米中間選挙の最新情勢
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11月8日に米国中間選挙が投票日を迎える。
バイデン政権の2年間に対する評定が示される。
バイデン大統領の支持率は低迷を続けている。
“Real Clear Politics”の集計では、11月1日時点のバイデン大統領支持率は42.8%、不支持率は54.5%で、不支持率が支持率を11.7%ポイント上回っている。
政権発足直後の2021年1月27日時点においては、支持率55.5%、不支持率36.0%で、支持率が不支持率を19.5%ポイント上回っていた。
バイデン大統領が米国民から高い評価を受けていないことが分かる。
“Real Clear Politics”は中間選挙情勢についても最新数値を公表している。
11月1日時点での中間選挙情勢は以下の通り。
上下院ともに共和党が優勢の状況が伝えられている。
知事選においても共和党が有利な戦いを進めている。
中間選挙の結果によってバイデン大統領の指導力に大きな影響が生じることが予想される。
最大の問題はウクライナ戦乱。
ウクライナ戦乱の拡大と長期化をもたらしている元凶はバイデン大統領。
ロシアによる軍事行動は非難されるべきだが、ロシアによる軍事行動を意図的に誘導したのはバイデン大統領である。
ロシアとウクライナ、ドネツク、ルガンスク両地域、ドイツ、フランスによってウクライナ内戦停戦を実現するためのミンスク合意が制定された。
この合意をウクライナ政府が誠実に履行していればウクライナ戦乱は発生していない。
ミンスク合意を一方的に踏みにじったのがウクライナである。
その背後に米国の誘導があった。
ゼレンスキーは2019年4月に大統領に選出されたが、選挙においてはミンスク合意履行によるドンバス地域の和平確定を公約に掲げた。
ところが、ウクライナ民族主義者はこの方針に反対した。
2020年秋の米大統領選でバイデンが選出されると状況が一変した。
ウクライナはミンスク合意を一方的に破棄する行動に踏み出した。
ウクライナ政府は2014年に転覆されて親米政権に差し替えられた。
暴力革命による政権転覆だったが陰で糸を引いたのは米国である。
現地指揮官がヴィクトリア・ヌーランド米国務次官補。
ワシントンの最高司令官がバイデン副大統領だった。
バイデンはウクライナ利権に深く関与している。
バイデンの子息ハンター・バイデンはウクライナのエネルギー企業ブリスマの取締役に就任し、高額報酬を受け取り続けた。
そのブリスマ社は脱税やマネーロンダリングの疑惑をかけられた灰色企業である。
ウクライナ検察当局は同社とオーナーのズロチェフスキー氏を捜査していた。
在ウクライナ米大使館も徹底捜査を求めており、米政府内には、ハンター氏が札付き企業の役員を務めることに批判の声があったと伝えられている。
バイデン副大統領は2015年、ウクライナのポロシェンコ大統領に対し、同社を捜査していたショーキン検事総長の解任を要求した。
解任しないなら、ウクライナへの10億ドルの融資を撤回すると警告した。
これに応じるかたちでポロシェンコ大統領が検事総長の解任を決めた。
議会が承認し、米国の融資が実行された。
ウクライナの検事総長は解任後にバイデン副大統領が圧力をかけてきたとメディアで告発した。
バイデン大統領がポロシェンコ大統領に検事総長解任を強要したことを自慢げに語る動画がネット上で流布されている。
「バイデンが一番削除したい動画の一つ」
このバイデンがゼレンスキーのウクライナに指揮命令してウクライナ戦争が創作された。
米国によるウクライナに対する無制限無尽蔵の武器支援に対して共和党支持者を中心に疑問視する米国民が増加している。
中間選挙で民主党が大敗するとバイデン大統領の影響力が大幅に後退する。
ウクライナで何よりも優先されるべきことは早期停戦の実現。
目指すものは戦争の継続、拡大でない。
この点を間違えてはならない。
ウクライナで勝利をしても西側諸国の傲慢さが増長し民主政治体制の外部からの押しつけが進めば危機は再び起きる
http://suinikki.blog.jp/archives/86749566.html
ウクライナ戦争はロシアが併合した4州に対するウクライナ軍の攻勢が強まっており、泥沼化から抜け出せない状況だ。
ウクライナとしてはロシアに併合された地域を奪還すべく戦いを進めているが、この目的を完全に達成するためには年単位の時間と莫大な資金、そして何よりも更なる人的な犠牲が必要となる。
そのようなコストは甘受すべきだという考えもあるだろうが、ウクライナ国内で不満も募っていくだろう。
ロシア軍は併合した地域を防衛するための拠点づくり、要塞づくりを進めていくと考えられる。
戦争の鉄則の一つとして、攻撃側と守備側では、攻撃側により大きな犠牲が出る、守備側を抜くためには3倍の兵力が必要だ、というようなことが言われている。
以下の地図を見ても、ロシアの併合地域を全て奪還することは不可能だと思われる。
また、そのようなことをすれば戦争が長引くだけではなく、戦争が拡大する可能性を秘めている。
またヨーロッパ諸国はウクライナ戦争の影響によるエネルギー不足と食料価格の高騰で厳しい冬を迎えることになる。
今回のウクライナ戦争は「西側諸国(主にアメリカ)が支援するウクライナ対(VS)西側以外に国々が間接的に支援するロシア」という構図になっている。
西側諸国からは「ウクライナ戦争は民主的な政治を独裁政治から守る戦いだ」という声も聞かれる。
この主張の根底にあるのは、「自分たちが信奉し、守っている価値観である自由や人権、平等という考えとそれらを実現するための政治制度である民主政治体制こそが最良のものだ」という考えだ。
拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』『アメリカ政治の秘密 』で書いてきたように、アメリカの共和党系のネオコン、民主党系の人道的介入主義派は、こうした考えに基づいて、「こうした価値観や民主政治体制を世界中に拡散すれば世界は安定し、平和になる」ということになり、世界の独裁政治体制国家や非民主政治体制国家の体制転換(regime change)を行うという結論に至る。
このような押し付けがましい考えがアメリカの外交政策の柱になってきた。
*単に、その国が持つ国民の資産を民営化(私営化)という偽善で略奪しているだけ。
今回のウクライナ戦争では西側諸国はいち早くロシアに対して制裁を科した。
「ロシアを素早く敗北に追い込んで、プーティンを引きずり下ろす」という目論見であったが、それは成功しなかった。
そして、戦争は泥沼状態になっているが、アメリカは武器をウクライナに送り、ヨーロッパには自国産の高い天然ガスを売りつけて設けるという構図を作り上げている。
ロシアの体制転換には失敗したが、転んでもただは起きぬ、とばかりに戦争を利用して金儲けをしている。
ウクライナが戦争に勝利することでロシアの体制転換を引き起こし、「アメリカの掲げる諸価値と政治体制の優越性」を宣伝し、世界覇権国として、崩れつつあるアメリカ主導の世界秩序の箍(たが)を締めなおすということをアメリカは目指している。
しかし、時代は転換点を迎えつつある。
体制転換と民主政治体制の構築は各国の国民の意思に基づいて、下から行われるべきであり、上からしかも外国から行われるべきものではない。
そして、急激に行うべきものでもない。
アメリカをはじめとする西側諸国は自国の価値観や政治体制を誇るあまりに傲慢になって、くだけた表現を使えば「上から目線のお説教」を、これまで繰り返してこなかったか、を反省しなければならない。
そういう時代はもう終わった。
ウクライナ戦争後はこのことをよくよく考えねばならない。