きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

統一教会に支配される日本

曽野綾子渡部昇一:日本を駄目にする #安倍晋三 支持派のカトリック保守派言論人の周辺
http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/

 

 

笹川良一系の日本財団元理事長曽野綾子産經新聞のコラムの中で、南アフリカアパルトヘイトを賞賛するかのような内容のコラムを寄稿し、産經新聞がこれを載せたことが国際問題になってきている。
 
本日、とうとうNHKも報道した。
 
(貼り付け開始)
 
曾野綾子さんのコラム 南ア大使が抗議
2月15日 13時06分
 
産経新聞が、作家の曾野綾子さんが寄稿した、南アフリカを例に、人種ごとに居住区を分けるほうがよいという内容のコラムを掲載したことについて、南アフリカ大使が、 人種隔離政策「アパルトヘイト」を許容するものだとする抗議文を産経新聞に送っていたことが分かりました。
 
産経新聞の今月11日の朝刊に掲載されたコラムで、曾野綾子さんは、介護の分野などの労働力不足を補うため移民の受け入れは避けられないとしたうえで、 アパルトヘイトが撤廃されたあとの南アフリカ共和国を例に、「居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住むほうがいいと思うようになった」と述べています。
 
産経新聞によりますと、このコラムに対し、南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使から14日までに、「アパルトヘイトを許容し、美化した。行きすぎた、恥ずべき提案」としたうえで、 「肌の色やほかの基準によって他者を差別してはならない」などとする抗議文が届いたということです。
 
これについて産経新聞はホームページなどに、「当該記事は曾野綾子氏の常設コラムで、曾野氏ご本人の意見として掲載しました。コラムについてさまざまなご意見があるのは当然のことと考えております。
 
産経新聞は、一貫してアパルトヘイトはもとより人種差別などあらゆる差別は許されるものではないとの考えです」とするコメントを掲載しました。
 
また曾野綾子さんの「私は文章の中でアパルトヘイト政策を日本で行うよう提唱してなどいません。生活習慣の違う人間が一緒に住むことは難しいという、個人の経験を書いているだけです」というコメントも掲載しています。
 
 
(貼り付け終わり)
 
住み分けが必要であることをわざわざ南アフリカの例を引き合いに出して論じているのも問題だが、その上でなおも移民政策を推進せよという提言である。
 
これはあまりにも無責任な発言だ。
 
このコラムは産經新聞の編集部の段階で掲載を見送るか、曽野に申し入れて表現を訂正すべきだっただろう。
 
曽野にしてみれば、いつもの「偽悪者」ぶりを発揮したということのようだが、この問題は英国系メディアのロイターが素早く配信しているのが気になる。
 
 
この問題は日本の外交にさらに悪影響を与える要因になる。
 
これは政治的に正しくない発言であり、これを安倍晋三の知人である曽野が行ったということ、さらにそれを安倍晋三お気に入りのメディアである産経が不用意に載せてしまったことが、大きな意味をもつ。
 
本来は安倍晋三の応援団のはずの保守系メディアが派手なオウンゴールを放ったということである。
 
まず南アフリカの住み分け=アパルトヘイトとつながるのは想像できることで、このことで安倍政権の南アフリカ政策に一つ大きな不安定要因が加わることになる。
 
これは中国に対向するという意味でも大きなマイナスだ。
 
中国は南アを含めたBRICSの盟主である。中国にうまく利用されそうだ。
 
さらにアパルトヘイトというのは現在の問題としては、南アフリカではなく、パレスチナガザ地区イスラエルの入植政策と大きく関わっている。
 
イスラエルの政策は「現代のアパルトヘイト」と呼ばれ、ニューヨーク・タイムズなどの欧米メディアでもイスラエルと組む企業のボイコット運動が大きく報じられているのである。
 
安倍政権は先のイスラエル訪問で、ガザへの入植政策は批判したが、同時にパレスチナ国際刑事裁判所(ICC)加入の動きについては批判している。
 
これではイスラエル国際法違反の虐殺をハマスの違法行為と同時に国際法廷でさばくということができないわけで、安倍政権の姿勢は一見、イスラエルを批判しているように見えて、イスラエルとしては歓迎すべき内容なのである。
 
前に書いた記事でも私が述べたように、安倍首相の今回の中東歴訪は大きく日本のイスラエルロビーによって大きく仕組まれた可能性がある。
 
イスラエル有効議連の中山泰秀を人質事件の現地対策本部長にしたことも含めて裏に大きな動きがあるだろう。
 
外務副大臣には人質事件の対処経験のある城内実もおり、城内の方が中山よりも適任であったというのは外交通の認めるところだ。
 
その中山を今度は今月18日のワシントンでのテロ対策国際会議に派遣するという。
 
産經新聞が今朝の一面で報じたところでは、この会議で中山外務副大臣は、イスラム国対策で17億円を追加支援するというが、「テロ対処能力の向上」に当てられるというこの17億円のODAは果たして本当に安倍晋三の言う「非軍事支援」なのであろうか。
 
 
イスラエルは3月の総選挙に向けて各国の首脳を巻き込んで政治利用する動きに出ており、中山泰秀を重視する政治判断も安倍政権がこの流れに巻き込まれているということである。
 
さて、曽野綾子の問題については官邸記者会見でもロイターの記者が話題にしている。
 
問題の記事は2月11日の産經新聞に掲載されたものだが、菅義偉官房長官は曽野が教育再生会議のメンバーだったのは過去のことだとし、「一昨年の十一月に教育再生会議をやめておられる方ですから、曽野さんのことにについてはコメントするは控えたい」として、火消しに入っている。
 
ただ、曽野綾子安倍晋三の関係は深いだろう。
 
過去の安倍晋三曽野綾子の発言をいろいろ調べてみるといいだろう。
 
同時に曽野はコラムで介護従事者のしごとを軽んじるような発言をしている。
 
この点については野党は安倍首相の考えが曽野と違うのかどうか、国会でただした方がいい。
 
介護従事者の報酬が低いなどの問題は国会で処遇改善法案を出すなどの議員立法提案も考えられるだろう。
 
ところで、曽野綾子のコラムについては、産経とよく似た主張をするが、実は発行母体は統一教会であるという「世界日報が擁護するコラムを掲載しているのが注目される。
 
世界日報といえば、かつては曽野と並び、産経の「正論」系言論人であるイエズス会渡部昇一上智大学名誉教授が愛読していると公言し、広告塔をやっていた新聞である。
 
過去の渡部と統一教会の関係は深く、1985年6月のカウサ(CAUSA。アメリカ社会統一協会連合)第三回日本会議に出席、さらに、1985年8月5日の東京勝共講師団結成集会では基調講演を行っているという。
 
統一教会の政治部門が国際勝共連合という反共主義を掲げている団体であり、こことカトリック言論人の渡部は思想で共鳴したのかもしれない。
 
渡部の活動していた文藝春秋の『諸君!』というのも要するに岩波の『世界』のような共産主義擁護の雑誌のカウンターとして産經新聞と同じように日本の財界が米国の支援を受けて刊行したものであり、そこには当時の国際情勢が深く根を下ろしている。
 
統一教会勝共連合のメンバーである久保木修己の著作美しい国 日本の使命―久保木修己遺稿集)安倍晋三の『美しい国』というスローガンに影響を与えていることは一目瞭然である。
 
この久保木は、元日本統一教会会長であるといい、自らの著作の中で「そのころ、統一教会の本部は渋谷区南平台にあって、実は岸先生のお宅の隣でした。それで太田郁恵さんがその教祖の紹介もあって、岸先生宅に通うようになりました」と書いているのである。
 
 
岸信介笹川良一勝共連合の関わりは有名な話であり、日本の初代会長は「統一教会」の会長でもあった久保木修己
 
名誉会長は笹川良一だったわけであるから、統一教会は「反共」を軸に日本の保守政界ロビー工作をしていたわけである。
 
しかし、不思議なことに統一教会の教義では、日本は賞賛する対象ではなく「サタン」として位置づけられているのだという。
 
共産主義である中国がサタンであるのはわかるのだがなぜ日本もそのような低い位置づけなのか。
 
この点について「朝日ジャーナル」に寄稿した鈴木邦男氏の文章がある。
 
これによるとこういう説明だ。
 
(貼り付け開始)
 
反共は方便、実際は共産主義
 
エスが再臨する「東方の国」は韓国であり、韓国語が祖国語となって世界は一つになるという。
 
なぜ、「東方の国」が韓国かというと、中国は共産化したからサタン側の国であり、日本は「代々、天照大神を崇拝してきた国として、さらに、全体主義国家として、…・
 
韓国のキリスト教を迫害した国」だから、これも「サタン側の国家」だという。
 
また、「第二次世界大戦は、民主主義によって結託した米、英、仏の天の側国家と、全体主義によって結託した独、日、伊のサタン側国家との対戦であった」という。
 
これは、『原理講論』にかいてある通りである。
 
そして、韓民族がいかに「サタン」の日本によって、侵略され、迫害されてきたかがこれでもか、これでもかと書かれている。
 
『文春』の告発レポートでは、さらに驚くべき事実が書かれている。
 
韓民族が選民であり、他民族に優越しており、再臨主とは、すなわち文鮮明氏のことであり、文氏によって世界は統一され、必然的に韓国は世界の中心となり、韓国語が世界の共通語となる。
 
 
(貼り付け終わり)
 
要するに統一教会の教義は一種の韓民族の「ハン(恨)」の思想に裏付けられているということなのか。
 
日本の保守政界に浸透することで、日本に復讐し、悔い改めさせるという狙いがあったのかもしれない。
 
そう考えていくと、安倍政権の周辺にいる勝共連合にちかい人々が、ことさらに歴史修正主義的な発言をして日本の保守派におもねり、一方で世界における日本の国際的地位を低めているという活動の意味が見えてくるのではないか。
 
この中でイエズス会の渡部、カトリックの曽野の関係者である笹川良一のような日本原理主義者に浸透していくという戦術は実にしたたかであった。
 
その毒がいま、安倍政権の外交政策の失敗という形で露呈しているのではないか、そのようにすら思ってしまうのである。
 
そういえば、日本をコントロールする米シンクタンクである戦略国際問題研究所CSIS)ももともとはイエズス会によって設立されたものである。
 
元々はイエズス会神父、エドマンド・アロイシウス・ウォルシュ、1885年10月10日 - 1956年10月31日)によって、1919年にジョージタウン大学内に、「エドマンド A. ウォルシュ外交学院」として創設された、ということは知っておいたほうがいいだろう。
 
イエズス会といえば「ダ・ヴィンチ・コード」に登場した、オプス・デイなどの裏の政治ネットワークもある。
 
CSISと現在、笹川平和財団は深く結びついている。
 
安倍首相は5月頭に訪米するという。
 
こんなことでは、日米共同の戦後70年決議の構想が進んでいるというが、それを米国に受け入れてもらうために、いろいろな譲歩を求められるだろう。
 
実に頭の痛い話である。
 
 
悪い事は言わない。産経と曽野綾子氏は即刻、全面謝罪すべきだ
http://www.amakiblog.com/archives/2015/02/15/#003138
 
私は見落としていたのだが、作家の曽野綾子氏が2月11日の産経新聞紙上に掲載された自らの連載コラム「曽野綾子の透明な歳月の光」の中で、次のような事を書いていたらしい。
 
すなわち、「労働力不足と移民」というテーマの意見の中で、介護の労働移民について条件付きで容認した上で、南アフリカで人種差別が廃止されても生活慣習の違いから分かれて住むようになった例を挙げて「住まいは別にした方がいい」と書いたというのだ。
 
これまずい。
 
外務省でアパルトヘイト問題を担当していた者として直感的にそう思う。
 
「分離しても平等であれば文句はないだろう」というのは、アパルトヘイト論者の常套句であり、その考え自体がアパルトヘイトの根幹をなすものとして、当時大いに批判された。
 
南ア大使がこの記事を掲載した産経新聞に直ちに抗議したのは当然すぎる。
 
もし、産経新聞曽野綾子氏が全面的に非を認め誠意ある謝罪をすれば、この問題はこれ以上発展せずに終わるだろう。
 
しかし、産経新聞は、きょう2月15日の紙面で、これは曽野綾子氏の個人の意見を載せただけだ、コラムについて様々意見があるのは当然だ、と逃げている。
 
曽野綾子に至っては、私はアパルトヘイト政策を日本で提唱してなどいません、生活習慣の違う人間が一緒に住む事は難しい、という個人の経験を書いているだけです、と開き直っている。
 
愚かで危うい。
 
もし、これらの言い訳がさらなる議論を呼び、アフリカ諸国の大使がこの抗議に参加し、あるいは在日特派員の誰かがこの問題を海外に配信し、ひろく世界が知る事になると、大問題に発展するだろう。
 
おりしも米国で黒人差別が大問題となっている。
 
世界は差別とそれに反対する者たちの争いの応酬となっている。
 
産経新聞は韓国大統領に対する名誉棄損記事で、いまでも韓国政府に訴えられている。
 
この問題は、最悪の場合は安倍政権批判につながっていく。
 
悪い事は言わない。
 
産経新聞曽野綾子氏は、即刻、全面的に非を認めて誠意ある謝罪を行うべきだ。
 
最悪の政権の下で、最悪のタイミングで、最悪の失言、暴言がなされ、それを最悪のメディアが掲載した。
 
そう言われないように、これ以上、この問題が騒がれないことを願うばかりである
 
(了)