きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

日中国交正常化50周年の来年

日中国交正常化50周年の来年、岸田は中国と建設的で安定的な関係を築けるか? 
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202110150000/

岸田文雄首相は10月8日に中国の習近平国家主席と電話で会談、日中国交正常化50周年にあたる来年は建設的で安定的な関係を築く好機だと述べたと伝えられている。

 

中国との貿易で利益を出していた日本企業の立場で考えると岸田の発言は当然のことであり、交易を盛んにすることで地域の安定を図るという戦略を進めている中国としても意見は同じだろう。

しかし、現在の日中関係は良くない。

 

こうした流れは2010年9月8日に尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁日中漁業協定」を無視する形で取り締まってから始まった。

海上保安庁国土交通省の外局だが、事件当時の国土交通大臣前原誠司

 

本来なら外務省が関係修復へ動かねばならないが、9月17日に前原は外務大臣に就任している。

この人事を決めたのは菅直人首相だが、言うまでもなく、背後にはアメリカの私的権力が存在している。

 

例えば、2012年に​ヘリテージ財団アジア研究所北東アジア上席研究員のブルース・クリングナー​は「日本国民のあいだに中国への懸念が広がりつつあるという状況」を歓迎している。

第2次世界大戦後、アメリカは日本が中国やソ連と友好的な関係を築かないように仕掛けを作った。

 

領土問題だ。

日本政府全権の重光葵と軍全権の梅津美治郎は1945年9月2日、降伏文書に調印したが、これはポツダム宣言を受け入れたことを意味する。

 

その宣言には「『カイロ』宣言ノ条項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」と書かれている。

カイロ宣言には「千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国ガ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト竝ニ満洲、台湾及膨湖島ノ如キ日本国ガ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコト」と書かれているが、ポツダム宣言が日本の領土として確定しているのは本州、北海道、九州、四国だけ。

 

ほかの小さな島々は連合国が決めるとされている。

 

議論の余地はない。


しかし、アメリカの工作で尖閣諸島の領有権問題が生じる。

 

アメリカにとって日本と中国が手を組むことは認められない。

 

明治維新から続くアングロ・サクソンの東アジア侵略の基盤が崩れてしまうからだが、この仕掛けに風穴を開けた人物がいる。

 

田中角栄だ。

 

田中と周恩来尖閣諸島の問題を「棚上げ」にして両国の友好を推進、経済関係を強めようとしたのである。

 

この「棚上げ」を菅直人政権は壊した。


 

 

2010年当時、アメリカはまだ中国やロシアを簡単に始末できると高を括っていたはず。

 

フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号​に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文には、近いうちにアメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できる、つまりアメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てると見通しているのだが、ネオコンはその見方を捨てていなかっただろう。

本ブログでは繰り返し書いてきたが、ネオコンは1991年12月にソ連が消滅した直後、国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成している。

 

当時のアメリカ大統領はジョージ・H・W・ブッシュ、国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツ。このウォルフォウィッツが中心になって作成したことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

このドクトリンに日本を従わせる目的で国防次官補を務めていたジョセイフ・ナイは1995年2月に「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表する。

 

そこには在日米軍基地の機能を強化し、その使用制限の緩和/撤廃することが謳われていた。

この年、日本では3月に地下鉄サリン事件、その直後に警察庁長官の國松孝次が狙撃されている。

 

8月にはアメリカ軍の準機関紙と言われるスターズ・アンド・ストライプ紙が日本航空123便に関する記事を掲載、その中で自衛隊の責任を示唆した。

 

 

その後、日本はアメリカの「戦争マシーン」に組み込まれ、アメリカ、イギリス、オーストラリアと戦争の準備を進めている。

 

言うまでもなく、相手は中国とロシアだ。

 

 

 

通常兵器の戦争で中国やロシアに勝てないことを理解しているアメリカ軍の幹部はブレーキをかけているが、ネオコンをはじめとする好戦的な「文民」は挑発を続けている

 

「脅せば屈する」という考えから抜け出せないのだ。

 

このまま進めば、いつ戦争になっても不思議ではない。

 

 

岸田の発言は、日本側の一部も日本が危険な状況に巻き込まれていることを理解していることを示唆していると言える。

 

ただ、アメリカに何か言われればおとなしくなるだろうが。