この際、立て直しのために税金7兆9000憶円が投入された。
政府はそのうえで国内の銀行と合併させる方針だったが、そこに目をつけたのが95年にリップルウッドを立ち上げたばかりのティモシー・コリンズだった。
彼はゴールドマン・サックスの共同経営者クリストファー・フラワーズらの協力を取り付け、さらにはFRB元議長のポール・ボルガーを後ろ盾とし、あたかもアメリカの金融界がリップルウッドを支持しているかのように演出。
政府はそのうえで国内の銀行と合併させる方針だったが、そこに目をつけたのが95年にリップルウッドを立ち上げたばかりのティモシー・コリンズだった。
彼はゴールドマン・サックスの共同経営者クリストファー・フラワーズらの協力を取り付け、さらにはFRB元議長のポール・ボルガーを後ろ盾とし、あたかもアメリカの金融界がリップルウッドを支持しているかのように演出。
当時、小渕首相がクリントン大統領の晩餐会に出席した際も、コネクションを使って同じテーブルにつけるよう工作した。
こうした格付けが可能だったのは、リップルウッドの背後にデイビッド・ロックフェラー、ロバート・ルービンらアメリカ財政界の大物の姿がちらついたからだった。
彼らはリップルウッドに出資し、莫大な利益を狙う一方、日本進出の足がかりを手に入れた。
こうした格付けが可能だったのは、リップルウッドの背後にデイビッド・ロックフェラー、ロバート・ルービンらアメリカ財政界の大物の姿がちらついたからだった。
彼らはリップルウッドに出資し、莫大な利益を狙う一方、日本進出の足がかりを手に入れた。
日本側は様々な圧力を受けて「外資やむなし」の判断を下し、長銀をリップルウッドに売却することを決定。
日本政府が18ヵ月の特別公的管理期間中に8兆円に近い金を投じ、債務の約9割をカットした長銀は、わずか1210憶円でリップルウッドの手に渡った。
日本政府が18ヵ月の特別公的管理期間中に8兆円に近い金を投じ、債務の約9割をカットした長銀は、わずか1210憶円でリップルウッドの手に渡った。
しかも、そのうちティモシー・コリンズの自己資金はわずか10憶円程度だったと言われている。
買収時に結んだ契約に、後々、巨額の公的資金を受けられるような1文を忍ばせてあった。
それが「瑕疵担保条項」だ。
これは新生銀行が長銀から引き継いだ債権が3年以内に2割以上下落した場合、国に買い戻しを請求することができると定められていた。
8兆円近い公的資金の中には、この買い戻し請求に応じて使われた金も少なくない。
8兆円近い公的資金の中には、この買い戻し請求に応じて使われた金も少なくない。
こうして国民の税金で不良債権をなくした新生銀行は、長銀破綻から5年4ヵ月後の04年2月19日、東証一部に再上場を果たす。
その際、リップルウッド傘下の投資組合「ニュー・LTCB・パートナーズ」は保有株35%を売り出して2500憶円もの資金を得た。
その際、リップルウッド傘下の投資組合「ニュー・LTCB・パートナーズ」は保有株35%を売り出して2500憶円もの資金を得た。
さらに、05年1月20日にも発行済株式の約34%という大規模な株式売却が発表され、それをその日の終値で計算すると約2900憶円の値がついた。
つまり、2度の株式売却で約70%の新生銀行株を放出したリップルウッド側は、約5400憶円という巨額の売却益を手にし、旧長銀に投じた資金1210憶円に対して4倍以上の果実を収穫した。
話はこれで終わりではない。
つまり、2度の株式売却で約70%の新生銀行株を放出したリップルウッド側は、約5400憶円という巨額の売却益を手にし、旧長銀に投じた資金1210憶円に対して4倍以上の果実を収穫した。
話はこれで終わりではない。
そのカラクリはニュー・LTCB・パートナーズにある。
それは日本とオランダが結んだ条約によって、オランダの会社が日本で行った株式取引で利益をあげた場合、その課税権はオランダにあると定められているからだ。
結果、ニュー・LTCB・パートナーズがいくら日本でボロ儲けしても、オランダ国籍の法人である以上、日本政府は課税できないわけだ。
ではオランダで税金を納めたかというと、これも回避している。
ではオランダで税金を納めたかというと、これも回避している。
それはオランダの国内法では自国の法人が外国での投資で利益を上げても課税しないことが定められているからだ。
実に見事と言いたくなるが、リップルウッドは長銀買収、新生銀行上場での荒稼ぎからまったく税を払うことなく、うまみだけをむしり取っていたのだ。
実に見事と言いたくなるが、リップルウッドは長銀買収、新生銀行上場での荒稼ぎからまったく税を払うことなく、うまみだけをむしり取っていたのだ。