ずっと続く米国の選挙不正
https://tanakanews.com/221202election.htm
11月8日の米国の中間選挙で民主党側が大規模な不正が行って選挙結果を大きく変えたと、私はいまだに思っている。
2020年の大統領選挙も民主党が不正をやってトランプを負けさせた。
米国の選挙不正は今後もずっと続く。
「田中宇がまた頓珍漢な妄想を言ってる」と思う人がいるかもしれないが、少し考えると、頓珍漢でも妄想でもないとわかる。
米国の選挙は、郵送投票を中心とする期日前投票制度と、投票用紙でなく投票機(タブレット型コンピューター)を使った投票システムを使って、以前から選挙不正がやりやすい態勢だった。
以前は、米国の政治を独占してきた2大政党の両方が、米国を支配してきたエスタブ権威筋・諜報界の傘下にいたので、民主党と共和党のどちらが政権をとっても本質的な違いが少なく、選挙不正が行われても大きな騒ぎにならなかった。
マスコミも権威筋の一部であり「世界最良の民主主義」という米国の信用に傷がつくので選挙不正を無視する傾向だった。
郵送投票を拡大したのは主に民主党だが、ディーボルトやドミニオンといった投票機の製造業者には共和党系が多く、2大政党の両方が不正をやれた。
状況が変わったのは、2016年の大統領選でドナルド・トランプが登場してからだった。
大統領になったトランプは、エスタブ権威筋・諜報界が運営してきた米国の覇権体制を破壊し始めた。
共和党内ではトランプを信奉する草の根勢力が伸長し、共和党を支配してきたエスタブ系の勢力は弱まった。
トランプ派は「民主党vs共和党」の米政界の対立軸を「左のエスタブvs右のエスタブ」から「エスタブvs市民」に変えようとした。
エスタブ(エリート。金持ち)と市民では、市民の方が圧倒的に人数が多いので、新たな対立軸が実現するとトランプ派が乗っ取る共和党が毎回圧勝して恒久与党になってしまう。
米国と世界を支配してきたエスタブ側は、この転換を認めるわけにいかない。
当時すでにトランプは大統領になってエスタブの支配構造を壊し始めており、2020年の大統領選でトランプが再選されたらエスタブ支配と米覇権の終わりになりかねなかった。
大統領が反エスタブのトランプになっても、その下の米政府内にはエスタブ系の要員がたくさんいた。
彼らは、2020年初めに始まった新型コロナへの対策を口実に、米国の期日前投票制度の一つである郵送投票制度を大幅に拡大した。
民主党の要員が、なりすましや二重投票など郵送投票を活用した手口により、2020年の大統領選で民主党の支持票を水増しした。
共和党のエスタブ勢力も、民主党主導の選挙不正に協力・黙認した。
トランプは敗北させられ、バイデンが大統領になった。
マスコミは、選挙不正の指摘を妄想扱いして完全犯罪に仕立てた。
2020年の選挙不正後、共和党のトランプ派の草の根勢力は、
郵送投票の本人確認の強化と制限、
記録が残らないし改竄できる投票機による投票制度の廃止、
開票作業の迅速化(開票に時間をかけるとニセの投票用紙の投入など不正をやれる)など、
至極まっとうな選挙制度改革を提唱した。
だが、全米各州の選挙管理委員会の共和党の人々のほとんどは草の根でなくエスタブ派だったので、2020年選挙後の選挙制度改革はほとんど進まなかった。
むしろ、コロナ危機の長期化を受けて、不正の温床である郵送投票制度は拡大し、ネバダやオレゴンなど民主党が権力を握るいくつかの州では、直接の投票でなく郵送投票が投票制度の中心に変えられた。
今秋の中間選挙にかけての2年間で、米国は以前よりさらに選挙不正がやりやすい国になった。
2020年の選挙では、トランプが不正に負けさせられたことに怒った共和党支持の草の根の人々が選挙不正を声高に指摘した。
マスコミや民主党支持者たちは、そうした指摘を妄想扱いして攻撃するばかりだったが、不正の温床を減らす選挙制度改革が必要だという機運はあった。
だが、それから2年後の今回の中間選挙では、前回と同様の手口での選挙不正が拡大して共和党が勝てない状況が捏造された可能性が高いのに、共和党の草の根勢力の怒りの声は、2年前の大統領選の時より少ないように見える。
中間選挙は議会や知事の選挙であり、大統領選よりも地味な選挙だからかもしれない。
しかし、この2年間の2回の選挙で不正の構図がすっかり定着しており、次の2024年の大統領選でも同じ手口の不正が行われ、再出馬を表明したトランプが不正に落選させられることが確実になっている。
この2年間で、共和党の草の根勢力は、米国の選挙制度を改革して不正をやめさせることに失敗しているのだから、次の2年間で改革を進めて不正をやめさせることは無理だろう。
トランプを支持する共和党の草の根勢力は政治力が足りない。
マスコミなどエスタブが支配する公式論の世界では選挙不正が完全に無視され、米国は選挙不正などない優良な民主主義国だという話になっている。
この構図を崩せない限り、トランプが大統領に返り咲くことはない。
今後の2年間で構図が崩れる可能性は低い。
トランプは多分もう勝てない。
米国の選挙不正は今後もずっと続く。
共和党内では、トランプの対抗馬としてフロリダ州知事のロン・デサンティスが出てきている。
トランプは、反エスタブな覇権放棄屋であることが確定しているが、デサンティスは未確定だ。
エスタブ勢力は、毎回の選挙で不正をやり続けて民主党を連勝させるよりも、共和党をトランプ派から奪還してエスタブ政党に戻し、2大政党のどちらが勝ってもエスタブが米国と世界を支配する体制が続くトランプ以前の状態に戻す方が好都合だ。
エスタブとしては、選挙不正をやれる態勢を残しつつ、選挙不正をやらなくてもすむ状態に戻したい。
デサンティスがこれに協力するなら、エスタブはマスコミなどを総動員して「共和党内ではトランプの人気が下がり、デサンティスの人気が上昇している」という話を歪曲・捏造しつつ、2024年の大統領選の共和党の予備選挙(党内選挙)でデサンティスがトランプを打ち負かす流れを作るだろう。
米エスタブは、国政選挙の結果をねじ曲げられるのだから、予備選挙の結果もねじ曲げられる。
世論調査の結果も歪曲できる。
しかし、もしこの流れになって2024年にデサンティスが予備選でトランプを破り、本選でバイデンを破って大統領になったとしても、就任後のデサンティスが本性をあらわしてトランプの路線を継承して覇権放棄をどんどん進める可能性はある。
トランプ自身、2016年の選挙に勝って大統領になるまでは、エスタブの仲間のように振る舞っていた。
エスタブは騙されて、トランプが大統領になるのを阻止しなかった。
デサンティスは同様の演技をしうる。
さらに考察するなら、米国はすでに覇権放棄屋の大統領を必要としていない、とも言える。
トランプが大統領になった2017年、米国はまだ隆々とした覇権国だった。
だがそれから6年が過ぎた今、米国の覇権は大幅に低下した(前から起きていた覇権低下が顕在化した)。
この6年間、トランプとバイデンの2政権による意図的な覇権放棄策と不慮の超愚策の連続により、米覇権低下と中露など非米側の台頭、多極化がかなり進んだ。
これからの2年間で、米覇権低下と多極化がさらに進む。
2024年の次期大統領選で米国の大統領が誰になろうが、大して違いがなくなる。
トランプが返り咲いて覇権放棄を進めつつプーチンと仲良くするよりも、バイデンが続投して米国の信用を引き下げる間抜けな策を連発し続けた方が多極化が進むかもしれない。
すでに人類にとって習近平やプーチンの方が米大統領よりも重要だ。
政治家(指導者)は、タイミングがとても大事だ。
タイミングがずれると、良い戦略も無意味になる。
時局が求める戦略をたまたま持って権力の近くにいると「良い政治家」になれる。
政治家は偶然とか運命の産物だ。
強運が必須だ。
トランプは2016年に登場した時にすごかったが、2020年の選挙で不正をやられて下野させられたことでタイミングをずらされた。
不正をやられるのも政治家の運命(=能力)のうちだ。
トランプは、返り咲いたら予測と全く違う新たな驚きの策を連発するかもしれず、だとしたらトランプはすごいが。
デサンティスも未確定なので可能性がある。
最も予測どおりのくだらなさを発揮しそうなのがバイデンだ。
今の米国に一番ぴったりかもしれないが。
米国の選挙不正だけでなく、新型コロナや温暖化問題、ウクライナ戦争、金融バブルの延命(不況なのに株や債券の上昇)など、延々と続く大規模な歪曲話によってわかったことの一つは、ウソの公式論を延々と軽信してしまう人々の馬鹿さ加減だ。
何か違うかも、と感じても軽信の構図から脱却しない人ばかりだ。
知識人ほど「マスコミ教」の妄信者だ。
人々の理性(道理を見抜く生来の能力)に期待していた私も馬鹿でした。
マスコミ権威筋の全体がウソしか言わない洗脳の構図に対抗できるのは理性のちからしかないが、ほとんどの人は教育によって理性をすり潰されている。
教育の最大の効用は、理性をすり潰すことだと今ごろわかった。
これも頓珍漢な妄想扱いかな。