防衛省のロシア並み情報操作計画発覚に岸田首相は「事実誤認」と否定するも大嘘! 入札企業に「主目的は国内世論工作」と説明していたことが判明
https://lite-ra.com/2022/12/post-6251.html
岸田文雄首相が打ち出した防衛力強化のための防衛費増額だが、その財源をめぐり、増税派の岸田官邸・財務省と国債発行派の安倍派によるバトルが勃発。
メディアもこのバトルを大々的に報じている。
まったくとんだ茶番劇だ。
国民生活が疲弊するなかで法人税のほか復興税を防衛費に流用するなどという暴挙に出ようとしている増税派はもちろん、戦時国債を膨らませて経済破綻に陥った戦前の教訓も無視し、国民の借金で軍拡しようという国債発行派も論外だ。
そもそも、増税か国債か以前に、防衛費増額に何の正当性もない。
敵基地攻撃能力の保有に現実性がないことは多くの専門家が指摘している上、アメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」の最大500発の購入や、これまでアメリカから言い値で爆買いしてきた兵器に巨額が注ぎ込まれるだけだろう。
ところが、メディアの報道もほとんどが防衛費増額は既定路線として伝え、財源の議論しかしない。
軍拡はすでに決定事項だと言わんばかりだ。
しかも、この軍拡の既定路線のなかで、さらに恐ろしい問題が浮上。
共同通信が9日付で「防衛省AI技術を使い、SNSで国内世論を誘導する工作の研究に着手した」と報じたのだ。
ちなみに、この記事を執筆したのは、長きに渡って防衛省・自衛隊を取材し、数々のスクープや特ダネを放ってきた共同通信専任編集委員である石井暁氏だ。
記事によると、防衛省の構想では、〈インターネットで影響力がある「インフルエンサー」が、無意識のうちに同省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事で特定国への敵対心を醸成、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりするネット空間でのトレンドづくりを目標としている〉という。
防衛省は〈戦闘形態を一変させるゲームチェンジャーになるとみて、日本も、この分野の能力獲得が必要だと判断〉したといい、〈改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上を盛り込む〉という。
政府関係者は、こうした国内世論の誘導工作について「表面化していないが各国の国防、情報当局が反戦や厭戦の世論を封じ込めるためにやっていることだ」などと述べているが、ようするに、現在の中国やロシアが自国の正当化のためにおこなっている世論誘導と同じことを本格的にやるというのである。
戦前の日本は大本営発表と言論統制によって戦争に突き進んでいったが、その反省もなく、安保の大転換・軍拡のひとつとして、またも戦争に駆り立てるプロパガンダで国民を煽動しようというのだ。
当然、この問題が報じられると、SNS上では
「国によるマインドコントロールそのもの」
「簡単に言えば、著名人や有名アカウントに「Dappi」になってもらおうということだ」
「防衛省の考える情報戦の相手は自国民なのか」
などと反発の声が巻き起こった。
共同スクープをデマ扱いするも、防衛省は受注企業に“ステマのような研究”と説明
しかし、問題はその後の動きだ。
12日に松野博一官房長官が定例会見で「諸外国との関係で偽情報の見破りや分析、迅速かつ適切な情報発信を中心とした認知領域を含む情報戦への対応が急務」とした上で、共同の報道に対しては「事実誤認があり、政府として国内世論を特定の方向に誘導するような取り組みを行うことはあり得ない」と否定。
岸田首相も同日、10日におこなわれた記者会見の追加質問に対して「ご指摘の報道の内容は、全くの事実誤認」と文書で回答した。
すると、こうした政府見解をテレビや新聞が何の検証をおこなうこともなくストレートニュースとして報道。
SNS上では、このストレートニュースを根拠に、「共同のデマ記事」「共同のフェイクニュース」などという投稿が広がったのだ。
「防衛省が世論誘導のための研究に着手した」などという秘密裏の動きがすっぱ抜かれたら、事実であっても政府が否定するのは当たり前の話だ。
そんな政府見解を根拠に「フェイクニュース認定」することは、あまりに馬鹿げている。
実際、今回の共同の報道については、さらに詳しい内容がわかった。
共同通信の9日付記事では、防衛省が目論む世論誘導工作の研究について、〈2022年度予算の将来の装備品を検討する調査研究費を充てた。9月に委託企業公募の入札を実施。10月に世界展開するコンサルタント会社の日本法人に決定した。この会社は米軍の情報戦活動にも携わる〉と伝えていた。
そして、この記事を執筆した石井氏は、13日におこなわれた浜田靖一防衛相の定例会見で質問をおこない、そのなかでこう発言しているのだ。
「入札に応じた三菱総研も、それから落札したEYストラテジー社の両社の関係者によると、防衛省からの説明は、まさにAIとSNSを使ってインフルエンサーを経由して世論工作をする、あたかも民間企業のステルスマーケティングのような研究だという説明を受けています」
つまり、防衛省は入札に応じた企業に対し、「AIとSNSを使って、インフルエンサーを経由し世論工作をする」ための研究であるという説明をおこなっていた、というのだ。
しかも、石井氏がこの事実を突きつけると、浜田防衛相は「それと世論操作と何の関係があるのかよくわかりません」などと回答。
「AIとSNSを使って、インフルエンサーを経由し世論工作をする」ための研究だと説明をおこなっていたとすれば、これは紛れもなく世論操作を目的としているとしか考えられず、浜田防衛相の回答は否定にすらなっていない。
だが、石井氏がつづけて「そういう説明を防衛省が企業関係者にしている」と質問を重ねると、浜田防衛相は「そういう意図はない」「私自身がまだ聞いていないので確認したいと思うが、これ以上、個別具体的なことにかんしては回答を控える」などと発言。
それでも石井氏が食い下がると、ついには「それが正しいことか悪いことか、世論操作に繋がるか繋がらないかというのは、これは主観の問題」とまで言い出したのだ。
防衛省は入札企業に「主目的は国内世論操作の研究」と説明していた!
しかし、このあと、さらに決定的な事実を石井氏は突きつける。
浜田防衛相は、松野官房長官と同様に「偽情報の見破りの分析、そして適切な情報発信等を肝とした認知領域を含む情報戦への対応が急務であるが故に、所要の能力及び体制を整備することを目的としてやっている」と主張するのだが、石井氏はこう切り返したのだ。
「入札企業の関係者から聞いている話だと、主目的は国内世論操作の研究であると。で、副次的な副産物として、外国からの情報戦に対抗する外国の情報戦の手法がわかると。そういう説明を受けて……」
ここで浜田防衛相は、食い気味に「その点についても、私は直接、現場から聞いておりませんので、その点はまた、我々でまた議論させていただきたい」と述べ、石井氏の発言を遮ったのだが、つまり、石井氏によると、入札に応じた企業は「主目的は国内世論操作の研究」と説明を受けていた、というのだ。
このやりとりを見れば、共同の報道は、フェイクどころか事実であることは明白だ。
そもそも、昨年から防衛省はインフルエンサーを利用した世論誘導を計画。
昨年9月、朝日新聞が「防衛省、芸能人らインフルエンサー100人に接触計画 予算増狙い」というタイトルでスクープ記事を掲載した。
これは防衛省が防衛予算増のために芸能人やYouTuberを使ったステマ計画を立てていることをすっぱ抜いたものだったが、当時の岸信夫防衛相は「我が国の防衛力の整備について、国民の皆さんに広く理解を求めていくことは必要」「インフルエンサーと呼ばれる方々に、まず理解をして頂けるような説明を行うことは重要だ」などと発言していた。
このときは防衛予算増額についての計画だったが、今度は反戦の声を封じ込め、他国への敵対心を煽る世論誘導の実行に防衛省が動いていても、なんら不思議はないだろう。
しかし、前述の会見で浜田防衛相は、石井氏の追及に気色ばみ、「抗議文を出しているから読んで対応しろ」「(研究は)悪用しない」と言い張ったまま終了。
石井氏に都合の悪い事実を突きつけられ、説明責任から逃げたのだ。
しかも、問題はメディアの姿勢だ。
会見の場で石井氏が明かした内容は極めて重要なものだが、ところが、こうした重要なやりとりを伝えたメディアは、現時点で一社もないのだ。
冒頭で述べたように、防衛問題への及び腰はこれだけでない。
メディアは防衛費増額を既定路線とし、敵基地攻撃能力の保有の現実性のなさなどの問題を検証しようともしない。
こうしたことを考えると、昨年発覚した防衛予算増額のためのインフルエンサー工作によって、すでにメディアにも毒が回っているのかと突っ込みたくもなる。
この防衛省による世論誘導工作問題について、果たしてどこまでしっかり後追い取材や検証ができるのか。
メディアの姿勢がいま問われている。
安倍内閣に劣らぬ岸田内閣最悪さ
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2022/12/post-ae923f.html
日本の根幹がなし崩しで破壊されている。
日本の主権者の見識が問われている。
日本国憲法は戦争放棄・平和主義を定めた。
憲法第9条には次の規定が置かれている。
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
戦争を放棄し、戦力を保持しないことを決めた。
日本が世界に誇る平和憲法の規定。
この憲法がないがしろにされている。
日本政府は憲法の規定に従って、集団的自衛権の行使を認めていなかった。
政府は1972年10月に集団的自衛権についての政府見解を公表している。
「わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」
これが、政府が示した公式見解。
40年以上にわたり、政府見解が維持されてきた。
ところが、これを安倍内閣が2014年に変更した。
憲法解釈は憲法の一部と表現できる。
これを変更するには正規の憲法改正手続きが必要だ。
ところが、安倍内閣は憲法改正手続きを経ずに、内閣の独断で憲法解釈を変えた。
「解釈改憲」である。
安倍晋三氏は「内閣総理大臣は立法府の長」とし、「選挙で勝った内閣は憲法解釈を変えられる」と述べていた。
日本国憲法を理解していなかった。
その安倍晋三氏が憲法解釈を勝手に変えて、憲法違反の法律制定まで強行した。
2015年9月に「戦争法制」を強行制定した。
岸田文雄氏は暴走内閣路線を継承している。
軍事費を激増させ、他国に対する「先制攻撃」を容認する方針を定めた。
言葉だけを「反撃能力」としたが、実態は「先制攻撃」。
「戦争法制」を「安全保障法制」と言い換え、
「働かせ方改悪」を「働き方改革」と言い換えるのと同じ。
言い換え詐欺が多用される。
「反撃能力」は「専守防衛」から完全に外れ、他国に対する日本による先制攻撃を認めるもの。
憲法の規定が有名無実化している。
内閣が憲法を破壊している。
人権、民主主義、平和主義を守る最大で最後の砦が憲法だ。
憲法によって政治権力の暴走を防ぐ「立憲主義」=「法の支配」が破壊されている。
岸田文雄氏は「自由・人権・民主主義・法の支配・市場経済」の「価値観」を共有する国との連携を深めることが重要とするが、内容を理解せず、官僚が用意した原稿を丸暗記しているだけにしか見えない。
すでに日本は軍事支出規模世界第9位にランキングされる軍事大国。
憲法に戦争と武力の行使を放棄し、戦力を保持しないことを明記しているのに、軍事費を激増させ、他国に対する先制攻撃を容認するのは、明らかな憲法違反。
憲法を踏みにじる行為だ。
このような蛮行を日本の主権者は容認するのか。
憲法はあって無きに等しい状態だ。
これまで5年間で27.5兆円だった軍事費を5年間で43兆円にするという。
1年当たりの金額では5.5兆円が8.6兆円になる。
1年当たりで3.1兆円の増額。
10年で31兆円の増額になる。
これを増税で賄うという。
増税をめぐる混乱は筋書き通りのもの。
消費税再増税につなげる財務省の策略だ。
憲法の基本原理を破壊する岸田文雄内閣を一刻も早く終焉させることが必要だ。
日本の主権者が一斉に声を上げるべき局面だ。