著名なエコノミストの米国人ポール・クレイグ・ロバーツ氏は自身のサイト上で、西側はウクライナでクーデターを画策しておきながら、今度は国際通貨基金(IMF)の隠蔽のもとに「略奪」を働くつもりだ、と非難する文章を掲載した。
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_03/270588886/
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_03/270588886/
マスコミはIMFの借款の本質について、わざと真実を伝えていない。
なぜならこうした借款をおうことで
ウクライナは生活レベルを下げ、
自国の生産能力を失い、
さらに多額の借金を背負うはめになるからだ。
ロバーツ氏は、この結果、
ナイーブなウクライナ人たちは、
またマイダン広場に集まり、
自分の行いを最期の日まで悔いることになる
と書いている。
ロバーツ氏はウクライナが陥ってしまった状況について、こうした分析を自身のサイトに公表した。
ロバーツ氏は、キエフでの反体制集会は、ロシアとの国境付近にNATOの基地配置を画策し、ウクライナにIMFの借款をさせて、これを「略奪」しようとする米国政権によって組織されたものだという考えを表している。
そしてこの「略奪」だが、ロバーツ氏によればそれはすでに始まっている。
ところがマイダン広場で反対を表明した理想主義者らは「簡単に人を信じるまぬけ」だったことになる。
今ウクライナはあらゆる問題につきあたっている。
軍事紛争が起きた場合、米国政権は自分らの腹心と共に助けに駆けつける。
このほか、西側マスコミはIMFの「救急バック」の中身についてすべての真実を明かしていない。
するとこの額の分、ウクライナの抱える借款は削減される。
結果としてウクライナは銀行にではなく、IMFに返すことになるが、IMFのつきつける条件は厳しい経済体制をしくので、ウクライナでは年金額も政府の支出、ガスのような最重要品目の買い付けへの支援金がカットされる。
ロバーツ氏は、その結果、ただでさえあまり高くない生活レベルは下がってしまうと予測している。
国有財産や民間の生産は西側のバイヤーに売られるだろう。
グリヴナの下落と輸入の高い価格を克服するために、ウクライナはさらに借款を増やさざるを得なくなる。
しかもこの国の汚職はあまりにもひどい。
ロバーツ氏はまとめとして、こうしたわけで「マイダン広場で無邪気に気炎を上げた結果は、さらに低い生活レベル、汚職の更なる蔓延、経済政策における主権の喪失、国有、私有財産の西側への譲渡におわる」と書いている。
ロシアとウクライナの緊密な結びつきと歴史を共にした関係を考えれば、これは悲劇に等しい。
ロバーツ氏は、もし「西の略奪と世界覇権をめざす米国の邁進」がウクライナとロシアを引き裂くことになれば、これは恥であり犯罪だと書いている。
結びとしてロバーツ氏は、借款国の政府がなぜIMFのプログラムと自国民に損害を与えることに署名するのかといえば、それはこうした政府が買収されているからだと指摘する。
ロバーツ氏は、その結果、「信じやすい馬鹿たちも」マイダン広場の一件を最期まで悔やむことになるだろうと締めくくっている。
金で動員された訳でないのに、街頭に繰り出した真面目な理想主義的な抗議行動参加者は、自国を破壊するという陰謀のだまされやすいカモだったのだ。
もし、ロシア語話者に対する、キエフ傀儡政権が示している敵意が続けば、より多くの人々がロシアに亡命する可能性がある。
もしも、この二つの集団の間で、武力紛争が起きるようなことがあれば、アメリカ政府は、傀儡に支援を送る必要があるという結論を出す可能性がある。
政治的、地理的問題が解決する前に、欧米によるウクライナ掠奪は既に始まっている。
欧米マスコミは、他の物事について真実を伝えないのと同様、I M F “金融支援策”についても全く真実を伝えていない。
今や掠奪が開始可能になった。
過酷な低減老齢年金、
行政サービス、
公務員雇用や、
天然ガス等の基本的消費への助成等がある。
既に低い生活水準は急落する。
更に、ウクライナは、通貨を自由変動制にしなければならない。
投機家連中が通貨を集団攻撃し、空売りし、通貨価値が非常に安く下げられてしまう(結果的に、輸入品価格が極めて高くなる)のを防ぎ、外国為替市場で自国通貨を守り支える為の悪あがきで、ウクライナは更なる金を借りることとなろう。
もちろん、通貨投機家達は借金で終わり、ウクライナは、通貨以上に、更なる借金地獄に陥って終わる。
腐敗は伝説的なものなので、
だまされやすいマイダン抗議行動参加者への直接的な結果は、
ウクライナ生活水準の更なる低下、
更なる腐敗、ウクライナ経済政策に対する主権の喪失と、
ウクライナの公的、私的資産の欧米利権への移転だ。
この二国は200年間、本質的に一つの国だった。
欧米の掠奪とアメリカ政府の世界覇権への衝動によって彼等を分断することは、とんでもない不面目、大罪だ。
仕組まれたマイダン抗議行動に参加した、だまされやすいカモ達は、生涯にわたって参加を後悔するだろう。
抗議行動が始まった時、私は結果がどのようになるかを書き、そのうち掠奪の過程を説明したいと書いた。
私が書くことは無いようだ。
ミシェル・チョスドフスキー教授が、ここでIMF掠奪過程を、豊富な史実と共に説明しておられる。
最後に一言。
国々が次から次へと欧米によって掠奪されている明白な証拠にもかかわらず、債務を抱えた国々の政府がIMFの措置に署名し続けている。
各国政府は一体なぜ、外国による自国民の掠奪に同意し続けるのだろう?
唯一の答えは、連中は金を貰っているからだ。
ウクライナを襲いつつある腐敗は、前政権を清廉に見せるようになるだろう。