きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

経済的徴兵制 3 ~人殺しが出来るほど貧しくさせる政策~

学生を借金漬けのままにして兵士に仕立て、戦場へ送り込めと米下院議員が主張
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209220000/

アメリカの下院議員19名が署名したジョー・バイデン大統領宛て書簡の冒頭、ジョー・バイデン大統領が計画している学生ローンの返済免除は有能な学生を軍人に雇う上でマイナス要因になると批判している。


 

バイデン大統領は8月24日、年収12万5000ドル未満の場合は1万ドル、低所得世帯の場合は2万ドルの返済を免除する計画を発表したが、それに対する批判だ。

かつてアメリカには徴兵制があった。

 

建前上、全ての男子は軍隊に入る義務があったのだが、支配的な立場にある人びとは自分たちの子どもを戦場へ送り出さずに済む仕組みがあった。

 

そのひとつがシャンパン部隊」である。

 

この部隊は戦場へ派遣されない。

 

CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)の「フォーチュネート・サン」はこうした部隊のことを歌っている曲である。

アメリカに限らないが、社会に出て収入の多い職業へ就くためには学歴、あるいは学校歴が重要な意味を持つ。

 

そこで「アイビーリーグ」のような有力大学に入る必要があるのだが、そのためには高額の学費を払う財力とコネが必要である。

公立学校の荒廃が進んでいるアメリカでは、有力大学へ入学するために私立の進学校で学ぶ必要があるのだが、そこの学費も高額。

 

学費を中産階級の家では負担できない。

 

少しでもマシな学校へ子どもを通わせるためには不動産価格の高い地域に住む必要があるのだが、賃貸でも負担は重い。

ハーバード大学の教授から上院議員に転身したエリザベス・ワレンによると、破産に追い込まれるアメリカ人の多くは医療と不動産が原因だが、不動産の裏には教育の問題が存在している。

著名な作家であるトルーマン・カポーティは『叶えられた祈り』の中でウォール街で働いているディック・アンダーソンなる人物に次のようなことを言わせている:

「二人の息子を金のかかるエクセター校に入れたらなんだってやらなきゃならん!」

トルーマン・カポーティ著、川本三郎訳、『叶えられた祈り』、新潮文庫

 

アメリカの中では高い給料を得ているはずのウォール街で働く人でも教育の負担は重いということである。

大学へ入れても授業料を支払うことが困難な学生は少なくない。

 

少し前から話題になっているのは「シュガー・ベイビー」なるシステム。

 

 

女子大学生(シュガー・ベイビー)富裕な男性(シュガー・ダディー)を引き合わせ、「デート」のお膳立てをするというビジネス。

 

売春の斡旋と見られても仕方がないだろう。

 

現代版のクルチザンヌだと言う人もいる。


 

体を売らなければ大学へ通えないという状況はアメリカ以外の国でも問題になっている。

 

例えば2012年11月にイギリスのインディペンデント紙は​学費を稼ぐための「思慮深い交際」を紹介するビジネスの存在​を明らかにした。

 

 

手取りはサービスの内容によって違い、年間5000ポンドから1万5000ポンド。

 

17歳から24歳までの学生約1400名が在籍していると仲介業者は主張していたが、これは氷山の一角。

 

事実上、売春の仲介をしているとして逮捕されたマーク・ランカスターなる人物はコンピュータ・コンサルタントで、国防省の仕事をする許可を受けているという。

ギリシャでは食費を稼ぐために女子学生が売春を強いられ、売春料金が大きく値下がりしている​と伝えられたが、こうした傾向は各国に広がりつつある。

 

 

米英の後を追いかけている日本でも学費の負担が庶民に重くのし掛かり、低所得層の子どもは教育を受ける権利を奪われているのが実態。

 

こうした状況を改善するためには法律面からの働きかけも必要になるが、そうした問題に取り組むような弁護士が出てきにくいシステムに変えられている。

 

新人弁護士を借金まみれにすれば良い稼ぎの仕事をせざるをえない。

 

カネを出せる人物や組織、つまり支配体制側の仕事をするしかなくなる。

日本では新自由主義の波が押し寄せてきた1970年代から学費が急速に上がり、奨学金という名の学生ローンで苦しんでいる人は少なくない。

 

その一方、入試の多様化という名目で裏口入学が合法化されてきた。

 

欧米と似た状況になっているようだ。

 

兵隊を確保する下地は作られているとも言えるだろう。

新自由主義ウクライナ社会も破壊した。

 

そのイデオロギーを導入させたのは欧米の支配層だ。

 

それに対する反発をアメリカは2度にわたって潰している。

まず、2004年から05年にかけて行われたオレンジ革命

 

東部地方と南部地方を地盤とし、ロシアとの関係が深いビクトル・ヤヌコビッチを排除し、新自由主義者のビクトル・ユシチェンコが大統領の座を奪っている。

 

ユシチェンコの政策で国の富は欧米の巨大資本へ流れて行き、その手先になった一握りのウクライナ人が「オリガルヒ」と呼ばれる富豪を生む一方、大多数の庶民は貧困化した。

そうした現実を見たウクライナ国民は2010年の大統領選挙でヤヌコビッチを選ぶ。

 

この段階になると合法を装うことが困難になり、事実上の軍事クーデターで政権を転覆させ、現在の体制を築いたのである。

 

ウォロディミル・ゼレンスキーもクーデター体制の人間だ。

このクーデターは2013年11月から14年2月にかけて実行されたが、主力はNATOの訓練を受けたネオ・ナチのメンバーだった。

 

そのネオ・ナチを操っていたのはアメリカのバラク・オバマ政権である。

 

ヤヌコビッチ大統領は殺害されなかったものの、政権は倒された。

学費の問題とウクライナにおける戦闘の根はつながっている。

 

 

 


学生ローン免除は募兵に害を及ぼすとアメリカ議員
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/09/post-45fd86.html



学生負債の部分的免除はアメリカで兵士採用を減らす思いがけない結果を招きかねないと警告する書簡[PDF]を19人のアメリカ下院議員がジョー・バイデン大統領とロイド・オースティン国防長官に書いた。

https://gallagher.house.gov/sites/evo-subsites/gallagher.house.gov/files/evo-media-document/09.15.22%20Ltr%20to%20POTUS%20re%20Student%20Loans.pdf

 

手紙には下記のように書いてある。

 

 

親愛なるバイデン大統領、

学生ローン負債を一人当たり20,000ドルまで帳消しにするという、皆様の決定の思いがけない結果に関する我々の懸念を伝えるため我々は手紙を書きます。

我々は特に、これが確実に我々の国の軍と最高の才能の人々を採用し保持する能力に対する悪影響を懸念しています。

皆様もご存じの通り、軍にとって最も成功している採用誘因は復員軍人援護法と学生ローン免除プログラムです。

兵役義務遂行中あるいは後に、軍が教育費を支払うという考えは兵役につく多くの個人決定における推進要因です。

最近の推計では約178,000人もの兵士が何らかの免除資格を持っていることを示しています。

借り手にこのような多額のローンを免除することにより、国防省が高等教育に支払う最も即効的で最も容易な方法の一つとして持っている影響力を皆様は削除することになります。

我々はローン免除プログラムには、それなりの問題があるのは認めますが、これは最高の徴募報奨なのです。

現在、人口の23パーセントにしか軍で勤める資格がありません。

更に少数の人々しか兵役につこうとする傾向がありません。

先月末陸軍は年度採用目標の66パーセントにしか達しませんでした。

海軍は、わずか89パーセントです。

各軍が採用の困難と戦い続けており、今この恩恵の独自性を奪うことで、これら問題が悪化するのは秘密ではありません。

歴史的ボーナスを含め、各軍が採用の難題に取り組む独自手法を採択しようとする中、足場自体が崩されるように思われます。

これを念頭に置いて、下記の質問に回答くださるようお願いします。

1.最近の学生ローン免除策決定推進の上で、兵役に対する影響は評価されましたか?

2.学生ローン返済を促進するために軍務につく可能性がある人々の喪失を補う報奨策を開発する政権の計画は何ですか?

3.現在公務ローン免除プログラムに登録している人々の現役勤務と予備役の両方に対する時宜を得た支払いを保証するため、どんな改良がれていますか?

この問題に関心をお持ち頂いたことに感謝します。

 

 

彼らは即座に、それを認めている。

 

他の全ての裕福な国で人々が得られるのと同様な社会支援制度をアメリカ政府が提供しない理由の一つは、そうでないと、若いアメリカ人に対し、アメリカ戦争機構の兵役に応募させる経済的圧力がなくなるためだ。

これは秘密ではないが、実際そう発言するのは一般に官僚にはタブーだと考えられている。

人々は何年も貧困徴兵について話している。
https://www.youtube.com/watch?v=MG2GbRW0AcE

米軍新人の大多数が、平均収入以下の地域出身で、貧困に陥った共同体は、しばしば兵役を唯一の出世の機会と見るから、
https://www.nbcnews.com/news/nbcblk/many-black-families-military-service-chance-upward-mobility-rcna4865

そうした地域が、各軍から徴募の標的に定められているのは
https://www.teenvogue.com/story/the-military-targets-youth-for-recruitment

揺るぎない事実だ。
https://twitter.com/NOTSeanMcCarthy/status/1562841609737482241

だが「貧困」と聞くと、大半のアメリカ人はホームレスや、食べたり、頭上に屋根があるようにしたりしておく余裕がない人々を考えるので「貧困徴兵」という言葉はいささか混乱を招く可能性がある。

実際はアメリカは国民の大多数が貯金で1,000ドルの緊急出費を支払えない国で、貧しい人々に兵役につこうと思わせる経済圧力は極めて高い。
https://www.cnbc.com/2022/01/19/56percent-of-americans-cant-cover-a-1000-emergency-expense-with-savings.html

それら経済圧力が、採用目標を実現できるのは学生ローン危機のおかげだと、米軍当局者が明言する理由だ。

 


だからアメリカ帝国には、非常に多くの経済的に不具合なアメリカ人口を維持する莫大な誘因があり、これが政府の国内政策決定上で重要な役割を果たしている。

 

アメリカ帝国は絶え間ない暴力と恫喝でばらばらにならないよう維持されており、暴力を作動させる能力は戦争機構に入る元気な十代連中の絶えざる補給がなければ動作不能になる。

 

十代に入隊手続きさせ、石油備蓄やレイセオンの利益率などを巡り殺し殺されるよう強いる経済圧力なしでは、アメリカ帝国は崩壊すると言っても誇張ではない。

それは皆様がそれについて考えれば考えるほど益々残忍に見えてくるものの一つだ。

 

世界で最も裕福な国で、彼らより遙かに貧困に陥っている外国人を殺させるよう、若いアメリカ人たちに財政的に苦しく感じさせておくために、経済的公正は積極的に抑制されている。

 

彼らに大量殺人を行わせるべく、連中は人々を貧しくしておくのだ。

 

これ以上下劣なことを考えるのは実際困難だ。

だがそれが資本主義帝国の本質だ。

 

皆様はこの機構の有用な旋盤工になるか、殺されて、そのエンジン燃料に変えられる。

 

皆様が成功した資本主義者でなければ、皆様を高価な兵器で帝国を守るため使える。

 

皆様が帝国を助けていなければ、高価な軍需品を置き換える必要がある戦争機構の標的として皆様は軍産複合体のため利益を上げるのに使える。

 

もし皆様が良い旋盤工でなければ、囚人奴隷になるよう送られるか、民間の営利刑務所への投獄が可能だ。

 

帝国では全員使い道がある。

アメリカに中央集権化した地球規模権力構造は、地球上最も邪悪で無情な破壊勢力だ。

だまされ、操られ、財政的に戦争機構に入隊するよう強要される若い人々は、彼らが置かれた状況の経験で恐ろしいほど心に傷を負って戻って来る。

 


より良い何かが必要だ。

 

これは続けられない。

The Jimmy Dore Showも同じ話題を論じている。
https://www.youtube.com/watch?v=HZ3f3gSkI_4

日本の奨学金政策がひどいのも、同じ理由だろう。