米国政治ダイナミズムの蘇生
https://tanakanews.com/210513GOP.htm
米国の共和党は、昨年11月3日の大統領選挙から最近まで、不当にひどい目にあわされてきた。
共和党支持者の大半がそう思っている。
以下、共和党側から見たこの間の経緯だ。
まず、大統領選挙で民主党側が郵送投票や機械投票(電子投票)の仕掛けを悪用して開票時に不正をやり、本当はトランプが再選されていたはずだったのをバイデンの勝利にすり替えた。
共和党側は選挙不正を暴こうと裁判所で提訴したり捜査当局に働きかけたが、裁判所も捜査当局も政治的にトランプ敵視で民主党の肩を持ったため、裁判は門前払いされ、当時まだ大統領だったトランプがバー司法長官に働きかけてもバーは裏切って動かなかった(バーはずっとトランプの腹心として機能し、最後に裏切った)。
トランプは、各州や連邦の議会の共和党勢力が民主党の選挙不正を指摘して本当はトランプが勝っていたことを憲法にのっとって決議するよう働きかけたが実らなかった。
ことの本質は、トランプと諜報界(軍産複合体)の暗闘だった。
軍産は2017年以来、トランプにロシアゲート(トランプ陣営はロシアのスパイ)などの濡れ衣をかけて有罪に追い込もうとしたが果たせなかった。
その後トランプが濡れ衣戦略をやった軍産をスパイゲートとして捜査して無力化しようとしたが、これも結局バー司法長官ら捜査当局の上層部がトランプを裏切ったため果たせず、最後は軍産が選挙不正でトランプを蹴落としてバイデンを大統領に就かせ、1回戦は軍産の勝利、トランプの敗北になった。
当時の共和党のエスタブ勢力は、諜報界の側に味方して諜報界が民主党にやらせた選挙不正を共和党が容認したため、トランプが働きかけても動かなかった。
マスコミは軍産の側だったので、選挙不正の話をトランプ派の妄想と報じてきた。
バイデンの「勝利」が確定した1月6日の両院議員総会後、ワシントンDCに集まった2大政党の支持者群衆のうち、共和党支持者が連邦議事堂に乱入する事件があり、この事件を起こしたことを理由に共和党支持者を「テロリスト」とみなす「国内テロ戦争」の構図が諜報界=軍産によって始められた。
当日DCに集まっていた各種の群衆・デモ隊のうち、なぜか共和党のトランプ支持の群衆だけがするりと連邦議事堂に入り込んだ。
アンティファなど民主党支持の左翼の群衆もこの日DCにおり、彼らは以前に議事堂乱入を起こした「前科」もあるが、この日は警備当局に阻まれて入れなかった。
軍産が、警備当局の中にいる要員を動かし、共和党の群衆が議事堂の前に来たときに意図的に警備を解除して群衆が議事堂に入るよう誘導し、これを「危険な乱入事件」に仕立て、共和党をテロリストにする「国内テロ戦争」をでっち上げた可能性が高い。
民主党の政府当局やマスコミが、トランプや共和党の支持者にテロリストの濡れ衣を着せる傾向はその後も続き「トランプ派の白人が差別的な白人至上主義をふりかざし、中国系など有色人種に対して人種差別の攻撃をしている」という印象を拡散する報道やネット上の指摘が行われたりした。
実のところ、これは意図的な間違いによる誹謗中傷攻撃だった。
今年3月、白人青年がアジア系などの女性たちを殺したアトランタの風俗店での事件は、性関係のもつれが原因だったのに、人種差別の事件であるかのように報じられていた。
民主党系のBLMやアンティファの方が、アジア系住民に対して人種差別の攻撃をしていたが、民主党寄りであるマスコミはそれを報じなかった。
むしろトランプ派が多い共和党右派の組織「プラウドボーイズ」への献金の9割は、中国系の米国市民からだった。
彼らは中国共産党を嫌って米国に移住してきた人々で、BLMやアンティファなどの民主党の左翼勢力が強くなると米国の共産主義化が進みかねないと懸念し、街頭など草の根政治で民主党左翼に対抗してくれる共和党右派のプラウドボーイズに頑張ってほしいと考えて献金してきた。
中国系など有色人種は伝統的に共和党でなく民主党を支持する傾向が強いと言われてきたが、それは急速に変化している。
民主党の左派勢力にはBLMアンティファをはじめとして人種や性別などに関する差別をなくすことを掲げる「反差別」の政治運動が多く、彼らは民主党政権下でマスコミを巻き込んで反差別運動を過激に稚拙に展開し、逆差別や、疑問・異論を持つ人の言論の自由を剥奪する事態を全米で引き起こしている。
民主党の左翼は全米各州の教育界で「すべての白人は生まれつき人種差別主義(レイシスト)である」と決めつけて白人の子どもたちに劣等感などを強要する「批判的人種理論(CRT)」を学校教育に導入・義務化しようとしている。
CRTは白人への人種差別である。
まっとうな親たちの多くがこの運動に反対しているが、反対派には「レイシスト」や「テロリスト」のレッテルが貼られている。
これは「米国の文化大革命」だ。
それまで民主党を支持してきた多くの人が、この過激で稚拙で極左=全体主義的なやり方に愛想を尽かし、左翼に乗っ取られた民主党についていけなくなっている。
BLMには「白人たちは殺すしかない」と言い出す者もいるのに民主党は放置している。
共和党の方がCRTの大間違いをきちんと指摘し、教育界でCRTを教えることを知事や州議会が禁じている。
民主党左派の反差別運動家たちが、過激で稚拙で全体主義的なやり方を突っ走っているのは、彼ら自身がやりたいことというよりも、彼らの運動が軍産・諜報界に入り込まれているからだろう。
そのことについては最近の記事「覚醒運動を過激化し米国を壊す諜報界」に書いた。
最近、トランプが共和党を席巻しつつMAGAなどの政治運動を再開したが、それと連動するようにBLMがトランプと共和党を敵視する方針を打ち出した。
軍産の傀儡になった民主党左派のBLMと、共和党を牛耳るトランプとの戦いが再開している。
昨秋の大統領選挙から最近まで米国の事態は、民主党マスコミ権威筋・軍産(うっかり)傀儡側から見ると、民主党側の一方的な勝利であり、共和党やトランプは惨敗した極悪なテロリスト・差別主義者・陰謀論者の集団だった。
共和党やトランプ側から見ると、この構図自体が濡れ衣のかたまりであり、民主党の勝利は選挙不正の結果だったし、民主党側が推進する覚醒運動やコロナ規制や温暖化対策も愚策かインチキであるのだが、マスコミ権威筋SNSは民主党側なので、共和党側は言論の自由も奪われていた。
だが最近、こうした不当な状況が変わりつつある。
民主党側の左翼が稚拙な覚醒運動を過激にやるほど、民主党を見放す支持者が増え、中間的な人が共和党を支持するようになり、トランプの共和党が有利になる。
反共な中国系米国人がプラウドボーイズを支持しているのが好例だ。
共和党は、米国にとって害悪でしかなくなっている覚醒運動やコロナ愚策をやめさせることを方針に据え始めた。
共和党は、米政界での濡れ衣戦争に惨敗して無力化されてきた状態から離脱し、民主党側の不正や間違い、愚策に反対する新たな政治軸を獲得し、トランプが主導して政治的に蘇生しつつある。
米国政治は、民主党=善・共和党=悪で固定されてきた昨秋からの硬直した状態を脱し、2大政党制のダイナミズムを再生しつつある。
民主党系の州と共和党系の州との言い合いもダイナミックになってきた。
軍産マスコミ傀儡に成り下がっている人々はいまだに「そんなのダイナミズムじゃない。共和党側の妄想だ」と言いそうだが、そう言う人々の方が妄想を信じ込まされてきたことがしだいに露呈している。
これは立派な2大政党の政治ダイナミズムだ。
米国人の創造力は素晴らしい。
民主党は連邦の政府と議会を全部とっているが強靭でなく、見かけより弱い。
民主党内で、左翼でない本流エスタブの人々も、覚醒運動の推進で団結しているかと思いきやそうでなく、党内が分裂・暗闘しているからだ。
たとえば、クリントン家やジョンケリーら米民主党の選挙参謀・戦略担当者を30年以上つとめてきた民主党の影の重鎮であるジェームズ・カービルが4月末に、民主党系メディアVOXのインタビューで「覚醒運動が問題であると、みんな知っている。だがそれを公言すると(政治的に)ぶちのめされたり『キャンセル』されてしまうので、民主党の多くの人は、覚醒運動の問題点について話したがらない」と発言した。
これは、民主党の本流の人々にとって覚醒運動への批判がタブーになっているという指摘だ。
民主党の本流エスタブ勢力は、稚拙で過激な覚醒運動を減速・終了させたいと思っているだろうが、軍産・諜報界が覚醒運動に入り込んでいるので、それは無理だ。
軍産は、覚醒運動を乗っ取って激しくやらせることで、左翼が民主党の全体を乗っ取る流れを作っている。
民主党のエスタブ勢力がそれを阻止しようとすると、軍産に入り込まれた左翼から逆襲されて党内の暗闘が激化して自滅傾向になり、トランプ側に漁夫の利を与える。
BLMも、幹部が組織の資金を私物化して邸宅を購入した疑惑が持ち上がり、組織内で内紛が起きている。
昨年5月のジョージ・フロイドの殺害後、軍産・諜報界が覚醒運動を牛耳っていくのと並行して、企業も覚醒運動に賛同すべきだというプロパガンダが強まり、巨額の寄付がBLMに入った。
その資金の一部が不正に私物化・横領されて幹部の邸宅購入にあてられたのでないかと推測されている。
覚醒運動の「圧勝」が崩壊しつつある。
化けの皮が剥がれてきたともいえる。
ミネアポリスで黒人のフロイドを殺した罪で起訴された白人の警察官デレク・ショービンは裁判で有罪にされたが、共和党支持者の約半分は、この有罪を「冤罪だ」と思っている。
ショービンは警察官として正しく職務を遂行しており、殺人で有罪にされるべきものでないのに、この事件を「白人警官による黒人差別」としてでっち上げたい民主党左派が陪審員に圧力をかけたり、政府やマスコミを動かして歪曲的な世論を形成して冤罪を成功させたと共和党支持者の半分が考えている。
判決の直前にバイデン政権がショービンを有罪にしたがっていると受け取れるコメントを発したことも、冤罪を感じさせる。
民主党左派の圧力により全米各地で警察の予算が剥奪され、米国の治安が悪化している。
より多くの人が民主党に疑問を持ち、共和党支持の傾向を強めている。
BLMやアンティファを憎み、ショービンは冤罪だと思う人が増えている。
ショービン裁判は一審の陪審員の偏向も問題になっており、上級審がどうなるか注目される。
バイデン大統領の息子ハンター・バイデンはウクライナや中国の企業から政治献金っぽい資金供与を受けている。
だが、これを不正でないかと考えて調査報道を試みる記者らは社内やFBIなどから妨害や嫌がらせを受ける。
以前の記事に書いたグレン・グリーンウォルドがその象徴だ。
ハンター・バイデンの不正を暴こうとした共和党のジュリアーニ・元NY市長は、FBIから「ロシアのスパイ」の疑いをかけられて家宅捜索された。
これはとんでもない皮肉で、ロシアのスパイはジュリアーニじゃなくてハンターだろという感じだが、従来の民主党=正義・共和党=悪の構図下では笑い話にすらできなかった。
しかし今、共和党への濡れ衣と、民主党のインチキ正義の両方が剥がれ出すとともに、この件は笑い話や皮肉ぐらいにはできるようになってきた。
バイデン家のウクライナ関係の不正が暴かれると、善悪歪曲の構図が是正される。
民主党のトランプ敵視の濡れ衣作りの内情を示すDNCハック事件で殺されたセス・リッチについても最近FBIが新文書を公開し、何者かが殺し屋に金を出してリッチを殺させ、その後リッチの家からパソコンが盗まれたことが明らかになっている。
これも善悪歪曲の是正につながりうる(長くなるので今回は詳述しない)。
共和党にも内紛がある。
かつて共和党の主流だった軍産系・反トランプの勢力が追い出されつつある。
その象徴は、連邦議会下院の共和党のナンバー3であるリズ・チェイニーが5月12日に共和党会議議長を解任されたことだ。
チェイニーは能力不足を批判されているが、実際の解任理由は、1月に大統領選の最終結論が出たときチェイニーがトランプ追い落としに貢献し、その後もトランプを非難していることだ。
かつてチェイニーはトランプに賛同していたが土壇場で裏切った。
チェイニーの降格で共和党はトランプによる席巻が強まる。
マスコミ(=軍産)はチェイニーを「共和党の最後の良心」と呼んでいるが、これはマスコミの偏向を示すもので、実際の彼女は「共和党の最後の軍産」だ。
共和党の軍産系はかつて大企業からの献金を集めて強さを誇っていたが、最近は大企業のほとんどが民主党側につき、共和党に献金しなくなった。
共和党の資金源は、大企業から党内軍産勢力への献金でなく、草の根からトランプ派への献金になりつつある。
この点も共和党内で軍産系の弱体化とトランプの台頭を加速している。
他にもまだ書きたいことがこの関連でたくさんあるが、読む方も大変だろうから、とりあえずここで切って配信する。
英語を読める方は以下のリンクをどうぞ。
共和党は悪ガキっぽくて面白い。
みんな本物の肉を食いたいよね。
ネブラスカに越境して肉を食おう。
人為説はインチキだし。