きなこのブログ

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レッセ・フェール(ユダヤ自由放任思想) 4 ~不必要な人間は処分される~

優生学と関係が深い人口削減政策は19世紀のイギリスから始まる 
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202307310000/

アメリカやイギリスの富豪たちは人口を削減するべきだと主張してきた。

 

そうした富豪の中にはマイクロソフトを創設したビル・ゲイツやCNNのテッド・ターナーも含まれる。

その​ビル・ゲイツが音頭を取り、2009年5月、マンハッタンで富豪たちが密かに会合を開いている​。

 

 

集まった場所はロックフェラー大学学長ポール・ナースの自宅だった。

 

参加者にはデビッド・ロックフェラー・ジュニア、ウォーレン・バフェットジョージ・ソロスマイケル・ブルームバーグテッド・ターナーオプラ・ウィンフリーも含まれている。

 

その参加者は「過剰な人口」が優先課題であることに同意した。

テッド・ターナーは会合の前年、2008年の4月にチャーリー・ローズの番組に出演し、そこで人口が問題だと主張している​。

 

 

人が多すぎるから温暖化も起こるのだというのだ。

 

ターナーは1996年に「理想的」な人口を2億2500万人から3億人だと主張したが、2008年にはテンプル大学で20億人に修正している。

ゲイツ人口を削減するべきだとも発言している。​

 

2010年2月に行われたTEDでの講演では、ワクチンの開発、健康管理、医療サービスで人口を10~15%減らせると語っている​。

 

 

「COVID-19ワクチン」で人口は減っているようだが、これは古典的な意味でのワクチンではなく、遺伝子操作薬だ。

そうした思想はトーマス・マルサス人口論から少なからぬ影響を受けているが、実際の人口は等比級数的に増えるどころか減少に転じる兆候が出ている。​

 

2019年に出版されたダレル・ブリッカーとジョン・イビツォンの『Empty Planet(日本語版:2050年 世界人口大減少)』​はその問題をテーマにした著作で、注目された。

https://www.penguinrandomhouse.com/books/545397/empty-planet-by-darrell-bricker-and-john-ibbitson/9781984823212/

 

基本的に同じ結論の論文を​ランセット誌が2020年7月14日に掲載​している。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30677-2/fulltext

 

人口論の背景には優生学が存在している。

 

イギリスでは19世紀にハーバート・スペンサーが適者生存を主張した。

 

彼らによると、競争で強者が生き残ってその才能が開発され、その一方で弱者は駆逐される

 

弱者に無慈悲であればあるほど社会にとっては「優しい」のだという。

 

イギリスの人類学者、フランシス・ゴルトンは「遺伝的価値の高い者を増やし、遺伝的価値の低い者を減らす」ことで社会を改善できると主張していた。



こうした思想はセシル・ローズなどイギリスの支配者グループに影響を与え、そうした思想に基づく運動はアメリカの支配層、例えばカーネギー研究所、ロックフェラー財団、ハリマン家のマリー・ハリマンから支援を受けた。

 

そうした運動に感銘を受け、自国で実践したのがアドルフ・ヒトラーにほかならない。



「自然選択(自然淘汰)説」で有名なチャールズ・ダーウィンはゴルトンの従兄弟。

 

そのダーウィンマルサス人口論レッセ・フェールの影響を受けていたとも言われている。

 

なお、最近の研究によると「自然選択」は進化を引き起こす原因のひとつにすぎないようだが、今でもダーウィンの仮説を信奉している富豪はいる。

 

富豪たちは人間も「選択」されなければならないと考えているのだろうが、新自由主義下でそうした政策が進められた結果、優秀な人間は排除され、強欲な人間が残ることになった。

かつてイギリスではエンクロージャーによって共有地などが私有化され、土地を追われた農民は浮浪者や賃金労働者になった

 

労働者の置かれた劣悪な状況はフリードリヒ・エンゲルスの報告『イギリスにおける労働者階級の状態』やチャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』などでもわかる。

ロンドンのイースト・エンドで労働者の集会に参加したセシル・ローズ「パンを!パンを!」という声を聞く。

 

その状態を放置すれば内乱になると懸念、植民地を建設して移住させなければならないと考えたようだ。

 

つまり、社会問題を解決する最善の方法は帝国主義というわけである。

レーニン著、宇高基輔訳『帝国主義岩波書店、1956年)

帝国主義は侵略によって富を奪うだけでなく、不必要になった人間を処分する手段でもあったのだろう。


 

現在、世界の構造を変えようとしている富豪の代理人的な役割を果たしている人物はWEF(世界経済フォーラム)のクラウス・シュワブ。

 

その顧問を務める​ユバル・ノア・ハラリはAI(人工知能)によって不必要な人間が生み出されるとしている​。

 

 

特に専門化された仕事で人間はAIに勝てず、不必要な人間が街にあふれるというわけだ。

 

そうした人びとを富豪たちが処分しようとしても不思議ではない。

​シュワブは2016年1月、スイスのテレビ番組マイクロチップ化されたデジタルIDについて話している​。

 

 

最終的にはコンピュータ・システムと人間を連結、つまり人間をコンピュータの端末にするというのだが、不必要になった人間は処分されるのだろう。

 

「トランスヒューマニズム」の世界を築こうとしているとも言える。