きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

諜報界とテロの関係 ~テロの使い道~

ロシア強化のため米国がやらせたモスクワのテロ
https://tanakanews.com/240402crocus.htm

 

3月22日の午後8時、モスクワ郊外のクロックスシティホール(Крокус-Сити-холл、6600人収容)で、ロシアの人気ロックバンド「ピクニック」の満員コンサートの開始直前に、武装して迷彩服を着た4人のテロリスト(タジク人の男)たちが押し入って銃を乱射し、火をつけてホールを炎上させた。

 

144人が死亡し、550人が負傷した。
Russian FSB Chief Says US, UK, and Ukraine Could Have Been Involved in Moscow Terror Attack

事件後、実行犯たちは自家用車で逃走した。

 

露当局は早期(事前?)に犯人たちの車を割り出し、高速道路上の監視カメラでナンバープレートを判読するデータベースから車を追跡した。

 

犯人たちの車は、モスクワからウクライナ国境に向かうM-3高速道路を走った。


途中の街ブリヤンスクでベラルーシに向かう高速道A-240が分岐するが、犯人たちがA-240に入らず、M-3でウクライナ国境に向かい続けることが確定した後、露当局は現地の部署に連絡して車を止め、犯人たちを逮捕した。

 

逮捕の際、犯人たちはあまり抵抗しなかった。
Ukrainian ‘Caliphate’: What the West prefers not to notice when blaming ISIS for the terrorist attack in Moscow

事件後、パキスタンなどで活動するイスラム過激派テロ組織ISIS-Kが犯行声明を出した。

 

米政府も事件発生の直後に、ISIS-Kが犯人だと発表した。

 

プーチン大統領も、イスラム過激派の仕業だと表明した。


だがこのテロは、かつてロシアで起きたようなイスラム主義勢力が、正教会多数派の国ロシアから分離独立を目指して起こしたテロ」でない。

 

プーチン「誰が命じたのかが重要だ」と言っている。
US 'Backed Itself Into Corner' By Blaming ISIS For Moscow Attack As Fires Burned: Kremlin
‘Radical Islamists’ carried out Moscow terror attack - Putin

実行犯たちがウクライナに逃げ込もうとしていたことから、ウクライナ当局がテロ事件の黒幕であることが見て取れる。

 

好戦発言が多いゼレンスキー側近(Oleksiy Danilov)は事件後、テレビ出演した際に「われわれは今後もこういう事件をロシアで起こしてやるぞ」と発言してウクライナ黒幕説を肯定してしまい、ゼレンスキーに更迭されてしまった。
Escobar: It's War - The Real Meat-Grinder Starts Now
Why Does Zelensky's Cabinet Reshuffle Bring Focus on Crocus City Hall Attack?

 

 

露当局によると、ウクライナ諜報機関が(米諜報界の助けを借りて、米諜報界の傀儡である)ISISの系統のSNSを使い、実行犯をやってくれそうな若者たちを集め、事前の手当てとして25万ルーブルを払った。


ウクライナ当局に命じられ、実行犯の主犯格(Shamsidin Fariduni)が事前にトルコのイスタンブールに行ってISIS系の人物(聖職者)と会い、テロのやり方などを教わった。


ISISやアルカイダがテロをやる時は、信心深い者に「聖戦(テロ)をやると天国に行ける」と思い込ませて実行犯に仕立て、無償で自爆テロをやらせる。

 

実行犯は、死ぬ(天国に行く)のが目的なので、爆弾のついた自爆用ベルトを着用したり、射殺されるとわかっていて当局に向かっていき、犯行現場での即死(昇天)を目指す。
Terror mastermind told attack suspects to flee to Kiev - investigators
Investigators establish link between Moscow terrorist attack suspects and Ukrainian nationalists

だが今回の実行犯は違う。

 

彼らの目的はカネだった。

 

ウクライナ当局は、テロを成功させてウクライナに逃げ込んだら25万ルーブルの成功報酬を出すことを約束し、ロシアからウクライナに越境する方法も教えてあった。


実行犯は国境の100キロ手前で逮捕されたが、その時もISISテロリストのように死のうとせず、露当局に逮捕されて生き延びる道を選んだ。
Ukrainian ‘Caliphate’: What the West prefers not to notice when blaming ISIS for the terrorist attack in Moscow

米諜報界は1990年代後半から、アフガニスタンサウジアラビアなどのイスラム主義者の反米感情を扇動しつつ、裏からテロの手法を伝授して世界各地で大きなテロをやらせて「敵」に仕立て、米国が同盟諸国を率いて長期にテロと戦う自作自演的な「テロ戦争」の世界戦略を展開した。

 

その頂点として2001年に911テロ事件が起きた。


米諜報界はテロ戦争を、敵であるロシアを不安定にしておくための手法としても使った。

 

 

米傘下のサウジの諜報界やアルカイダが、布教と称してロシア南部のチェチェンやダゲスタンなどイスラム地域に入り込み、ロシアから分離独立してイスラム主義の独立国を作ろうと扇動した。


分離独立のたに向けた武装蜂起が起こされ、ロシア国内でチェチェン人らが自爆テロを展開した。

 

チェチェン人やサウジ王政(など、イスラム主義者の全体)は、米諜報界の「うっかり傀儡」にされていた。
真の囚人:負けないチェチェン人

チェチェン紛争は、当時のエリツィン政権の手に負えないものになり、エリツィン諜報機関プーチンを自分の後継者に据えて辞任した。

 

プーチンは苦戦しつつ10年以上かけて、武装蜂起の徹底弾圧と、自治の付与・地域経済の成長支援というアメとムチの策で、チェチェンやダゲスタンの紛争を解決した。


チェチェンやダゲスタンは平和に発展する地域になったが、イスラム主義に洗脳された人々は「失業したテロリスト」になり、ISISやアルカイダ(同胞団)に誘われて、内線が始まったシリアに移動して武装活動を続けた。
シリア内戦終結でISアルカイダの捨て場に困る

2014年に米国がウクライナを露敵視な傀儡政権へと転覆した。

 

米傀儡として露敵視を強めたウクライナ当局は、米諜報界に紹介され、かつて露敵視のテロや武装蜂起をやった後にシリアに流れていったチェチェン人などのイスラム過激派(ISカイダ)を雇い、ロシアを不安定化するためのテロなどを画策するようになった。


シリアのISカイダは、米国に頼まれて北隣のトルコが面倒を見ていた。

 

トルコはNATO加盟国であり、諜報的に米国とつながっている。

 

トルコの諜報機関は、米国に頼まれてシリアのISカイダをウクライナ諜報機関に紹介するようになった。
露呈したトルコのテロ支援

だが、当時すでにシリア内戦には(米オバマから頼まれて)ロシアが参戦しており、露イランに助けられたアサド政権が、米トルコに支援されたISカイダより強くなり、アサドの延命でシリア内戦が終わる流れが見え始めていた。


負け組に入りたくないエルドアン大統領のトルコは、NATOの仲間としてISカイダの面倒を見つつ、ロシアにすり寄って親露に転換する二枚舌を開始した。

 

ウクライナ当局は、その状況下で、トルコ当局の紹介を受けてISカイダに接近し、ロシアを不安定化する策を試み始めた。
シリアをロシアに任せる米国

ロシアにすり寄るトルコのエルドアンは、ウクライナ当局の動きを逐次プーチンに伝えた。

 

ウクライナの露敵視策の手口は、2022年のウクライナ開戦のずっと前から、ロシアに筒抜けだった。

 

ウクライナがロシアでテロをやる試みは、露当局に阻止され、ほとんど成功しなかった。

 

米諜報界はこの事態を知っていたはずだが(隠れ多極主義なので)放置していた。
欧米からロシアに寝返るトルコ

ウクライナ開戦後、トルコは、ウクライナから頼まれて無人機など軍事物資を輸出し、どちらの味方かわからない状態になって露政府が抗議していたが、これも事前にプーチンの非公式な承認を得た上での演技だったのだろう。


今回のテロの実行犯は、ウクライナ当局に紹介されて事前にトルコを訪問し、ISカイダ関係者に会ってテロの手ほどきを受けた。

 

ISカイダはトルコ当局の監視下にある。

 

今回のテロの計画は事前にトルコ経由でロシアに知らされていたはずだ。


プーチンは、その気になれば今回のテロを事前に阻止できた。

 

これまでウクライナ黒幕のテロは、ほとんど阻止されてきた。

 

だが今回は、実際に大きなテロが起きてしまった。
Moscow terror attack planned and paid for by Kiev - MEP

今回のテロはロシアを、米英ウクライナと闘う方向で結束させた。

 

 

今回のテロは、ウクライナ戦争が、欧露間の長い低強度戦争(冷戦)に転換していくタイミングで起きている(昨日の有料記事で書いた)。

 

露軍は間もなくオデッサなどに進軍すると米欧政府も予測している。
欧露冷戦の再開
Western Nations ask citizens to leave Kharkiv and Odesa!

これからの長い欧露の新冷戦は、欧州や米覇権体制を自滅させる。

 

資源類の利権が米欧から非米側に移り、露中など非米側が世界の中心になって台頭・成長していく。

 

世界の多極化が確定する。


ロシアは、その流れの誘導役になっている。

 

ウクライナ戦争が終わるころ、ロシアは今よりかなり発展しているはずだ。

 

それまでの間、ロシアが結束し、プーチンの人気が維持されている必要がある。

 

今回のテロは、ロシアの結束とプーチン支持を強めるものになっている。

 

だから発生が容認された。
Russia Announces 'Substantiated Evidence' Of Ukraine Link To Crocus Hall Terrorists
多極型世界システムを考案するロシア

今回のテロは、ウクライナ当局(諜報機関)がタジク人たちを雇ってやらせた。

 

露政府はウクライナ政府に対し、諜報長官をテロ容疑で逮捕してロシアに引き渡せと要求したが、その要求は正しい。


ウクライナの諜報・軍事活動は、すべて米国(諜報界)に監視・誘導されている。

 

今回のテロも、米国が命令ないし考案したものだ。

 

実行犯の後ろにウクライナ諜報機関がおり、そのまた後ろに米諜報界がいる。

 

黒幕は米国だ。
Russia Demands That Ukraine Arrests Secret Service Head for Terrorist Attacks

米国(諜報界)は、ロシアを結束させプーチンを強化するテロをやった。

 

なんて馬鹿なんだ。

 

大失敗じゃないか・・・


いやいや実のところ、これは意図通りの成功である。

 

米諜報界を牛耳るのは隠れ多極派であり、ロシアを強化して中国と結束させて、世界を多極化・非米化するのが彼らの目的だ。

 

彼らは大成功している。
世界を多極化したがる米国

米諜報界は、ウクライナ戦争を起こした黒幕でもある。

 

米国は、ウクライナ政府を傀儡化して国内露系住民殺しをやらせ、ロシアが邦人保護のためにウクライナ侵攻せざるを得ないように仕向けた。

 

プーチンは、米国の策略にまんまと乗って侵攻してしまった。

 

ヌーランドは当時そう言って驚喜した。


実のところこの戦争は、見かけと正反対に、米欧ウクライナを自滅させ、ロシアを台頭発展させる構図になっていて、2年後の今、それが見事に具現化している。

 

プーチンは2年前、ウクライナに進軍したら自国が台頭発展するとわかった上で進軍した。

 

ヌーランドは黒幕でなくピエロだった。
ピエロにされていたヌーランドが辞任

ウクライナ戦争は、開戦時も、今回のテロでも、米国がロシアを強化する方向の謀略として行われている。

 

米同盟諸国では「ロシアは打ち負かされねばならない」と叫ぶ勢力がいまだに多い。

 

米国自身がロシアを強化し、同盟諸国を自滅させていることが見えていない彼らは大馬鹿である。
Russia’s massive night strike hammers Ukrainian energy, air defense sites

テロが起きる2週間前の3月7日に、米英カナダの政府が、モスクワに住んでいる自国民に対し「今後の2日間にモスクワでテロがあるかもしれないので、人混みに行かないようにしろ」と警告した。

 

この警告は2週間早すぎたかに見える。


だが、露当局筋によると、3月9日にクロックスシティホールで愛国派の人気歌手「シャーマン」のコンサートが行われており、タジク人テロ実行犯たちがシャーマンのコンサートで乱射テロをやる可能性があった。
US Officials Trip Over Own Lies About ‘Warning Russia’ Ahead of Concert Hall Attack

実行犯の主犯格(Shamsidin Fariduni)は3月4日にイスタンブールからモスクワに戻り、3月7日にクロックスシティホールを下見した。

 

米英の当局は、この主犯格の動きを監視していた。


3月9日の愛国歌手シャーマンのコンサートに来ているロシアの愛国者たちを乱射して殺す。

 

露敵視のテロとして最高だ。

 

米英は、そう考えて(もしくは傘下のウクライナ当局にそう計画させて)警告を出したのだろう。

 

米政府は、露政府にも警告を伝えたと言っている。
Ukrainian ‘Caliphate’: What the West prefers not to notice when blaming ISIS for the terrorist attack in Moscow

だが、3月9日は、3月17日のロシア大統領選挙よりも前だった。

 

選挙直前に大きなテロが起きたら、プーチンの圧勝が揺らぐのでないか??。

 

露当局内にそう考えた勢力がいたようで、3月9日のテロ発生は阻止された。

 

代わりに、選挙後の3月22日の「ピクニック」のコンサートが選ばれた。


・・・この流れだと、米英もロシアも、ウクライナがタジク人たちにクロックスシティホールでテロをやらせようとしていたことを事前に詳細に把握していたことになる。

 

本当にそうなのか??。

 

わからない。

 

しかし、23年前の911テロ事件以来、大きなテロは大体、事前に諜報界に把握されていたのに発生が容認されてきたのも事実だ。

 

諜報界とテロの関係はそういうものだ。
仕組まれた9・11
911とコロナは似ている