自分たちが既にどれほど不自由か人々は理解していない
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権力者連中による全体主義支配に反対する人々の最大かつ最も広範囲な盲点は、それが既に実現されてはいないという仮定だ。
我々の首を軍靴で踏みつけたがる次の明らかな全体主義独裁に注意を払うのに忙しかったため、隠れた全体主義者が我々の心にこっそり鎖をかけるのに全く気付かなかったのだ。
誰でも配偶者を打ちすえる虐待者のことは思いつくが、配偶者の心を支配する虐待者については考えない。
誰でも街頭をうろつく精神病殺人者のことは思いつくが、大規模操作によって我々の世界を支配する精神病殺人者については考えない。
陰謀論者は、権力者連中の思惑に従うよう強いるため、政府が我々全員に社会的評価をつけようとしていると警告するが、メディアや、オンライン・アルゴリズムを通した大規模な言説支配で、既に権力者連中の思惑に従うよう全員を操っているのだ。
政治、金融、経済制度が既に完全に権力者連中の支配下にある文明社会の中で、人々は権力者連中が振る舞わせたいと望んでいる通りに既に振る舞っていないと考えている。
人々は、権力者連中が不正に儲けた金を使って、権力者連中のために不正操作された経済で、欲しいものは何でも買えるから、アルゴリズムが権力者連中に操作されているインターネット・プラットホーム上で、好きなことを言えるから、権力者連中に飼われることで投票用紙に載っている政治家に投票にゆけるから自分たちは自由だと思っている。
「ポピュリスト」が権力者連中の権益を推進するため、あらゆることをして四年過ごした後でさえ、体制は、彼らにドナルド・トランプのような「ポピュリスト」を選出させてくれるから、人々は自分たちは自由だと思っている。
本当の権力に挑戦する時になると「進歩派」連中は必ず思いとどまるのに、体制は、バーニー・サンダースやアレクサンドリア・オカシオ・コルテスのような「進歩派」を選出させてくれるから、自分たちは自由だと人々は思っている。
圧制的権力の鉄棒が静かに彼らの周りに設置されている間、圧制的権力行使から自身を守るため銃を所有する権利を支持する議論をして人々は何世代も過ごしてきた。
欧米左派は、お互い、実に効果的に妨害され、乗っ取られ、むしばまれ、無力化されたことに気付かなかったと論ずるのに多忙で、今や美化されたグループチャット以上の何ものでもない。
シリコンバレーの巨大企業は強力な行政機関と親密な関係を持っており、そうした政府機関は、我々の情報が、連中の現状の狙いに関係する主題に関する我々の考えや感情を彼らに語ることに基づいて、連中の大衆プロパガンダ工作を微調整するため、我々のあらゆるデータを収集しているのは確実だ。
監視資本主義によって、フェースブックを一兆ドル企業にするほど我々の情報が貴重なら、我々の情報は、不透明な行政機関が、連中の目的のために、我々の情報を集めようと努力するのに十分なほど貴重なのは確実だろう。
近代プロパガンダ科学は一世紀以上研究開発されており、その期間に達成された他の軍事技術の、あらゆる進歩について考えると、これは無限に近い時間だ。
この科学は益々精緻になり、よりうまくなるばかりで、今やインターネットは、我々の共同心理の内部機構を知るための未曾有の利用機会を彼らに与えているのだ。
夫が欲する、あらゆることをするよう心理的に支配された妻は、そうしたことをするよう打ちすえられないので、虐待されているのに気が付かない。
彼女は自分はしたいことをしていると思っているのだ。
権力者連中が欲する全てをするよう心理的に支配された国民は、銃口でそうするよう強いないので、暴政をしかれているのに気が付かない。
人々は、自分がしたいと思っていることをしていると思っている。
オーウェルのディストピアを警告する人々は全員それが分かっていない。
我々は既にそこにいるのだ。
我々は既に支配者が我々に切望するものに完ぺきに一致して行進しているのだ。
我々は、まだマクドナルドを食べ、インターネット・ポルノを見ることができるので気が付かないだけだ。
連中は我々が刑務所から逃れられないよう、依然様々な方法でボルトを締めている。
誤解のないよう。
そうした刑務所の壁は既に完全に建設が終わって、長いのだ。
壁は物理的なものではない。
鎖は我々の心に巻き付けられている。
だが、そうするよう強いられるため、権力者連中に従う民衆と、そうするのを望むよう操られているがゆえに、権力者連中に従う民衆の機能的違いは一体何だろう?
我々は閉じ込められている。
我々は追い詰められている。
少なくとも我々の心が、容易に操作され得る形で動いている限り。
人類は、不健全な精神的言説からの大規模な心理的転換によって、このプロパガンダによってもたらされた昏睡状態から集団的に脱出するのは可能で、このような転換が進行途上かもしれない、いくつかの兆候がある。
そうなるかも知れないし、そうならないかも知れない。
あらゆる種は生存のため適応できるか否かの分岐点に至る。
権力者連中が我々の心の周囲にかけた鎖を、生態系の破壊と核の瀬戸際政策という実存的な崖っぷちに向かって、我々全員を行進させるために使っているので、我々は自身が、そのいずれなのかを見いだそうとしているのだ。