾合して旧竹下派の流れの「平成研究会」を抜いて、安倍晋三派の清和会(93人)に次ぐ60人超の大派閥になることが決まった。
菅は安倍を北朝鮮問題に対する強硬姿勢を評価して支えるようになったことは重要だ。
安倍晋三のような「バカでも愛嬌がある」というわけではないので、本当に怖い。
なぜNHKかというと、第一次安倍政権の総務大臣だったときに、菅が「北朝鮮まで届くNHK短波ラジオ放送で、日本政府が拉致被害者の救出に向けて頑張っているという内容を拉致被害者向けに流せ」と要求したことがあるのだという。
そういう点で、放送業界に対する権限を行使することを可能にすることを狙っていたようだ。
だから第二次安倍政権になると、籾井勝人(もみいかつと)のような右よりで政府の以降に逆らわないという会長を据えだ。
こうして、NHKの報道番組を「検閲」したり、自主規制をさせていったりするようになった。
安倍政権がNHKを政権の道具として利用するようになったのは、安倍・菅の計画がしっかりあったためだということなのだ。
(4)沖縄人脈
そして最後が沖縄人脈だ。
保守である安倍・菅は中国・北朝鮮に対する脅威に対抗するために米軍の沖縄基地を重視している。
その移設の実現のために菅が作り上げているのは沖縄の財界人人脈である。
森氏によると、菅は2012年暮れに第二次安倍政権が発足した数カ月後の13年4月、8月と菅は沖縄負担軽減担当の大臣として、沖縄を訪問しているが、何をしていたかというと財界やメディアとのパイプづくりだったという。
8月の会合では当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は、元通産官僚だったから財界のコネはたくさんある。
沖縄の地デジ推進のときに総務大臣だった菅は沖縄のメディアとの接点を作っていたらしい。
もう一人が沖縄の建設業界のドンである國場組の社長の国場幸一だったという。
その後、沖縄県知事になった稲嶺恵一の秘書をしている。
国場はカーティスとも親しいようで、フェイスブックには勉強会に呼んで、「米国における次世代の日本の政治研究者の育成をお願いさせていただきました」と書いている。
森氏は菅が2015年に海兵隊の一部移転先のグアムを訪問した時に取材中だったが、その時に地元議員と面会する菅をホテルで出迎える人の中に、國場組の国場幸一の姿を目撃したことから、グアム移転利権にこの地元ゼネコンが絡んでいることに気付いたと書いているのが興味深い。
アメとしては、遊園地のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の誘致やディズニ・シーの誘致なのだという。
リゾート地にカジノを併設するというやり方らしい。
USJの誘致には「国家戦略特区」の指定までもくろんでいたらしい。
このようにカジノと基地の計画の影にも菅義偉の存在がある。
<まとめ>
それは思想的に保守であることが大きく関わっている、というのが森功氏の『総理の影』という本から抱く感想である。
安倍晋三が続く限りは菅も続くという一蓮托生の関係にあるのだろうと思う。
かつての中曽根康弘の後藤田正晴、小泉純一郎と福田康夫というような、保守とリベラルの首相・官房長官の組み合わせではなく、安倍政権ではともに「日本会議」に所属する保守強硬派であることが、今の自民党をものすごく息苦しくしている原因である。
共謀罪でトンズラ・・・政治家としての死期が迫っている菅義偉
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-5027.html
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「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」・・・
これほど嘘をつき続ける大犯罪者は、国民も見たことがない。
(以下は元ネタで)
岩上安身
@iwakamiyasumi
@iwakamiyasumi
日刊ゲンダイの2面。
呆れた官邸記者クラブの実態が赤裸々に。
2017年Jun14日 04:28