きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

第四次中東戦争50周年戦争 2

イスラエル戦争犯罪
https://tanakanews.com/231116israel.htm

11月13日から15日にかけて、イスラエル軍がガザ最大の「シファ病院」などいくつかの病院に突入し占拠した。

 

10月7日にハマスイスラエルを攻撃してガザ戦争が始まった直後から、イスラエル軍(IDF)は、ガザのいくつかの病院がハマスの軍事拠点として使われているとして、シファなど病院群に対して空爆や射撃を繰り返してきた。

病院は戦争時に攻撃してはならない施設として国際法で守られている。

 

だがハマスはそれを逆手に取って病院群の地下や建物内に軍事拠点を作る「人間の盾」作戦をやっており、病院を攻撃するのは国際法違反でないとイスラエルは言っている。

11月13日にIDFがランティシ小児科病院に突入した際は広報担当者(軍人)も同行し、ハマスが武器庫や人質監禁所として使っていた物的証拠(武器の束など)を動画に撮って世界に配信した。

 

だがハマスの要員は病院におらず、物的証拠もIDFが捏造用に持ち込んだものかもしれず、説得力が今ひとつだ。

 

 


IDFは、ハマスが意思決定を行う議事堂として使っていたガザ市内の建物も占領して破壊した。

 

イスラエル政府は、ハマスが司令部として使っていたシファ病院を占拠し、議事堂も破壊したので、これでハマスは組織運営の機能の大半を失って潰れたと宣言した。

これらの動きに対し、ハマスパレスチナを支援する、米欧の左翼リベラルやイスラム世界の市民らは、イスラエルの病院攻撃や市民殺害は明らかに戦争犯罪・人道犯罪であり、国際刑事裁判所などで捜査してイスラエルを懲罰・制裁すべきだと言っている。

左翼リベラルなカナダの首相トルドーは、イスラエルが子供たちを殺していると非難し、イスラエルのネタニヤフと喧嘩になっている。

 

ガザの病院群を支援してきたWHOも、イスラエル戦争犯罪を犯したと非難している。

米政府で外交を担当する国務省では、百人の(リベラル派の)要員たちが、イスラエル戦争犯罪を黙認するバイデン政権戦争犯罪に加担していると内乱的に非難する書簡をマスコミに流している。

 


米国が覇権を行使して人類の善悪観を支配していた以前なら、米国を裏から牛耳るイスラエルがいくら悪いことをしても、それに戦争犯罪のレッテルが貼られることはなかった(極左イスラム過激派の偏向した指摘として扱われてきた)。


だが米国覇権が低下している今は、イスラエル戦争犯罪がしだいに公式に問題にされていく。

 

エスタブやマスコミ、国連などの権威筋がイスラエル戦争犯罪を問題にしていく。

 

イスラエルハマスに対し、軍事的に勝っても、倫理的に惨敗している。

 

これまでハマスはテロリスト扱いされてきただけに、これは画期的なことだ。

表向きの報道では、ハマスがこっそりシファ病院などの地下に司令部を作って運営してきたことを今回初めてイスラエルが探り出して攻撃・突入して潰した感じになっている。

 

だが、実際は全くそうでない。


シファ病院の敷地の地下に広大な地下室群を作ったのは、オスロ合意前の1980年代にガザを直接支配していたイスラエルだった。

 

イスラエルは1983年にパレスチナ人への融和策としてシファ病院を改築し、その時に地下室群も作った。

 


(病院の敷地は1940年代にパレスチナを支配していた英国軍の宿舎として創設され、英国が撤兵する過程で病院に作り替えられ、1950年代からエジプトに移管されていた)


オスロ合意後、ガザの統治はパレスチナ自治政府PA)に移譲され、2007??年にPAが西岸のファタハアッバース政権)とガザのハマスに分裂した後、ハマス支配下になった。

 


イスラエルは時折ハマスやガザ市街を攻撃し続けたので、ハマスは早い時期から人間の盾作戦を採り、イスラエルが作ったシファ病院の地下室群を利用し、そこからトンネル網を経由してガザ市内の他の施設などに行けるように拡充した。


シファ病院には、イスラエルの攻撃で負傷した市民が運ばれてくるので、世界からガザに来ている記者たちが病院に取材に訪れるが、ハマスの幹部らは自分たちを撮影しないこと、ハマスが病院を拠点にしていると報道しないことを条件に、記者たちの取材に応じていた。


ハマスは記者の病院訪問を歓迎し、イスラエルの攻撃で負傷した入院患者たちをどんどん撮影して報道してくれ、俺達を撮らず、患者を撮れとけしかけていた。

https://www.tabletmag.com/sections/news/articles/top-secret-hamas-command-bunker-in-gaza-revealed


ハマスがシファ病院を拠点にしていることは公然の秘密だった。

 

記者たちの中にはユダヤ人も多く、ハマスの病院利用は報道されなくてもイスラエル側に筒抜けだった。

 

イスラエルは、自分たちが作った地下室などシファ病院をハマスが使っていることを知りつつ黙認していた。

 

ハマスイスラエルの黙認を知っていた。


今回の戦争でIDFの地上軍がガザ市街に入り始めた時点で、IDFがシファ病院に突入してくることをハマスは予測し、ハマスが病院を使っていた痕跡を消してトンネル網経由で退避していたはずだ。

 

イスラエルも、ハマスが逃げたことを十分予測できたはすだ。

それなのに、イスラエルは開戦直後からシファなどの病院群を空爆・射撃し続け、入院患者や避難民をたくさん殺す戦争犯罪をわざわざやらかした。


それでハマスが掃討できたのなら少しは合理的だが、ハマスは事前にやすやすと逃げ出しており、ハマスを標的にしたとイスラエルが豪語する病院攻撃は全くの誤爆だった。


イスラエルは、少し考えれば人道犯罪の誤爆回避できたのにそうせず、おまけにハマスを逃して掃討できていないのにハマスを掃討したと宣言している。

 

超間抜けだ。

シファ病院への攻撃だけでなく、議事堂の破壊も同様だ。

 

病院も議事堂も、開戦前の平時(準平時)にハマスが使っていた公式的な施設であり、開戦後の有事に漫然とハマスが居続けるわけがない。

 

病院攻撃や議事堂破壊は、世界人々のイスラエル非難に拍車をかけるだけの間抜けな自滅行為だ。


ハマスはまだ勢力の大半を温存している。

 

イスラエルハマス掃討に成功したと宣言した後、ハマスは再びイスラエルに攻撃を仕掛けてくる。

 

ガザ戦争は長期化する。

 

イスラエルは軍事・倫理の両面で苦戦し続ける。

イスラエルは今回の戦争の開戦時にも、ハマスが攻撃してくることを事前に知り得たはずなのに攻撃を予測しておらず、240人の人質をとられるなど大きな被害を出している。


常時ガザを監視しているイスラエルは、ハマスが攻撃の準備や訓練を重ねているのを察知できる技能を持ちながら見逃し、エジプトの諜報機関がネタニヤフに警告したのに聞き流して無視した。

 


これらの超愚策の連続は、意図的なものなのか??。

 

意図した超愚策なら、何のためなのか??。


意図した超愚策として、米国の覇権自滅策である隠れ多極主義がある。

 

 

米国は、自らの覇権を消失させたいが英国など同盟諸国によってがんじがらめにされているので、ベトナム戦争イラク戦争ウクライナ戦争など、米国側を弱体化させ、露中など非米側を強化する自滅的な隠れ多極主義の策を断続的にやってきた。

ガザ戦争がこの策に関係しているとしたら、米国を牛耳ってきたイスラエルに間違った諜報を注入して自滅に追い込み、イスラエルが米国を見限って露中など非米側に頼る転換をやるよう誘導し、非米側を強化するシナリオが考えられる。


ウクライナ開戦後、米国はロシアが惨敗しているという事実と正反対の諜報を欧州に注入して信じ込むよう強要し、欧州の自滅と露中・非米側の台頭を引き起こす多極化策をやった。

 

 

米国はガザに関して同種のウソ注入をイスラエルにやったのか??。


このシナリオの難点は、イスラエルはガザなど自国周辺の状況について独自の諜報網を持っており、米国からの間違った諜報を信じ込む状況にないことだ。


米国発の諜報でなく、イスラエル諜報界の内部にいる入植者勢力(米国からイスラエルに移住した、親イスラエルのふりをした反イスラエルの勢力)がウソ注入をやったのなら、可能性はある。

 

この場合、イスラエル中枢はネタニヤフvs入植者勢力の激しい暗闘になっている。

もしくは、イスラエルが騙されたのでなく、イスラエル(ネタニヤフ)自身が自国をわざと負けさせる、わざと窮地に追い込む策をやって、自国を米国側から非米側に転換させようとしている可能性。


これは、アルメニアのパシニャン首相がやった策だ。

 

アルメニアイスラエル同様、米国から移住(帰還)してきた入植者勢力がナゴルノカラバフをアゼルバイジャンから奪って戦争し続ける好戦的な拡張主義をやってアルメニア政界を牛耳ってきた。


だが、近年の米覇権の低下によって好戦策の維持が困難になったので、首相になったパシニャンはアゼルバイジャンとの戦争にわざと負け続け、ナゴルノカラバフを放棄してアゼリに返還して和解し、米国からの帰国組の政治力を削いで自国を安定させた。

 


アルメニア人は、ユダヤ人と似た境遇を持つ中東発祥の離散民族だ。

 

在米アルメニア人は1990年代、在米ユダヤ人に入れ知恵されてナゴルノカラバフ占領の好戦策をやり出した。

 

今回は逆に、ユダヤ人(ネタニヤフ)がアルメニア人(パシニャン)の手口を見習って、ハマスにわざと負け続ける策をやっているのかもしれない。

もっと歴史を見ると、イスラエルでもゴルダ・メイア首相が第4次中東戦争でエジプト軍にわざと負け、その後のエジプトとの和解につなげ、自国周辺の状況を安定させている。


今回のガザ戦争の開戦日は、第4次中東戦争の開戦日からちょうど50周年の記念日だった。

 

開戦日を設定したのはハマスだ。

 

ハマスとネタニヤフが密通し、最終的な和平につなげる今回のイスラエルの意図的な敗北策を50周年の記念日にやり出したともいえる。

稚拙な戦争犯罪をわざとやりまくって最終的な和平につなげる、などという策があり得るはずがない、と思う人が多そうだ。

 

戦争犯罪の濡れ衣を丸呑みして本気で信じ込むことしかできない日本人(やドイツ人の、とくに左翼)の頭では、想像もつかないことだろう。


戦争犯罪のイメージを自由に操って敵性諸国に次々と濡れ衣をかけた挙げ句、最後は自国を戦争犯罪の構図にはめ込んで和平策として使う。

 

ユダヤ人はすごい。

 

こっそりネタニヤフを応援したい。

 

皆さんは私を妄想屋として扱うぐらいが良いです。(笑)