【広島発】郷原弁護士が呼ぶ一波乱 地元市民団体も呼応
https://tanakaryusaku.jp/2021/03/00024544
「河井疑惑をただす会」の山根事務局長と意気投合する郷原弁護士。和やかに見えても自民党県連にとっては脅威のツーショットだ。=4日、広島弁護士会館 撮影:田中龍作=
地元議員や首長らに多額の現金をばら撒いた河井案里元参院議員はすでに有罪が確定している。
にもかかわらず公判でカネを受け取ったことを認めた地元議員らはお咎めなし。
公正な選挙をやり直すために行われるはずの再選挙がまた不正選挙となってしまう。
参院広島選挙区の再選挙は来月8日告示、25日投開票と目前に迫る。
元検事として並々ならぬ危機感を抱く郷原信郎弁護士が第2の故郷広島にきょう4日、単騎乗り込み、記者会見を開いた。
郷原弁護士をめぐっては立憲民主党からの出馬が取り沙汰されているだけに、地元マスコミの記者やカメラマンが会場の弁護士会館に詰めかけた。
記者からの質問は「出馬するのか」「しないのか」に集中したが、郷原氏は「ここはその場ではない」として回答を避けた。
何の総括もないまま公認候補を立てる自民党。
それを追及しないマスコミ。
郷原氏は「県民が一番知りたがっている問題ではないか。私は信じられませんでした」とまで言った。
郷原氏は記者の質問をはぐらかすことなく真っ向から受け止め答える。=4日、広島弁護士会館 撮影:田中龍作=
選挙違反がどれほど社会を破壊するものなのか。
郷原氏は記者たちに自らの原体験を語った。
札束が飛び交い「戦争」とまで言われた奄美大島の選挙違反事件(1980年代)だ。
奄美大島を管轄する名瀬区検に赴任した若き日の郷原検事は、あらゆる選挙違反を捜査、検挙した。
選挙違反のデパートだった。
奄美大島の選挙には機動隊が出た。
マサカリを持って相手陣営に殴り込みをかけるチンピラもいた。
公共工事でピンハネした上前が選挙の買収資金として還流していた。
社会は荒れる。
経済は自立しない。
船がいない(不要な)港ができるだけ。
自然が破壊されるだけ。
記者ではないが、会見場には「河井疑惑をただす会」の山根岩男事務局長の姿もあった。
「ただす会」は、被買収(カネをもらった側)の議員らを公選法違反で広島地検に刑事告発している。
山根事務局長は「被買収で検察を動かすにはどうすればよいのか?」と質問した。
郷原弁護士は「(カネを渡した側の)有罪が確定しているのだから、検察は受理しなければならない」とアドバイスした。
記者会見後、山根事務局長は「心強かった」と語った。
郷原弁護士の登場が検察の尻を叩くことになり、世論を盛り上げることになれば、自民優勢が伝えられる選挙情勢は変わるかもしれない。
郷原氏は広島に乗り込むにあたって自民党県連会長の宮沢洋一参院議員に質問状を送りつけた。
内容は—
今回の再選挙にあたって被買収の事実が明らかになっている者には、(自民党が擁立した)西田氏の選挙運動に関わらせないようにするために、具体的にどのような措置を取るのか。
それを明らかにするように求める。
回答期限は3月8日。
自民党広島県連がまともな回答をするとは思えない。
そうなると郷原氏に第2のアクションを起こすきっかけを与えることになる。
まだまだ一波乱起きそうだ。
~終わり~
菅首相、麻生財相、加藤官房長官、小泉環境相らが講師を務める“会費月10万円以上の秘密勉強会”の正体! 見返りに政治献金をあっせんか
https://lite-ra.com/2021/03/post-5814.html
菅義偉首相の長男による高級官僚接待問題が世間を賑わせているなか、今度は菅首相自身と政権中枢の閣僚たちのとんでもないスキャンダルが飛び出した。
なんと、菅首相や麻生太郎財務相、加藤勝信官房長官、小泉進次郎環境相らが、ある会社の「広告塔」となり、その会社社長や会員が多額の献金をおこなってきたという「癒着ビジネス」問題を、「しんぶん赤旗日曜版」3月7日号が報じたのだ。
問題となっているのは「志友会」なる団体がおこなっている勉強会。
志友会は「情報、人脈、人材を共有する経営者の会」だといい、経営コンサルタント会社のライズ・ジャパンが運営。
中小企業の経営者らを対象に、“秘密”の「勉強会」を、コロナ以前には月1〜2回も開催していたというのだが、驚くのはその費用。
会費は月10万円を一口以上と高額で、さらに勉強会は主に1万2000円の参加費が必要だという。
会費だけで、1年で最低でも120万円──。
もちろん、それほどの金を会員が支払うのは、勉強会に講師として登場するのが政権幹部や現職の事務次官といった高級官僚などだったからだ。
「志友会」の資料によると、2017年以降、官房長官時代の菅首相が2回、厚労相などを務めた加藤官房長官が3回、麻生財務相が2回、小泉環境相が自民党厚労部会長時代から3回も講師を務めていたというのだ。
元会員は「月10万円は高いが、すごい人とお近づきになれる」と語っているが、こうした錚々たる政権幹部と直接、名刺交換や写真撮影ができるとなれば、会員が集まるのも当然なのだろう。
実際、「赤旗 日曜版" class="tagLink">しんぶん赤旗 日曜版」の紙面では、菅首相や麻生財務相、加藤官房長官といった政権幹部が「志友会」会員たちと一緒に写った写真が掲載されている。
そして、この勉強会を運営してきたライズ・ジャパンの売り上げは、2015年度9月期は6億円だったにもかかわらず、2019年9月期には11億円と、わずか4年で2倍近くにまで急成長。
会員も460社から850社前後まで増加しているという。
まさしく、菅首相や麻生財務相ら政権幹部が「広告塔」となり、業績を伸ばしてきたライズ・ジャパン。
しかし、たんなる与党の国会議員ではなく、なぜ菅氏や麻生氏、加藤氏、小泉氏といった名だたる政権幹部が、この「勉強会」で講師を務めてきたのか。
その理由として考えられるのが、「志友会」での結びつきから政治家側が多額の献金を受け取ってきた、という事実だ。
秘密勉強会主催会社社長が進次郎に550万円の政治献金 ほかにも会員に献金呼びかけか
たとえば、小泉進次郎環境相は2017年、2018年、2019年に3回、勉強会の講師を務めているが、ライズ・ジャパンの仲井力社長は2017年から2019年のあいだに、小泉環境相の資金管理団体や政党支部に対して個人や会社名義で計550万円も献金をおこなっているというのだ。
それだけではない。
ライズ・ジャパンは会員たちに対して、小泉環境相の政治資金パーティの案内メールを送付し、「会員の出欠の取りまとめにつきましては弊社にて行います」と伝えていた。
赤旗によると、「同様の案内メールは、確認できただけで5通あった」という。
つまり、実質的に献金の集金役を担ってきたのだ。
政治資金規正法では、パーティ券代金を集金するなどの「あっせん者」がおり、あっせん額が20万円を超えた場合には、そのあっせん者の氏名や金額などの報告を義務づけている。
しかし、ライズ・ジャパンは〈自らは集金せず、議員事務所の口座番号を会員に伝えて振り込ませる〉というかたちをとり、網の目を潜っているのだ。
会員のなかには仲井氏から「政治資金パーティ券を何枚かお願いします」と直接依頼された者もいるというが、ようするに、ライズ・ジャパンは「広告塔」となってくれた政治家への見返りとして直接献金をおこなうだけではなく、会員に献金を呼びかけるという実質的な「あっせん」をおこない、献金集めに貢献してきたというわけなのである。
しかも、赤旗が掴んだ情報・証言によると、
「志友会の会員のなかには、勉強会とは別に小泉氏や野田聖子氏(自民党幹事長代行)ら有力政治家とホテルでの『食事会』に参加できる人もいた」
「仲井さんから何枚か(パーティ券を)買ってくれと依頼され、5枚とかの単位で買った。そういう会員が食事会に参加していた。その時も会費2万円くらいとられた記憶がある」
という。
高額の献金を行えば「政治家とのお食事会」が付いてくる? 「桜を見る会」への招待も
高額の献金をおこなえば「お食事会」が付いてくるって、まるでアイドルの接触ビジネスのようだが、会員へのサービスは食事会だけではない。
なんと、あの「桜を見る会」にも招待されていたというのだ。
「桜を見る会」に招待されたというのは、会員を多数勧誘してきたという〈富山県の志友会会員の中心的存在〉である女性経営者。
関係者はこう証言している。
「仲井氏がライズ社の本社で名簿を見ながら、『加藤(勝信)さんの枠が空いているから』と、桜を見る会に女性経営者を誘ったと聞いている」
しかも、この女性経営者は赤旗の取材に対して「桜を見る会に出たのは事実」と認めているのだ。
事実上、政治資金パーティの集金を担っている会社の社長が加藤氏の「桜を見る会」招待者の「枠」をも把握し、会員勧誘の“ご褒美”として「桜を見る会」に招待させていた──。
つまり、ここでも「桜を見る会」という税金でおこなわれる公的イベントが癒着によって私物化されていた疑いが出てきたのである。
この「“秘密”の勉強会」をめぐっては、「講師として登場した官僚トップたちが参加していた大企業に顧問などとして天下っていた」という問題も浮上しており、政治のみならず官財の癒着の温床となっていた疑いもある。
しかも、癒着が取り沙汰されているのは、菅首相を筆頭に、政権幹部が勢揃いという異常事態だ。
一体、この勉強会を舞台に、どのように金が流れてきたのか。
全容解明と徹底追及の必要があるだろう。