きなこのブログ

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軍事的に下火になっても政治的大騒動としてウクライナ戦争は続く

決着ついたが終わらないウクライナ戦争
https://tanakanews.com/230526ukrain.htm

5月20日、ロシアの民兵団(傭兵団)ワグネルと政府軍が、ウクライナ戦争の最後の激戦地といわれたドネツク州のバフムト(アルティモフスク)を陥落(解放)した。 

 

(この街は帝政時代にバフムトと呼ばれ、ソ連がアルティモフスクと改名し、ウクライナの米傀儡・反露政権が2016年にバフムトに戻した。露側はアルティモフスクと呼び続けている。米傀儡・反露の日本ではバフムトと呼ばれている。今は併合されてロシアの一部だからアルティモフスクと呼ぶのが正しいが、私は記事を短くしたいので短い方のバフムトを使う)

 

 

バフムトはドネツク州の交通の要衝で、ウクライナ領だったドネツク州を昨年9月末にロシアが編入した時までウクライナ軍が駐留していた。

 

その後、ロシア軍とワグネルがバフムトを包囲してウクライナ軍を掃討していった。 

 

ウクライナ軍は劣勢で勝てないのに、徴兵したばかりで戦い方を知らない新兵たちと、米欧からもらった武器弾薬を大量につぎ込み続けた。

 

優勢な露軍に狙い撃ちされ続け、ウクライナは常に兵士と武器弾薬車両など戦争の道具が足りない状態に陥った。 

 

 

半年間の激戦で、ウクライナ軍は6万-10万人の戦死者を出した。

 

ウクライナ軍は、他の戦場でも兵士と武器弾薬車両を大量投入して露軍に破壊殺戮され続け、徴兵しても兵力が足りない。

 

徴兵したばかりの兵士を数日間の訓練だけで前線に送り出してどんどん戦死させてきた。

 

支援してきた欧米も、軍事品の在庫が払底してきている。 

 

バフムトの戦闘のほとんどは政府軍でなくワグネルが行った。

 

その指導者プリゴジンによると、224日続いたこの戦闘でのワグネルの戦死者は2万人だった。

 

ウクライナはロシアの3-5倍の戦死者を出している。

 

欧米が大量の兵器を送ってもロシアの優勢は崩れない。

 

 

ドイツの諜報長官が最近、ロシアは昨年来の戦争でほとんど疲弊・不安定化しておらず、この先もずっと戦争を続けられる国力や民意を維持していると認める分析を発表している。

 

ウクライナ軍よりも露軍が甚大な損失を被ったという報道は、米国側の歪曲と、露側の「偽悪戦略」の産物だ。

 


5月24日にはロシアの警察がバフムトに入って機能し始め、治安の安定化や地雷の撤去、瓦礫の片付けなど都市機能の再建が開始された。 

 

ウクライナ国防省「バフムトはまだ陥落していない。戦闘が続いている」と発表し、米国側マスコミがそれを喧伝した。

 

しかし、ゼレンスキーの側近はバフムトの陥落を認めた上で「必ず奪還する」と言っている。

 

 

実のところ、奪還は無理だ。

 

ウクライナ軍は、戦闘技能を持った人の多くが戦死・負傷し、戦争継続が難しくなっている。

 

 

先日は軍の総司令官(Valery Zaluzhny)が負傷して交代が必要になったが、後継の人材がいない状態だ。

 


激戦が続いていた今年3月末、ゼレンスキーは「露側がバフムトを陥落したら、ウクライナ(と米国側諸国)の厭戦機運が高まって戦闘を続けられなくなり、露側と和解せざるを得なくなるかもしれない」と言っていた。 


米政府内でも「バフムトが陥落したらウクライナの勝利が遠のき、米欧による支援継続が難しくなる」と考える傾向が強かった。

 

バフムトは、戦争の勝敗を決める天王山だった。 

 

ウクライナ政府は、バフムトで盛り返す反攻作戦をやるやると言いながら結局やらずに陥落に至った。

 

これでウクライナ戦争は軍事的な決着がついたがある。

 

 

ロシア側でバフムトの戦闘を主に戦っていたのは民兵団のワグネルで、政府軍は補助的な存在だった(ワグネルも諜報や補給は政府軍に依存している)。

 

ワグネルと政府軍の間には、バフムトの戦闘に対して温度差があった。 

 

ワグネルは、できるだけ早く勝ちたいと考えていたが、政府軍を動かすプーチンの露政府は、戦争状態が長引いた方が米覇権の崩壊が加速し、露中や非米側の結束と台頭も進むのでゆっくり勝ちたいと考えてきた。

 


露政府は開戦直後から、わりと楽に勝っているのに苦戦しているふりをしたり、有能なのに無能なふりをする「偽悪戦略」をやってきた。

 

 

ロシアはこの戦略によって優勢な状態で戦争を長びかせ、米欧が「もうすぐロシアを倒せる」と勘違いして頑張りすぎて軍事経済の資源を浪費し、非米諸国が米欧に愛想を尽かして米覇権が崩壊する流れを作ってきた。

 

 

CIAなど米諜報界は隠れ多極派が牛耳っているので、配下のマスコミを動員して、ロシアの偽悪戦略に(わざと)まんまと騙される姿勢をとり続けている。 

米諜報界は、ゼレンスキーのウクライナ政府に「武器弾薬や兵士を、全力で前線に投入し続けろ。武器弾薬や資金が足りなくなったら、欧米政府を加圧恫喝して供出させろ」とけしかけてきた。

 

諜報界の一部である米欧日マスコミは、ウクライナ支援を渋る同盟諸国政府を容赦なく非難し、支援を強要した。

 

欧米がウクライナの前線に送り込んだ大量の武器弾薬は、ウクライナ軍を操る米諜報界(多極派)によって、露軍が簡単に攻撃して破壊できる位置に意図的に置かれ、露側に撃ち込まれる前に多数が露軍によって破壊された。

 


米国の軍事産業はフル操業が続き、軍産複合体とその傀儡議員らは大喜びでウクライナ戦争を全力支持した。

 

露軍は今にも負けそうな演技を続けた。

 

しかし実際は、欧米がいくら武器弾薬を送り込んでも、隠然としたロシアの優勢が続いた。

 

今にも負けそうになっているのは欧米やウクライナの側だった。 

 


プーチンの露政府と露軍は、劣勢のふりをしつつ隠然と優勢で、米国側を自滅させていく偽悪戦略をできるだけ長く続け、米覇権の崩壊と多極化・露中や非米側の台頭を進めたかった。

 

米国の隠れ多極派も、ウクライナ軍に反攻させ、バフムトの戦いの膠着を演出したかった。

 

そこに殴り込んできたのが、資本家のプリゴジンが軍資金を出してロシアの監獄にいる囚人らを集めて作った傭兵団のワグネルだった。

 

ワグネルは、4月末にバフムト市街の95%を占領し、プリゴジン「アルティモフスク(バフムト)はもうすぐ陥落するから、露政府は勝利宣言してウクライナ戦争(特殊作戦)を終わらせるべきだ」と表明した。


だがプーチンら露政府はプリゴジンの要請を無視した。

 

プリゴジンによるとその後、露軍はバフムトでの戦闘を全てやめてしまい、露政府はバフムトのワグネルに弾薬を送らなくなった。

 

バフムトの戦いを膠着させる演技をして戦争状態を長期化したい露政府にとって、ワグネルの活躍はありがた迷惑だった。


プリゴジンは、政府軍の戦闘中止や弾薬不足の放置について公式に不満を表明した。

 

 

露政府は仕方なく弾薬供給を再開し、ワグネルはバフムト市街の最後の5%をウクライナ軍から奪い、5月20日にバフムトを解放(陥落)した。

 

プーチンはバフムトを称賛した。

 

露政府の建前は、できるだけ早くウクライナに勝つことだから、称賛しないわけにいかなかった。


ワグネルと露政府は親密だ。

 

ワグネルはアフリカなどの親露的な諸国に進出してその国の軍隊を助けることもやっており、露軍がやれない非公式な軍事行動を世界的に展開している。

 

露政府はワグネルに感謝し、ワグネルは露政府に忠誠を誓っている。

 

 

全体的にはそうだが、バフムトでの状況は変則的だ。

 

プーチンプリゴジンに裏の戦略を説明して戦線膠着の演技に協力してもらうことはできたはず(米覇権を破壊する偽悪戦略はロシアの国益に沿っている)。

 

しかし、そうならなかった。

 

裏戦略の漏洩を恐れたのかもしれない。

プリゴジンは最近、露政府のやり方に批判的だ。

 

彼は「露政府は、ウクライナを非武装化するために開戦したのに、それは米欧がウクライナに大量の兵器を送って武装を増大させる逆効果を招いた」「露政府はウクライナを非ナチ化(懲悪)するはずだったのに、世界(米傀儡諸国)がウクライナを良い国として支持する結果を招いている」と語っている。

それは、確かにそうだ。

 

しかし、もっと広い観点で見ると逆のものが見えてくる。

 

欧米はウクライナに大量の兵器を送り続け、露軍がそれを破壊し尽くすことで、この戦争はウクライナの背後にいる欧米を兵器不足と財政難に陥らせて「非武装化」している。 

 

欧米の軍事産業は今後5年ぐらいフル稼働しないと開戦前の兵器在庫量に戻せない。

 

これからドルが崩壊していくと、米欧は財政力が低下して軍事産業の長期のフル稼働ができなくなる。

米国側は、この戦争によって兵器の保有量が減って「非武装化」されていく。

 

いずれ米国側は覇権低下でウクライナを支援できなくなり、ウクライナも非武装化される。

 

この戦争は長期的に、ウクライナだけでなく米国側全体を非武装化する。

米国側では「ロシアは追い詰められたら核兵器を使うぞ」と言われている。

 

だが戦争の長期化で実際に追い詰められていくのは米国側だ。

 

ドル建て金融が崩壊し、資源類を握る中露非米側が世界経済の中心になる。 

 

米国は、内戦や社会方向など大混乱になり、特に民主党側が核兵器を使いたがるようになる。

 

トランプや孤立主義の方がましだ。 

欧州は間抜けだ。

 

ドイツは、首都ベルリンの防空システムまでウクライナにあげてしまい、丸腰の状態だ。

 

デンマークは、国民の祝日を減らして経済の稼働日を増やし、税収を増やしてウクライナへの支援金を作った。

 

だがこの資金で買われた戦争道具も、米国の隠れ多極派とプーチンが隠然と結託して進める構図の中で浪費された。 

NATOウクライナパトリオット迎撃ミサイルを送り、キエフの防衛用に配備された。

 

パトリオットが迎撃できる範囲は限られている。

 

また、パトリオットは、レーダーを使って接近する敵のミサイルを探知するが、レーダー波を出すと逆に敵に設置場所を探知されてしまう。

 

この欠点を補う他の防衛システムと組み合わせないと、抜け穴だらけの状態だ。 

NATOパトリオットだけ設置し、他の防衛システムで補強する余裕がない。

 

露軍はパトリオットの設置場所を探知し、5月16日に超音速ミサイルで攻撃した。

 

パトリオットはその一部しか迎撃できず、露側のミサイルがパトリオットのシステムを破壊した。

 

1.6億ドルのシステムが2分で失われた。 

英国はウクライナに、劣化ウラン弾を使う戦車を送った。

 

イラクファルージャなど劣化ウラン弾で破壊された町は、土煙に混じる放射性物質が広範囲に飛散し、地元民に奇形児出生など長期間の健康被害を与えている。

 

露政府やウクライナ人の一部が配備に反対したが無視された。

露政府は「対策を講じるしかない」と反応した。

 

露軍は、英国から届いた劣化ウラン弾ウクライナ西部(Khmelnytsky)の倉庫に保管されていることを突き止めて空爆した。

 

ウランの噴煙が上がり、欧州の方に流れていったという。

 

これは英国の戦争犯罪だ。

 

露軍は正当防衛しただけだ。

次に、プリゴジンが提起した「露政府はウクライナを非ナチ化(懲悪)するはずだったのに、世界(米傀儡諸国)がウクライナを良い国として支持する結果を招いている」という件を考察する。

 

たしかに、ウクライナのネオナチ政権は米国側に支持支援されて温存されている。

 

2014年に米国がマイダン革命を起こして政権転覆した後のウクライナの政権は、今のゼレンスキーに至るまで、ネオナチ系の全体主義である。

 

米国側の政府やマスコミはそれを知りながら無視隠匿してゼレンスキーを称賛し続けている。

しかしこの状態は、新型コロナ対策の超愚策性や、地球温暖化問題の不存在に対する無視隠匿など、マスコミ権威筋が定着させた他の大ウソ群たちと相互作用を起こし、今の米国側の政治体制を全体主義に変質させている。

 

大ウソ群気づいた人々から順番に、全体主義体制によって弾圧抑圧される仕組みになっている。

米国側のこの構図は2度の大戦後から存在していたが、911あたりまでは濃厚でなく、網羅的でもなかった。

 

しかし2016年のトランプ登場、2020年の新型コロナ、2022年のウクライナ開戦と、米国側の全体主義の政治構造がどんどん濃厚・網羅的になった。 

 

大リセットは丸ごと全体主義だ。

 

民主党は、左翼リベラル共産主義者に牛耳られ、これまたひどい全体主義だ(社会主義全体主義は騙し方が違うだけ)。

 

彼らは選挙不正を続ける犯罪組織でもある。 

覚醒運動やジェンダー運動は本質的に、社会を破壊するとても悪質な言動である。

 

参加すべきでない。

 

そのような事実を書いただけで、運動家と軽信者(=無自覚な全体主義者)たちに猛攻撃される。

しだいに多くの人々が、このインチキで極悪な構図に気づくようになり、米国側全体が全体主義であることが露呈していく。

 

気づいた人々抑圧されるが、気づく人が増えると抑圧が乗り越えられ、米国側の体制の全体主義・ネオナチ性の方が露呈し、米覇権の崩壊と重なって、いずれ消失していく。 

 

この戦争は、ウクライナだけでなく世界を「非ナチ化」していく。

中国やロシアなど非米側も全体主義的なところがあるが、非米側は米覇権からの攻撃に対応防御するために全体主義をやっているところがあり、米覇権が崩壊すると非米側も非ナチ化される。

 

米国がいなくなると、日本人も過去の言動をあっさり忘れて中露を敵視しなくなる。

ウクライナ戦争は軍事的にバフムト陥落で一段落した。

 

しかし、政治的な意味でのウクライナ戦争はまだまだ続く。

 

バフムト陥落と同期してゼレンスキーが欧州やサウジアラビアや広島など世界を回り、米国側の諸国はウクライナ支援継続を宣言させられた。 

 

アラブ諸国も5月19日のサミットでゼレンスキーに演説させたが、アラブの対応は冷ややかで、シリアのアサド大統領に対する大歓迎と合わせ、むしろアラブ諸国が対米自立したことを示すものとなった。

米国(諜報界の隠れ多極派)とロシア(プーチン)は(相互作用を感じつつ)別々に、軍事的に終わっているウクライナ戦争を、政治的(プロパガンタ的)にどう継続していくかという策略を考えているはずだ。 

 

策略の試みとおぼしきものがいくつか出てきている。

 

一つは、米国側がF16戦闘機をウクライナに送る話だ。

 

この話は数か月前から出ていたが、これまで消極的だった米政府が最近急に乗り気になって決定した。

F16の送付には、ウクライナ空軍パイロットの訓練を中心に、数か月の時間がかかる。

 

NATOのどの国が保有するF16を送るかも決まっていない。

 

F16がウクライナに配備されるまで「配備されたロシアを潰せるぞ」とか、逆方向の「F16投入で劣勢になるロシアがNATOに反撃して世界大戦になるぞ」といった喧伝・騒動が続けられ、政治的にウクライナ戦争を継続できる。

 

 

実際は、F16が配備されても戦況は変わらない。

 

ウクライナ空軍はF16と似た性能であるSu27の部隊を持っているが、制空権を露軍に握られ続けて劣勢のままだ。 

 

投入されるF16は使用耐用年数がすぎたポンコツなものになる見通しで、F16が初体験のウクライナはうまく整備できない。

 

F16は気まぐれな飛行機で、もともと整備が難しい。

数か月のパイロット訓練では最低限しか教えられない。

 

ソ連製戦闘機の操縦経験がむしろ邪魔になる。

 

飛んだら露軍に簡単に撃墜されて終わる可能性が高い。

 

しかし、それまで1年間ぐらいは戦争状態を維持できる。

5月25日には、ウクライナ軍内のロシア人部隊が国境沿いのロシア側(Belgorod)に潜入して破壊攻撃を行ったことが報じられた。

 

これはウクライナ軍の正式な動きでなく、軍内のロシア人部隊が勝手にやったとされているが、攻撃には米国が送った装甲車が使われた。

ウクライナはこれまで自国内に侵攻してきた露軍と戦ってきた。

 

それが、ウクライナがロシア領内を攻撃する戦争に発展すると、ウクライナを軍事支援している米国NATOが直接ロシアと戦争している「世界大戦」の構図に一歩近づく。

 

そのため米政府はウクライナに対し、露領内への攻撃を禁じてきたが、その禁が「軍内の一部が勝手にやったこと」として(米国の隠然容認を経て)破られていく。

 

実際の攻撃は小規模で、数人の負傷だけにとどまったが、世界大戦への接近という政治的な衝撃は大きい。 

 

この手の攻撃が繰り返されることも、軍事的に終わっている戦争を政治的に長期化する策になる。


軍事的な戦争が下火になっても、政治的な大騒動としてのウクライナ戦争は続く。

 

米政府が和平に賛成しない限り、ゼレンスキーは和平をやれず、政治的な戦争状態の長期化に乗るしかない。 

 

欧日も米傀儡なので和平しない。

 

米国側がいう和平は、ロシアの敗北を前提とした偽善・妄想であり続ける。

 

ゼレンスキーは「ドンバスとクリミアがウクライナに戻るなら和平する」と言い続け、露政府は邦人保護の観点からそれを拒否し続ける。

ウクライナ戦争が続く限り、非米側の結束が進行し、世界の資源類の多くが非米側に帰属するようになる。

 

米国側はドルのバブルがあるだけになり、いずれ金融崩壊して米覇権が消失する。

 

多極型世界が形成され、固定化していく。 

 

EUは分解する。

 

日本は中露と仲良くせざるを得なくなる。

 

マスコミ権威筋は最後までこの流れを認めない。

 

マスコミを軽信しない人から順番に現実を理解していく。