きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

好戦扇動米国と停戦主導ロシア(と中国とG77)のパレスチナ問題

ガザ地上戦の瀬戸際で
https://tanakanews.com/231022gaza.htm

イスラエルが地上軍をガザに侵攻するかどうか瀬戸際の状態が続いている。

 

イスラエルは、地上侵攻すると言ってから2週間近く挙行していない。

 

数日前に戦車部隊をガザの近くに結集したが、そこで止まっている。

 

 

ガザ停戦を求める声が世界的に強まっている。

 

 

 

 

 

寸止め状態で時間が経つほど、政治状況が米イスラエルに不利になる。

 

病院空爆も、犯人はイスラエルなのに隠蔽工作を試みて失敗していく。


当初は地上侵攻を支持すると言っていた米バイデン政権はその後、侵攻するなと公言し始めている。

 

地上侵攻しない可能性が増している。

 


世界に散らばる米外交官を統括する米国務省では、イスラエルのガザ侵攻を支援・扇動する上司のバイデン陣営への反逆が強まっている。

 

外交官たちは、世界が米国を支持しなくなったことを強く感じている。

 

 

イスラエル自身、ガザに地上軍侵攻したくない感じが強い。

 

ガザに地上侵攻したら、それに合わせてイスラエルの北にあるレバノンヒズボラが侵攻してきて、イスラエルはいきなり南北2つの戦争を抱えて破綻に瀕するからだ。

 


シリア政府軍もヒズボラに加担してイスラエルと戦争になるだろう。

 

ヒズボラとシリア政府はイランの傘下にある。

 

イスラエルハマスと本格戦争すると、連動してイランとシリアとヒズボラという3つの敵がイスラエルとの戦争に入る。


これは、私が以前から書いていた(ずっと外れていた)中東大戦争の構図だ。

 

 

近年、イランやヒズボラが強くなる半面、イスラエルの唯一の後ろ盾である米国は弱くなっている。


10年前なら米イスラエルイラクに対してやったようにイランを完全破壊できたかもしれないが、今は無理だ。

 

中東大戦争になったらイスラエルは米国に見捨てられ破滅だ。

 

イスラエルはガザに地上侵攻できない。


イスラエルがガザに地上侵攻しなければ中東大戦争起きない。

 

だからイスラエル米国に扇動されたものの躊躇し、寸止め状態で侵攻を延期している。

 

ハマスヒズボラとの小競り合いはできるが、本格戦争に突入できない。


イスラエル政府は最近、ガザに地上侵攻してハマスと長い戦争に入ったら、いずれハマスを潰して別のイスラエル傀儡政権をガザに置くが、その後もイスラエルはガザ市民の人権や生活をもう守ってやらないと宣言した。

 


イスラエルはこれまで、ガザへの支援物資の搬入を許し、ガザ市民がイスラエルに出稼ぎして収入を得ることも認めていた。

 

今後はそれらをやめるという。


イスラエルはこのようなとんでもない宣言を発することで、米欧がガザ地上侵攻に反対するように仕向けているのでないか。

 

米欧に反対されれば、それを口実にイスラエルは自滅的な中東大戦争誘発のガザ侵攻をせずにすむ。

 


欧米の政府はイスラエルの言いなりだからガザ侵攻を支持してきたが、ガザ市民の人権を今後ずっと侵害し続けて何も対策しないとイスラエルが言っているのに、欧米が侵攻を支持し続けるのは難しい。


欧米は、イスラエルを支持し続けるほど、信用失墜と国際政治力が低下する。

 

特に米国は、国連安保理でガザ停戦決議案に拒否権を発動したり、イスラエルへの軍事供給を増やしたり、空母を2隻も地中海に派遣したりして好戦性を扇動し、トンデモな感じを増大している。

 

米側マスコミは何も報じないが、今回の件は米国の覇権低下に拍車をかけている。

 

 

 

ハマスは、ガザ北部から数10万人の市民を南部に緊急避難させて「戦場」を用意して、イスラエルを地上侵攻に誘った。

 

市民を避難させたのは、イスラエルをはめる落とし穴作りだった。

 

 

これまでイスラエルが、ガザ市民を南隣のエジプトに追い出して空っぽにする策略として、ガザ北部に侵攻するから南部に避難しろと市民に要求しても、市民の親分であるハマス人間の盾を維持するため避難を許さなかった。


だが、今回ハマスは市民を南部に避難させた。

 

私は最近の有料記事でこの理由について分析したが、今回は追加の理由として、イスラエルをガザ地上侵攻に引き入れて中東大戦争を引き起して自滅させる、もしくは自滅的な中東大戦争になるのでイスラエルがガザ侵攻できない状況に陥れる、というのを考えた。

ハマスはイランの傘下におり、これはイランの戦略だろう。

 

イランが、傘下のハマスヒズボラとシリアを連動させ、イスラエルを自滅的なガザ地上侵攻の直前まで追い込んだ。


隠れ多極主義者に動かされているバイデンの米国も、イスラエルに好戦策を勧めることでハマスやイランと連動している。

 

 

イラン系と米国によって、イスラエルは窮地に陥っている。

イスラエルはこれまで覇権国である米国を牛耳って強くなり、アラブやイランなど敵方に対して圧倒的な優勢を堅持してきた。

 

だが米国は覇権低下したので頼れない。

 

しかも、米国は「支援するので思い切り戦争をやってください」としか言わず、イスラエルを自滅させようとしている。

 

 

 


ウクライナ開戦後、世界は米国側と非米側に強く分裂し、米国側が自滅して非米側が席巻している。

 

サウジやイランは非米側の主要国として認められBRICS加盟する。

 

落ち目の米国にしか頼れないイスラエルは、以前の優勢を失っている。

 

何もしなければヒズボラハマスとの戦争で破綻していく。

ユダヤ人は世界的な諜報界の元祖であり、多極化の動きをよく知っている。

 

多極化を誘発した張本人(=資本家)ともいえる。

 

イスラエルはむざむざと破綻せず、今回の窮地を逆に活かし、自国を米国側から非米側に付け替えていくのでないか。


イスラエルの付け替え策に協力して準備しているのがプーチンのロシアだ。

 

プーチンは、イスラエルやアラブやイランやトルコの首脳たちと個別に話し合いを進めている。

 

ガザ停戦を皮切りに、パレスチナ問題の解決策を検討している。

 


イスラエルとアラブだけでなく、イランが入っているのが重要だ。

 

パレスチナ問題と同時に、シリア(ゴラン高原)やレバノンヒズボラ)とイスラエルの対立も同時に解決しようとしている。(トルコはムスリム同胞団のまとめ役)


イランを敵視するばかりの米国では、この和平仲介をやれない。

 

安保面でイランやシリアを助けてきたロシアにしかやれない役目だ。

 

ユダヤ人はプーチンに感謝し、恩返しにロシアは繁栄を手にしていく。

 


ガザの停戦とパレスチナ問題の解決を求める声が世界的に強まっている。

 

市民運動や「アラブの街頭」だけでなく、各国政府がもう戦争をやめるべきだと言い出している。

 

好戦策ばかりの米国への反感や不信が強まっている。

 

非米側だけでなく、ウクライナ戦争で疲弊した欧州G7諸国もそうだ。


イスラエルは、この声に押されて嫌々ながら、という姿勢をとりつつ、実はとてもやりたいガザの停戦パレスチナ問題の解決、イランとの和解などを了承していく。


これらの策をこれまで妨害してきた入植者集団(多くが米国「帰り」)はかつてネタニヤフのリクードを支配していたが、ガザ開戦後、ネタニヤフは中道野党連合と挙国一致内閣を作り、入植者集団を無力化している。

https://www.moonofalabama.org/2023/10/netanyahoos-strategic-dilema.html


国連などの場でこの問題解決を主導していくのはロシア(と中国)で、そこにサウジやイランが新加盟するBRICS、中露と親しくなったアフリカ諸国、中国主導のG77(国連の途上国77カ国グループ)などが協力する。

 

 

バイデンは完全にお門違いになっており、米国は今後の問題解決から(隠然と)外される。

 

米側マスコミは米国主導での解決だとまたぞろ大ウソを喧伝し、みんなそれを軽信するのだろうが、米国はもう主導役をやれない。

バイデンは先日の演説で「今の世界システムは力尽きており、新しいシステムが必要だ。米国がそれを作る」と述べた。

 

 

この発言の前半だけ見ると、バイデンもようやく米国の覇権喪失を認めたなと意外な感じだ。


だが、後半の「新たな世界システムも米国が作る」という部分は、やっぱり彼が全然わかっておらず間抜けなことが露呈している。


新しい世界システムは米国でなく、中露BRICS・非米側によって着々と構築されている。

 

イスラエルだけでなく、日本も近いうちに非米側への乗り換えが必要になる。

 

あっさり無条件降伏的な中国擦り寄りになりそうでげんなりだが。