きなこのブログ

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非米側が主導する多極型世界 2 ~米金融ツールを使わない~

 

新しい世界体制の立ち上がり
https://tanakanews.com/230819brics.htm

8月末に南アフリカBRICSサミットが開かれるのを前に、BRICSをめぐっていろんなことが言われている。

 

その一つは、BRICSがドルに対抗する共通通貨を作るかどうかという話だ。

 


主催国の南アフリカの代表が、共通通貨は今回のサミットの議題になっていないと表明した。

 

BRICSは反米組織でないし、非ドル化・ドル潰しをやりたいとも思ってない。

 

新興諸国の国益に沿って動いているだけで、非ドル化でなく各国が自国通貨で貿易できるようにしたいだけだ、と南アは言っている。


なるほど。

 

新興の諸大国が自国通貨で貿易決済すると、結果的に非ドル化が進む。

 

言い方は違っても結果や現実は同じ。

 

さすが外交官(=詭弁屋)。

 


非ドル化は、単にドルを使わないことだけでない。

 

ドル建てで作られている米国製の各種の金融ツールを使わないようにすることでもある。

 

米国の金融ツールを使うと、米国勢が形成する各種の金融相場の変動の影響を受ける。


将来的に米国の脅威になるかもしれない新興諸国に対し、米国勢はヘッジファンドや投機筋を使って金融的な攻撃を仕掛け、相場を急変させ、経済破綻を誘発する。

 


新興諸国は1997年のアジア通貨危機以来、もしくはそれ以前から、株価や金利や為替やコモディティ価格などを暴落・暴騰させられ、破壊されてきた。

 

これは、資本主義の中で生きる以上、仕方がないことなんだとされてきた。

 

市場原理なのだから仕方がないと。

 


しかし、それは実のところ洗脳されたインチキだった。

 

実は、米国勢が金融ツールを使って新興諸国を破壊し続け、米国覇権を防衛してきた。

 

一見無害で有益っぽい金融ツールが、実は金融兵器だった。

中共米国債を旺盛に買うことで許されてきた)
 

BRICS通貨であれ、自国通貨での決済であれ、非ドル化を進めると、米国勢に金融兵器で攻撃されにくくなる。

 

非ドル化は、人類の85%を占める非米側の経済が安定し、人々が米国側に妨害されずに豊かになれる。

 


BRICSという言葉を作ったゴールドマンの幹部オニールはBRICS共通通貨は実現不能であり、考えること自体が馬鹿げている。BRICSの中枢にいる中国とインドが対立している限り(共通通貨の運営に不可欠な)協調ができない。BRICSは象徴以外の何も成し遂げてない」と言い放った。

 

米国側マスコミ権威筋は「そのとおりだ」と合唱。

 


・・・ということは、中国とインドが和解したらBRICS通貨がうまく機能するわけだ。

 

そう思ってニュースを見ると、中国とインドが国境紛争で和解すべくヒマラヤ山中の国境で司令官どうしが話し合ったと書いてある。

 

国境での協議を踏まえ、南アのBRICSサミットの傍らで中国とインドが首脳会談すると。

 


まさか、中印がそんなに簡単に和解するわけないよね。

 

しかし、もし和解したらどうなる?。

 

BRICS共通通貨がうまく機能してしまう。

 

まずいじゃん。

 

ドル崩壊だよ。

 

トランプもそう言ってる。

 


中国は、ロシアとの国境紛争は2000年に一気に全て解決したのに、インドとの国境紛争は解決せずに放置している。


2009年にBRICSを形成して以来、中印は何度も話し合っている。

 

それなのに和解していない。

 

巨大な中印が和解し結束したら、世界における中印とBRICSと非米側の影響力や地位が上がり、相対的に米国側の地位が下がって、世界はもっと早く多極化していた。

 

それがわかっているのに中印は和解しない。

 

これはもしかして意図的にやっているのでないか。

 


インドとロシアは仲が良い。

 

中印が和解結束したら、ユーラシアの3大国である中露印の和解になり、地政学的に非米側の優勢米国側の劣勢が確定する。

 

だが非米側の雄(覇権勢力)である中国(中共)としては、自らの優勢を確定する前に、いろいろやっておかねばならないことがある。


中共内部の習近平独裁体制の確立(対米従属的なトウ小平路線の集団指導体制の破棄)はその一つだった。

 

非米側の経済体制を、ドルや米金融(兵器)に依存しないもの(金資源本位制)に転換することも必要だ。

 

非米側の他の諸大国どうしを仲の良い状態にしておくことも必要だ。


それらの準備が整うまで、中印和解という「龍の絵」に眼を描き入れず、命を吹き込まない・具現化しない「画竜点睛」の状態にしてあるのでないか。


非米化や多極化の準備が整う前の不完全な状態で中印が和解し、多極型世界という「龍」が命を得てしまうと、それは「弱い龍」であり、米国側から金融兵器や外交手段、戦争などの方法で破壊・分裂させられかねない。

 

だから、全ての準備が整うまで、中印は敵対を解かずに放置しているのでないか。

https://archive.li/XaDaN


中共内部の習近平独裁化は昨秋に完了した。

 

決済の非ドル化は今まさに進めているところだ。

 

どのぐらい複雑なシステムが必要なのか。

 

ほとんど発表されていないので分析が難しい。


資源貿易に関しては、多くが価格固定の長期契約なので、バーター貿易に毛が生えたぐらいのもので良さそうだ。

 

「毛」の部分は、決済に使えるCBDC(中銀デジタル通貨)を売り手もしくは買い手の国が作り、SWIFTなどの銀行送金システムがなくても直接に決済できるようにすることとか。


CBDCは利用者に対する当局のプライバシー侵害が批判されているが、資源貿易は政府系企業の間のやり取りなので、プライバシーとか関係ない。

 

「金資源本位制」は、バーター貿易とCBDCを組み合わせたもので成立しうる。

 


非ドル化のシステム構築は、それほど時間がかからない。

 

BRICS共通通貨があれば便利だが、なくてもBRICS各国の通貨を別々に使ってやれる。

 

諸通貨間の両替が必要なら相対取引でやれば良い。

 

ときどき金地金の現物で過不足分を決済するとか。


国家間の取引なので、政治的な要素が多く入る。

 

価格は需給関係だけで決まらない。

 

取引価格は非公開が多いから、一物一価でなくても良い。

 

米英流の「透明性の高い(しかし詐欺度も高い)市場」は要らない。


そもそも米英金融は騙しや歪曲ばかりで、実は透明から程遠い。

 

米国側の「需給に基づく市場原理」も大ウソだ。

 

金資源本位制は、機能するなら原始的で良い。

 


私は以前、金資源本位制を、透明度の高いシステムとして勝手に考えて「1グラムの金地金を2バレルの原油と等価とする固定相場制」などと(ゾルタン・ポズサーを引用して)考えていたが、今後の非米側の経済システムがそんな確定的なものになる必要はなく、もっと曖昧・非公式・多様・政治的なシステムでかまわないはずだと思い直した。

 


・・・などなど、考えていくと、すでにBRICSは非米的な世界経済システムを稼働できる状態になっている。

 

ウクライナ開戦後、ロシアは米国側に厳しく経済制裁されているので、ロシアが絡む取引のほとんどが非米的なシステム利用だ。


中東からの石油輸入は、中国もインドも自国通貨建てを増やしている。

 

すでに非米システムが稼働している。


非米システムの準備が整い、非米側が米国側の金融システム(金融兵器)に頼らなくなったら、米国側が非米側を潰すことができなくなるので、安心してBRICSサミットで多極型世界の完成を宣言し、中国とインドが和解して「龍」の眼が描き込まれる。

 

それは今年かもしれないし、来年以降かもしれない。

https://www.goldmoney.com/research/beware-the-great-unwind


いつやるかを決める要素は、米国の金融状況も関係する。

 

米連銀のQT本格開始から1年以上が過ぎ、米金融システムの余裕がしだいになくなっている。

 

(全く効かない)インフレ対策としての利上げも続き、10年もの米国債金利は危険水域の4.3%になっている。


この金利を再び4%以下まで下げられるのなら延命状態が続くが、このまま金利上昇していくと、金融崩壊が顕在化する。

 

米国の社債の担保として使われることが多い商業不動産の市況が、全米各都市で悪化し続けている。

 

米国の金融覇権の根幹に位置する債券金融システムが崩壊に瀕している。

 


もし米国が今秋このまま金融危機になっていくのなら、非米側が独自の金資源本位制を本格稼働させるのは8月末のBRICSサミットが良い。

 

米国が金融崩壊する前に、非米側が米金融システムから資金を引き出して金地金あたりに転換しておいた方が良い。

 

米国金融がもう少し延命するなら、非米側はゆっくりやれば良い。

 


中長期的に、米国側は経済崩壊していく。

 

日本や韓国は中国経済圏の一部になっているので崩壊が少ないが、米国と欧州は今後さらに打撃を受ける。

 

世界経済の中心はBRICSなど非米側になる。


非米側はなぜ金資源本位制を採るのか。

 

非米側の雄である中国が、サウジアラビアやイラン、インドネシアなどの資源大国と戦略関係を積極的に強化しているのを見ると、非米側が金資源本位制を採用していることは間違いないと感じられる。


中国自身は資源大国でないが、製造業大国である。

 

中国は資源大国から燃料や原材料を輸入し、工業製品を輸出する。

 

この貿易の決済通貨をドルでなく人民元などで行う。
人民元はまだ為替をドルペグしているが、これも画竜点睛の寸止め戦略だろう。

非米システムが本格稼働する時までドルペグを続ける)


世界各国が米欧から距離を置いて非米化しており、中国はそれらの国々に接近し、インフラ整備などと抱き合わせで資源開発を受注し、世界的に地下資源の利権を急拡大している。


米国は自作自演的なテロ戦争などで世界を不安定化するばかりだったが、中国はロシアなどと協力して世界を安定化している。

 

中国自身の資源利権も拡大している。

 


中国は自国の利権拡大だけでなく、ロシアやインドやブラジルなど他の非米大国にも、国際的な資源利権の拡大を勧めている。

 

非米諸国が競って利権拡大するほど、米国側の利権が縮小し、覇権が転換する。

 

米国側が地球温暖化人為説のウソを自分で作って信じ込んで石油ガス利権を手放す大馬鹿(隠れ多極主義)を続けてくれるので、非米側にどんどん利権が移転する。

 


インドは、中国のような工業製品の旺盛な輸出はまだやれない。

 

しかし、資源類を輸入する際にドルでなくルピーで支払えることは、これまでの外貨獲得の苦労が要らなくなるのでありがたい。


インドのように巨大な国内消費市場がある国は、内需用の製造業を発展させて経済大国になっていける。

 

アフリカも人口が急増しており、今は貧しいが、これから内需用の製造業を発展させていける。

 

米欧から内戦を誘発されず、援助のふりをした経済破壊をされないだけでも、アフリカは発展の可能性が増大する。

 

非米化は、欧米人以外の人類を豊かにする「良いこと」である。

 

 

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