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大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

日本政界とアメリカ政界の統一教会 1-3

文鮮明地位族の偶像崇拝(idolatry)は、一般信者の経験とは対照的である。

 

攻撃的な資金集めは日本で最も深刻であるが、山上徹也の貧しい子供時代と似たような話は、統一教会の信者がいるところならどこでも見られる。

 

ノルウェーオスロリリアン・ホルドフスが「本当に、本当に貧しく」育ったのは、母親が文鮮明に対して献身的に献金していたからだと彼女は言う。

文鮮明は、全ての先祖は地獄におり、信者たちは各世代の先祖を解放するために金を払わなければならないと教えていた。

 

天元(Cheon Won)」として知られる統一教会の韓国本部の公式ウェブサイトには、国に応じて価格が異なる「祖先解放」計算ツール(“ancestor liberation” calculator)さえある。

 

先祖たちがいる世界は明らかにウェストファリア的な国家概念と現代のGDP指標に固執しているようだ。

 

父系と母系の430世代の家族全員を解放するには、ノルウェーアメリカでは1万2420ドルが必要だが、スーダンではわずか2280ドルで済む。

 

ちなみに、日本では同じ偉業を達成するには652万円(約4万4800ドル)が必要だ。

 

先祖を祝福したり、流産や中絶で失われた胎児の魂を解放したり、死ぬ前に自分の魂を事前に解放する機会には追加料金がかる。 

 

ただし、先祖全員が既に救われている場合に限られる。

ホルドフスの母親は、先祖を救うことに執着し、リリアンが8歳から15歳までの間、毎晩学校が終わると子供たちを新聞配達に行かせ、家族のために現金を稼がせた。

 

日曜日には、礼拝の前に新聞を配達するため、ホルドフスとその兄弟は朝4時にベッドから引きずり出された。

 

そのお金は全て統一教会献金された。

 

リリアンは「学校では、教科書を読むのがとても遅かったことを覚えている。働いた後だったので、疲れて宿題をする気にもなれなかった」と述べている。

攻撃的な資金集め以外に、統一教会は手配された合同結婚式で最もよく知られている。

 

1982年、マディソン・スクエア・ガーデンで2075組のカップルが文鮮明によって結婚式を挙げられ、花嫁はレースとサテンのガウンを、花婿は同じコバルト色のスーツを身にまとった。

 

2012年、彼女がまだ17歳だったとき、リリアンの番が回ってきた。

 

彼女は天元に送られ、文鮮明が生前に個人的に行った最後の集団「祝福」に参加することになった。

 

文鮮明は彼女をドイツのニュルンベルクに住む20歳のイタリア人男性と引き合わせた。

 

一目惚れという訳にはいかなかった。

 

リリアンは「彼はすぐに私に悪い印象を与えた。『こんな人と結婚するなんてありえない』という感じだった」と語った。

 

統一教会の指導者である文鮮明とその妻韓鶴子

1982年の元旦にマディソン・スクエア・ガーデンで2075組の信者の合同結婚式を挙行した。

しかし、リリアン・ホルドフスが結婚を取り止めようとしたとき、統一教会の関係者の一人が、リリアンがサインしたイヴェント参加の意思を示す契約書を見せた。

 

リリアンは「彼女は私に腹を立て、私はとてもプレッシャーを感じた。だから、私は結婚の儀式に参加すると言わざるを得なかった」と述懐している。

 

今日、リリアンは何が起こったかについてはっきりと語った。

 

「私は人身売買された(trafficked)のです。私は成人として法的に自分のことを決めることができなかった。」

 

人身売買の疑惑について尋ねられたダンクリーは、強制的な行為の責任は参加者の親にあるとし、「大多数は信じられないよう茄子払い井経験をしている」と主張している。

リリアンは高校を卒業するためにオスロに戻ったが、卒業後、母親からドイツにいる新しい夫のもとに行くよう命じられた。

 

リリアンは、「彼は精神的な虐待をする人で、私のことを馬鹿だ、ノロマだとの常に罵声を浴びせてきた。彼はまったく協力的でも共感的でもなかった」と述べている。

結婚後もリリアンの苦労は続いた。

 

新しい夫に言われるまま、ホルドフスは8人のティーンエイジャーと一緒にヴァンに乗ってイタリア、スロヴェニア、ドイツを3ヵ月間にわたって回り、教会の資金を稼ぐために、グリーティングカードやろうそくなどの小物を一軒一軒売り歩いた。

 

車内で寝ることもあれば、コミュニティセンターの床で寝ることもあり、まれにホステルの一室に詰め込まれることもあった。

 

食料は、チームリーダーがスーパーマーケットで安いパン、ハム、チーズを買ってきて作ったサンドイッチだった。

リリアンは、「北イタリアの何もない小さな村で、文章が書かれた小さな紙切れ1枚を渡されて、ヴァンから降ろされたことを覚えている。言葉も分からないし、本当にパニックになってしまった」と述べた。

毎朝、参加者全員がその日の自分の目標を述べさせられた。

 

そして毎晩、リーダーたちに渡す前に、グループの前で自分の稼いだお金を数えなければならなかった。

 

リリアンは次のように述べている。

 

「私はたいてい1日に200ユーロ(230ドル)ほど稼いだ。私は稼ぎが良い方ではなかった。稼ぎが少ない人はティームの前で恥をかかされた。だから、もっともっと稼がなければならないというプレッシャーがあった」。

 

資金集めに重点を置いたこの計画について尋ねられたダンクリーは、「実際はお金のためでもなく、むしろ、教育のためだ」と主張している。

 

2022年7月29日、東京の日本外国特派員協会で行われた統一教会の活動に関する記者会見で、統一教会の歴史書と教団の聖典を提示する、全国霊感商法対策弁護団の山口広弁護士(左)と川井康雄弁護士(右)。

リリアンの経験は決して特別なものではない。

 

ストレイトやホースを含め、アメリカの統一教会で育った子供たちは、高校卒業後1、2年の間、キーホルダーや風鈴のような意味のない小物を売る、当初は特別任務部隊(Special Task Force)と呼ばれた同様の計画に参加する。

 

これは危険な仕事だ。

 

2002年、18歳のジン・ジュ・バーンは、教会のためにコスチューム・ジュエリーを売っている最中に、シャーロットのアパートで性的暴行を受け殺害された。

 

数年後、特別任務部隊はジェネレーション・ピース・アカデミー(Generation Peace Academy)に改名されたが、新型コロナウイルス感染拡大による封鎖中でさえ、毎年全米だけで約200人の若者を派遣し、高値のカレンダーや立体的な猫の写真を売り続けている。

 

このアメリカのプログラムは、年間1000万ドル以上を売り上げていると推定されている。

 

リリアン・ホルドフスは、「彼らはこのプログラムをとても美化している。私は、これが単なる労働者人身売買(labor trafficking)だと気づいた」と述べている。

 

タイム誌の取材に対し、ダンクリーは再び人身売買の非難を否定し、集まった資金は「プログラムに投資されるか、地域社会に還元される」と述べた。

山口弁護士は、「統一教会がこうしたプログラムを行っているのは、若者はそれほどお金を持っていないので、代わりに自分の労働力を求めているからだ。害となるのは、若者たちが最も実り豊かな年月を無駄にさせられていることだ」と述べている。

不安障害や広場恐怖症などの精神的健康状態の悪化が5年続いた後、リリアンは夫に別れを告げてオスロに戻った。

 

しかし、母親は大いに困惑した。

 

リリアンは「母は私に『彼とよりを戻すべきだ』と言い続けた」と述べている。

 

しかし、しばらくすると、母親は折れた。 

 

「しかし、私が教会に行くたびに、母は私を単なる商品であるかのように、適当な年上の人と私を結び付けようとする」とリリアンは述べている。

リリアン・ホルドフスの精神状態は悪化し続けた。

 

「彼らは、悪霊のようなおかしなものがあなたをコントロールしようとしていると信じている」とリリアンは述べている。

 

「アルコールを一口飲むと、それはあなたの体への悪霊の侵入を招くことになると言ってくる。もう我慢できなかった」。

 

結局、新型コロナウイルス感染拡大が彼女を助けてくれた。

 

ロックダウンは物理的に教会の礼拝に出席しない口実を与え、オンラインで組織について調べ始める心の余裕を彼女に与えた。

 

リリアンは、「統一教会は、なぜメンバーからそんなにお金が欲しいのか、疑問を持った。子どもの頃は『文鮮明一族の方々に私たちのお金が必要だ!』ということしか言われなかった」と述べている。

 

1976年9月18日、韓国の伝道者である文鮮明牧師と統一教会が主催する「ゴッド・ブレス・アメリカ・フェスティバル」のためにワシントン記念塔の敷地に集まる群衆。

日本政界とアメリカ政界の統一教会 1-2