きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

終わるパクス・アメリカーナ 1

【3124】 当面は、1ドル=120円台まで円高になるだろう。それを支える大きな構図。
https://snsi.jp/bbs/page-1/

私は、4月27日の新(しん)神戸での講演会のあと、京都に行って、大(だい)作家の谷崎潤一郎の墓を見て来た。

 

銀閣寺の南隣の、法然院(ほうねんいん)という観光客を全く相手にしない静かな寺の墓地の一番、上(奥)にあった。

 

ひっそりと苔(こけ)むしていた。

 

谷崎の墓碑(ぼひ)に、ただ「寂(じゃく)」とだけ書いてあった。


 

隣りの重子(しげこ)夫婦の墓の「寥(りょう)」の字と合わせて、「寂寥(せきりょう)」となる。

 

 

この侘(わび)しさ、と寂(さび)しさが、京大阪の豪商たち(武士ではない)と、禅宗天台宗(てんだいじゅう)比叡山の僧侶たちが突き詰めた思想だ。

 

そうか、京都には、これしか無いのだ、と私は、分かった。

 

谷崎は、突き詰めたら、京大阪の思想は「寂寥(せきりょう)」なのだと分かったのだ。

 

谷崎は東京に戻る気はなかった。

突き詰めた思想である 「見渡せば、花も紅葉も無かりけり」(定家、ていか)の歌は、その奥 は、「神も仏もなかりけり」で、何もない、の思想だ。

 

これが日本の思想だ、と。 

 

京大阪の豪商たちが、「侘(わび)、寂(さび)」に行き着いて、入れ上げたのも分かる。

 

他にない。

 

この「寂び」から、寂(さび)しい、淋(さみ)しいが出て来た。 

人間は、皆、ひとりっきりになって、さみしいのである。 

 

男の場合は、あんまり「僕はさびしい」と言ってはいけないことになっている。 

 

だが、あの宮沢博行自民党安倍派、防衛副大臣を辞めた。まだ50歳ぐらい)が、28歳の女性と付き合っていたことがバレて(安倍派内からの復讐だ。宮沢が、私が、安倍派を介錯(かいしゃく)する、と言ったものだから)、さっさと宮沢は議員辞職した。

宮沢は偉い。

 

でも自分が介錯(首切り、自裁されてしまった。

 

あの時に宮澤は、「さみしかったんです。出来心です」と言った。

 

他に言葉がない。

 

おそらくどんな人にも、日本人ならこの二言(ふたこと)しかない。

 

私は静かに分かった。 

 

 

それで。気分を変えて。えへん。

 

4月29日から、日本政府(大蔵省と日銀)が、1ドル=160円を機会に、一気に「円安阻止介入」に出て、5日には、1ドル=151円まで円高(えんだか)になった。

 

それで世の中は騒いでいる。 

 

 

日本政府の金融官僚たちは、一致団結して、「なにくそ。NYの投機筋(博奕打ちたち)どもめ(その裏にアメリカ政府がいる)。日本国を舐(な)めているのか」で、5兆円規模の介入(円買い、ドル売り)を連続3回、世界中の 外国為替市場で、やった。

 

もっとやるだろう。

私、副島隆彦の予測は、日本政府は、当面、今年は、1ドル=120円台に戻す、だ。

それ以上の事ではない。

なぜ、120円/ドルなのか、と言うと、50年間の長期のドル円の為替のグラフを見たら、一目瞭然だ。


なぜなら、この120円前後、というのは、1980年代からの、日本の為替水準の 定型(ていけい)であって、この1ドル=120円を基準として上下に10円ずつ動いていい、というのは、欧米(G7)との密約なのだ。


秘密の合意事項 が有る。

 

だから、120円前後なのである。

私は、為替の動きで、右往左往している、FX(エフ・エックス)取引、をやっているような、簡易な博奕打ちたちとは付き合いたくない。

 

このFX取引というのは、外国為替証拠金(しょうこきん)取引、と言って、馬鹿みたいに簡単なバクチだ。

 

パチンコや競輪、競馬を半分本業にしているような者たちが、やっている。

 

そして、CFD(キャッシュ・フォー・ディファーレンス)と言って、差金(さきん)決済というが、勝ち負けの資金の動かし方を、その日のうちに終わらせるような単純ギャンブルだ。

 

投資倍率(レヴァレッジ)が25倍とかできるから、100万円で2500万円の取引が出来る。

 

ドル円の値動きが激しいときは、それなりに大きな儲けになる。

 

生来のバクチ好きだけが嵌(はま)る取引だ。

 

普通の人は近寄らない。

日本政府には、今以上の、世界の金融を動かす力はない。

 

アメリカからの厳しい監視を、何とか逃れて、少しずつ新しい世界勢力(すなわち、「貧乏大国同盟」グローバル・サウス)の方へ擦(す)り寄って行く、という動きになる。

それしかない。

 

 

今の日本政府の「円安阻止のための介入」の動きで、一番大事なのは、今から12日前の、以下の日経の記事だ。

「円買い介入の上限どこまで 鈴木財務相「(日本政府は)米国債を売却できる」2024年4月22日  日経新聞 である。

 

 

(重要な日経の記事。転載貼り付け始め)
〇 「円買い介入の上限どこまで 鈴木財務相米国債を売却できる」 」 
広瀬洋平記者  2024年4月22日   日経新聞 

「米国との関係で売却できないということはない」。

円買い・ドル売りの為替介入の原資として米国債を売却し、ドルに換金するのは難しいのではないか。

鈴木俊一財務相は12日の衆院財務金融委員会で問われると、こう言明した。
市場では政府・日銀が22年10月以来の円買い介入に動くとの警戒感がくすぶる。

好調な米景気を背景に米金利の先高観が強まり、対ドルの円相場は下落が続く。

足元では1ドル=154円台と34年ぶりの円安水準にある。
円買い介入に踏み切る際は、ドルを売る元手として「外貨準備」を充てる。

政府と日銀が保有する預金などの外貨建ての資産だ。

財務省によると3月末時点での日本の外貨準備の残高は1兆2906億ドル(およそ199兆円)ある。
実際に介入に動く場合は、まずは総額の1割を占める預金を使うとみられてきた。

7割以上を占める証券の多くは米国債とされる。

売却してドルに換金すれば介入に使えるものの、利回り上昇圧力となるため米国の理解を得にくいとの見方があったからだ。
ただ政府と日銀が22年秋に9兆円超の円買い介入を実施した際は、米国債を売却したようだ。

直後の外貨準備は証券が減り、預金残高はほぼ動かなかった。

財務省の神田真人財務官は当時、原資は「無限にある」と市場をけん制したこともある。
介入規模は天井知らずなのか。

BofA証券の山田修輔氏は「国内総生産GDP)の2%が上限になる」とみる。
一般的に米財務省は、相手国が自国貿易に有利な通貨安方向への為替操作をしていないかを分析している。

その基準の一つに「過去1年のうち8カ月以上の介入かつ総額がGDP比2%以上か」がある。
直近の22年秋の介入は円買いだったが、山田氏はそれがこの範囲に収まる規模だったとして「通貨高誘導の介入だとしても、当局は意識する」とみる。

いまのGDP比2%は12兆円ほどになる。
仮にこの水準が上限だったとしても、財務省はそう受け止められないメッセージを発信する可能性が高い。

介入はタイミングや規模を見透かされればされるほど効果が薄まるからだ。

ある財務省の幹部も「2%なんて意識したことはない」と強調する。
鈴木氏の発言も額面通りには受け取れない。

今はわずかな米国債の売却でもインフレ退治に苦しむ米国を刺激しかねないのは事実だ。

市場を疑心暗鬼にさせる戦略とも解釈できるが、通貨政策の戦略の要諦は「言わぬが花」なのかもしれない。

(転載貼り付け終わり)

 

ここで、鈴木俊一財務大臣が、はっきりと、「日本は、米国債(までも。ドル預金だけでなく)を売却できるのだ」と言っている。

 

日本の外為特会(がいためとっかい)=外貨準備高(がいかじゅんびだか)に積み上がっている、1300億ドル(200兆円)の8割以上を占める米国債までも、日本は売ろうと思えば売れるのだ。

 

そのように 大蔵省(私は、もう日本財務省というコトバがいやになった。大蔵省と書く。1999年まで使われていた大蔵省に戻せ。アメリカが大蔵省というコトバを潰したんだ。)と日銀の官僚たちは、腹の底からアメリカに怒っている。

この1300億ドル(200兆円)は、最後に載せる、日経の4月12日の記事の最後に書いてある。

 

財務省によると(2024年)3月末時点での日本の外貨準備の残高は1兆2906億ドル(およそ199兆円)」と。

そして、この外為特会の米国債のほかに、もっと膨大の米国債を、日米の裏帳簿(うらちょうぼ)で買わされている。

 

ほとんどは、100年物の米国債だ。

 

それでアメリカにこの40年間、貢ぎ続けている。

 

その金額は・・・・だ。

 

あまりにも膨大なので、今でも、誰も信じてくれない。

 

私、副島隆彦の本にだけ、この金額は書かれている。
*16兆ドル(1800兆円)
 

この数年だけでも、どれぐらいたくさんの、日本エリート官僚たちが、「それは出来ません。そんな法律は日本にはありません」と、アメリカ政府に逆らって、近年だけでも殺されたことか。

 

大蔵・日銀だけで吐く、外務省も、総務省も死んでいる。

 

ほとんどは、過労が原因の病気で死んだことにされているが。

この日経の記事の「日本は、手持ちの大量の米国債までも売ることができるのだ」が重要。

 

この記事は、私のこの文の最後に載せる。

4月29日(月。日本は祝日)からの世界中の為替市場での日本政府の「ドル売りによるこれ以上の円安を食い止める介入(インターヴェンション)」について、この記事を無視して、あれこれ語ることは出来ない。

日本政府は、これからも(2022年10月に一度やったときは米国債を売った)ガンガン、保有する大量の(膨大な)米国債を世界の主要国の為替市場で、売ればいいのだ。 

 

140兆円分(1000億ドル)売れ、280兆円分(2000億ドル)売れ、いくらでも持っているゾ。

今こそ、アメリカのドル(すなわち米国債を、無限に発行している)支配体制を、打ち壊せ。

 

日本が最先頭となって。

 

そうすれば、1ドル=100円を軽く越えて、80円、60円、40円と、円高になって行く。

 

と、私、副島隆彦は書きたいが、そんなことを、日本が出来る訳(わけ)がないのだ。

 

これから、私が書くことを、皆、しっかり読みなさい。

そうすれば、サウジや他の貧乏大国のブラジル、インドたちが、日本に拍手喝采(はくしゅかっさい)してくれる。

 

アメリカと大きく睨(にら)み合っている大国のロシアと中国も黙って喜んで、日本を見直す。

だが、そんなことが日本に出来るわけがない。

 

おととい、私は、ここまで書いて不愉快になってやめた。 

 

そうしたら、昨日(5月5日)、私の読者から、次のような質問と情報提供が有った。

(転載貼り付け始め)

****さまへ  副島隆彦から
以下の貴兄からの 貴重な 情報をありがとうございます。
「サウジ金塊(きんかい)引き出し要求 【本文】 いつも、学問道場拝見しています。中国のウィチャットを見ると、サウジや中東各国とアフリカ主要国がアメリカに金塊の引き出しを要求しているとの報道があります。ドルの信用失墜が進んでいるのですか?」
副島隆彦です。そのとおりです。

私は、中国の SNSである、ウイチャット(トニー・マーのウイチャットペイの トウイッター機能ですね)を知りません。中国語も読めませんので。**さんは、中国文を読めるのですか。この情報は貴重なので、皆に知らせないといけません。もうすこし詳しくこれらのネット上の会話のやりとりの文 を、私に教えてください。

サウジたち 新興国(貧乏大国の同盟)が、IMF=世銀体制(ブレトンウッズ体制)の条約の条文どおりに、「我が国が保有する、この大量の米ドルを、金(きん)の地金(じがね)に変えてくれ、アメリカ政府よ」と要求するのは、自然です。 
今の金ドル体制は、1971年8月の「ニクソン・ドル・ショック」で大きくぐらついた。

アメリカ政府が、金とドルの兌換(だかん)を政府間で、停止したからだ。

その原因は、英と仏の財務省が、「うちに溜まっている、この大量の米ドルを約束どおり、金(きん)に換えてくれ」と要求したからだ。

アメリカ政府は、「それでは出来ません」と断った。

それがドル・ショックだ。

これが、もうすぐ起きる、ということだ。
今度は、その役目を、サウジや中東産油国と、インドやブラジルの貧乏大国たちがやる、ということだ。それが上記の「手持ちのドルを金塊に換えてくれ」の要求だ。 同じことが今、起きている。

もっと古くは、その40年前の1931年に、イギリス銀行(バンク・オブ・イングランド BOE)に対して、アメリ財務省が、「これらのポンド紙幣を、金に換えてください」とお願いした時に、イギリス銀行はそれが出来なかった。

もう新興国アメリカの方が実体の経済力でイギリスをはるかに追い抜いていた。

だから、この1931年に、正式に金ポンド体制が、壊れた。

その時までの大英帝国を中心とする世界通貨体制が終焉(しゅうえん)した。

これで、今、何が起きているか、皆さんの頭(知能)でも、分かるでしょう。

アメリカさまに、脳の芯(しん)の部分から、やれているいる(洗脳されている)者たちを除いて。

本当にあと少しで、おそらく今年の10月の、ロシアのエカテリンブルグでの BRICS首脳会議で、新(しん)世界通貨BRICS通貨。 ただし政府間だけ。その他にBRICSボンド(債券)を発行する。これは世界中の金持ちが買う)が出来ることが、受け皿になるでしょう。 中国は、自分が先に手を出して、米国債を売ることをしません。

このことを嫌がっている。

中国が NYの債券市場で、米国債を、たとえば、1000億ドル(7000億元、14兆円分)も売れば、現在の世界ドル体制は、一気にガラガラと崩れます。
これを、“金融核(かく)爆弾である”と、私はずっと呼んでいる。

それを怖れて、つい先週も、イエレンと、ブリンケンが必死で、北京まで行って、「もし、中国がこれをやるなら、アメリカとしては、中国を SWIFT(スウイフト)から締め出す」と脅している。 

この手は、ロシアに対して、2022年2月24日ウクライナ侵攻の日)に実施した。

これと同じ手だ。

あの時、英米のワルたちは、世界中の中央銀行に預けてあったロシア政府のドル預金を、強制的に差し押さえた(forefeiture  フォーフィチュア) した。 

日本では、あのマイケル・グリーンが米大使館職員を引き連れて、日銀に乗り込んで、大声で「そのロシア政府の外貨預金、5兆円をアメリカに渡しなさい」と喚(わめ)いた。

日本の官僚たちが、「そんな法律は有りません。日本はロシアと戦争していません。敵性国の資産没収の法律は、今の日本にはありません」と抵抗した。 

こういう闘いだ。
 

習近平は、困った顔をして、不愉快そうに、「バカだなあ、お前たちは。今、中国が、お前たちを追い詰めたら、お前たちは、何をするか分からない(核を撃つかも)。だから、中国からは先に手を出さないよ」という返事をしているはずです。 

「でも、どうせ、他の 新興国(貧乏大国の同盟たち。70カ国ぐらい)が、もう黙っていないだろうな」という顔を、習近平はしている。 

取り敢えず、以上です。 

貴重な情報をありがとうございます。

(転載貼り付け終わり)

今、世界はこのようになっている。

 

だが、私がいくら書いても、皆、(少数の私の熱心な読者たち以外は)分かろうとしない。

 

世界は今も「強いアメリカ、強いドル」で動いている、と信じて疑わない。

私は、毎日、不愉快になって、「ほらみろ、バーカ、アメリカと デープステイトども」と呪詛(じょそ)しています。

が、なかなか、一冊の本にしようとしない。

何故なのか、自分でもわかりません。 

日本国内の大量の馬鹿たちアメリカの手先ども。一緒にアメリカと心中しろ)を、私は、もうこれ以上、説得する気が無くなっている。  

 

編集長だけが、「早く本を書いてよ」と、せっつく。

 

これがまた本当にイヤだ。 

 

これが私の日常だ。

 

「日本では、唯一、私が、正確に世界を解釈、説明している」という自負から出て来る、不愉快さだ。

 

他に言いようがない。 

来年でWWⅡ(第2次世界大戦)終結(日本は敗戦)からの戦後80年の周期の終わりとなる。

 

そして次の新しい新世界体制ニュー・ワールド・オーダー)が始まる。

 

世界民衆に夢と希望を持たせるために、「新しい世界が始まる」とだけ書いてもいいのだが、そういう訳(わけ)にも行かない。

 

冷酷で厳しい世界の新体制が始まる。

それは、新(しん)通貨体制でもある。

今のアメリカが世界の一極支配体制パクス・アメリカーナアメリカの力による世界秩序)である時代が終わる

いいことだ。

実に良いことだ。 


副島隆彦が、この5年間(5年前からの私の金融本で)書き続けただろ。

「2024年に、世界の金融経済が変わる。アメリカのドルによる支配(ドル覇権)が終わる」と。

今頃になって、「ああ、そうか。やっぱり、副島隆彦が、2024年にアメリカで大きな金融危機が起きて、アメリカが没落する、の予測のとおりだったんだ」と、分かる人たちがどんどん増えている。

 

だが、これを書くと、私が、威張りん坊の、自己満悦(まんえつ)の人間になるから、あまり書きたくない。

 

だから次の本のすぐには書きたくない。

 

「私が言った(書いた)とおだろ」と、何十回も言うと嫌(いや)がられるのだ。

 

それでは私は、どうしたらいいのだ。

今年の3月からの、金(きん、ゴールド)の地金(じがね、インゴット)の価格の大上昇があった。

 

金は、今、ドル建てて 1 オ(ウ)ンス = 2,300ドルだ。

 

日本国内では、卸(おろし)で、1グラム=11500円。

 

小売りなら、12,600円だ。

 

もう少し下がるの私は期待しているのだが、下がらない。

 

「下がったら、(そこが買い場だから)買いなさい。今からでも間に合いますよ 」と言っているのだが。

 

だからまだまだ、金(きん)を買いなさい。 

 

レバレッジという魔法

日本の個人資産2000兆円を奪うNISA 2