プーチン露大統領がドンバスの独立を承認すると発表
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202202220001/
ロシアのウラジミル・プーチン大統領はドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認すると伝えられている。
すでにウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領の発言からも同国の軍や親衛隊を大統領がコントロールできていないことが推測できたが、プーチンは軍への命令がNATOの司令部から来ていると主張、またロシアの安全が脅かされる事態になり、奇襲攻撃の危機も迫っているとしている。
アメリカのジョー・バイデン大統領は就任早々、「ルビコン」を渡ってしまい、後戻りできない状態になっていた。
ロシアは「一線」を超えれば厳しく対応する意思を示していたが、バイデンはその一線を超えたということだろう。
アメリカのバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使い、ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領をクーデターで排除したのは2014年2月22日のことだった。
その時のアメリカ副大統領がバイデンにほかならない。
言うまでもなくクーデターは憲法に反する行為である。
ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部ではクーデターを受け入れない人が多く、クリミアでは3月16日にロシアとの一体化の是非を問う住民投票が実施された。
投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成したと発表されている。
アメリカやその従属国では、アメリカの支配層にとって都合の悪い選挙結果は不正だとされる。
クリミアでもそうした宣伝がなされたが、この住民投票では国外からの監視団が入り、日本やアメリカに比べれば遥かに公正なものだったと考えられている。
5月2日にはオデッサで反クーデター派の住民が虐殺された。
「サッカー・ファン」を装った「右派セクター」の集団が広場でテントを張っていた反クーデター派の市民を襲撃、何人かを殺害している。
この右派セクターはネオ・ナチの一派だ。
ボロディミル・ゼレンスキー大統領は右派セクターを率いているドミトロ・ヤロシュを昨年11月に参謀長の顧問に就任させたと伝えられているが、この人事は無視できない。
ヤロシュは2007年頃からNATOの秘密部隊ネットワークに参加しているとも言われている。
西側の有力メディアが売り出している「アゾフ大隊(またはアゾフ連隊)」を率いている人物はヤロシュの部下だ。
ところで、オデッサの反クーデター派の市民は労働組合会館の中へ誘導され、そこで虐殺されて建物は放火された。
50名弱が殺されたと伝えられているが、これは地上階で発見された死体の数にすぎず、地下ではさらに多くの人が殺され、運び去られたと証言する人もいた。
その際、警官が傍観している様子が映像に残っている。
ロシアの戦勝記念日である5月9日にクーデター軍は戦車をドネツク州マリウポリ市へ突入させて市内を破壊、非武装の住民を殺害しているのだが、住民の抵抗にあっている。
その様子は住民自身が携帯電話で撮影し、世界へ発信された。
そうした部隊が入らなかった(入れなかった)クリミアとは全く違う光景がそこにはあったのだ。
そこからドンバス(ドネツクやルガンスク)における戦いは始まるのだが、反クーデター軍には少なからぬウクライナ軍の将兵や治安機関の隊員が合流したとも言われている。
ネオ・ナチに従属することはできなかったのだろう。
そうしたこともあり、軍を信頼できない人びとは「右派セクター」をはじめとするネオ・ナチを中心に親衛隊を創設した。
クーデター軍の戦術は、まずターゲットの地域を軍隊で包囲して兵糧攻めにし、放送、電話、通信手段を断つことから始まる。
その上で地上軍と航空機を組み合わせて戦略的に重要な施設を攻撃、住民を追い出して残った人びとは殺す。
掃討作戦が終了した後に電力や通信を復活させるのだが、避難した住民が帰還してきたなら分離独立に賛成しているかどうかをチェックし、「ロシア嫌い」だけが帰還、あるいは移住を許されるという手順。
この作戦はアメリカ軍系のシンクタンク、RANDコーポレーションが作成したプランに従って遂行されているとも言われているが、それだけでなく、アメリカ政府はCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んだ。
https://www.bild.de/politik/ausland/nachrichtendienste-usa/dutzende-agenten-von-cia-und-fbi-beraten-kiew-35807724.bild.html
傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名もウクライナ東部の制圧作戦に参加したとも伝えられていた。
https://www.spiegel.de/politik/ausland/ukraine-krise-400-us-soeldner-von-academi-kaempfen-gegen-separatisten-a-968745.html
ロシアのウラジミル・プーチン大統領はドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認しました。
この地区の反クーデター派住民は、2014年2月にアメリカ政府を後ろ盾とするネオ・ナチがキエフでクーデターを成功させた直後からロシアに独立、あるいは自治権を承認するように求めていましたが、これまで実現しなかったのです。
プーチン政権は外交交渉でウクライナ問題の解決を目指してきましたが、2021年1月20日にアメリカ大統領となったジョー・バイデンはロシアや中国を屈服させようと両国の政府を恫喝、それは中露にアメリカは交渉できる相手でないと思わせるだけだったでしょう。
バイデン政権はロシアに対する軍事的な恫喝を続けてきたことは本ブログでも書いてきました。
そうしたバイデン政権の好戦的な政策に日本も巻き込まれています。
例えば2021年3月15日にアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースチン国防長官は日本を訪問して茂木敏充外相や岸信夫防衛相に会談、中国や朝鮮を恫喝する発言をしました。
https://nypost.com/2021/03/18/defense-secretary-to-north-korea-us-is-ready-to-fight-tonight/
3月18日と19日にはアメリカのブリンケン国務長官とジェーク・サリバン国家安全保障補佐官がアンカレッジで中国の楊潔篪中央外事活動委員会弁公室主任や王毅外交部長と会談。
アメリカ側の要請だったようですが、やりとりは激しいものだったと言われています。
7月25日にウェンディ・シャーマン国務副長官が天津を訪問し、翌日には謝鋒外務次官や王毅国務委員兼外相と会談していますが、中国の外交分野におけるトップである楊潔篪には会えなかったようです。
中国にとって、アメリカの重要度が下がったということかもしれません。
3月22日と23日には中国側の要請でセルゲイ・ラブロフ外相が中国を訪問、王毅外交部長と会談し、両国の同盟関係を強く印象づけます。
その際、中国とロシアはドル離れを確認、貿易決済で自国通貨を使うようにすることで合意。
アメリカの支配システムを支えてきたドルへの決別を宣言したと言えるでしょう。
今年2月4日に北京で冬季オリンピックが開催されましたが、その日に中国の習近平国家主席とロシアのウラジミル・プーチン大統領は会談し、両国の「限界なき協力」を宣言しています。
アメリカからの圧力が強まるほど両国の関係も強まっているようです。
https://www.reuters.com/world/europe/russia-china-tell-nato-stop-expansion-moscow-backs-beijing-taiwan-2022-02-04/
アメリカ政府は「ルビコン」を渡り、後戻りできな状況になったように見えました。
その後もバイデン政権は恫喝をエスカレートさせ、ロシアが設定した「レッド・ライン」に迫ったのです。
北京で開かれている冬季オリンピックの閉幕を前にウクライナ軍はウクライナ東部にあるドンバス(ドネツクやルガンスク)に対する砲撃を開始、住民がロシアへ避難しているとする情報がドンバスから流れていました。
その攻撃が2月17日頃から激しくなります。
ボロディミル・ゼレンスキー大統領は軍や親衛隊の動きを掌握できていなかったようです。
ボロディミル・ゼレンスキー大統領は右派セクターを率いているドミトロ・ヤロシュを昨年11月に参謀長の顧問に就任させたと伝えられています。
この人物は2007年頃からNATOの秘密部隊ネットワークに参加しているとも言われ、西側の有力メディアが売り出している「アゾフ大隊(またはアゾフ連隊)」を率いている人物はヤロシュの部下です。
ヤロシュが顧問に就任した時点でウクライナの軍事部門はネオ・ナチを通じてアメリカ/NATOが掌握した可能性が高いでしょう。
ちなみに、NATOの秘密部隊ネットワークの中で最も有名な組織はイタリアのグラディオです。
1960年代から80年代にかけ、「極左」を装って爆弾テロを繰り返していました。
年明け直後にカザフスタンでクーデター未遂がありましたが、これが成功していたならロシアのウクライナに対する対応にも影響していたかもしれません。
その頃からアメリカの政府や有力メディアはウクライナへロシアが軍事侵攻する可能性が高いと叫び始めますが、これはアメリカがドンバスに対する攻撃を始めようとしていることを示していると見る人もいました。
ゼレンスキー大統領はそうした西側の主張はウクライナの状況を悪化させると批判、国内で暴動を計画していたメンバーの逮捕も伝えられます。
アメリカはウクライナ周辺だけでなく、東アジアでも軍事的な緊張を高めています。
アメリカはオーストラリアやイギリスと「AUKUS」なる軍事同盟を結成しましたが、これは中国やロシアを仮想敵とする「アジアのNATO」でしょう。
このアジア版NATOを構成している国はアメリカ、オーストラリア、そしてイギリスだというところにアメリカの置かれた状況が反映されています。
そうした中、アメリカが築いた戦争マシーンの一部となろうとしているのが日本。
昨年12月1日に安倍晋三元首相は台湾のシンクタンク「国策研究院」が主催したフォーラムで、台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもあると発言して「ひとつの中国」という建前を否定、中国を挑発しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211202/k10013371311000.html
自衛隊の動きも含め、日本は軍事的に一線を超えたと見られていることでしょう。
すでにバイデンは「ルビコン」を渡り、後戻りできない状態ですが、ロシアは「一線」を超えれば厳しく対応する意思を示していました。
日本はアメリカに付き従っています。
日本に対する中露の対応も厳しくなるはずです。
ロシア政府のドンバス承認はロシア政府がアメリカやイギリスとの交渉に見切りをつけたことを示しています。
世界は新しいステージに進みました。
アメリカの支配者は自分たちの支配下にある有力メディアを使って人びとを操ろうとするでしょう。
いわば「マトリックス戦術」ですが、メディアの信頼度は下がり続けています。
現在の支配システムが自分たちにとって都合の良い人びとはそのシステムの実態を暴く情報を「嘘」だと主張しますが、事実を直視できる人も少なくないと信じています。
できるだけ早く「マトリックス」から抜け出す必要があります。
そのために事実を知る必要があります。