きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

バカボン政権やりたい放題 ~NHKに対する締め付け強化~

安倍政権NHK経営委員人事案は放送法31条違反
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/31-629a.html
 
読売新聞が11月1日朝刊1面トップで、NHK会長人事に関する観測記事を掲載した。

政治臭の色濃い記事である。

記事は、

「NHK会長交代の公算

松本氏 後任、外部起用で調整」

の見出しで報じられている。

これとリンクするのが月刊FACTA2013年10月号の次の記事。

NHK会長「松本おろし」の張本人」

サブ見出しには次の文字が躍る

JR東海のドンが「元部下憎し」で猛運動。NHKWEDGEになる日が来るか。」

第一次安倍政権の人事について、「お友達内閣」の呼称が付けられた。

第二次安倍政権では、この種の批評が影を潜めているが、実態は変わっていない

内閣総理大臣には強力な権限が付与されており、その権限をフルに活用すれば、実質的に日本を独裁支配することも可能になる。

内閣総理大臣の権限を拡大解釈して、日本の独裁支配への道を切り開いたのは小泉純一郎氏である。

安倍晋三氏は、この手法を引き継いでいるように見える。

そのなかで、安倍政権が強力に推進しているのが、NHKに対する締め付けの強化である。

これは、日本の民主主義にとって、最大級の脅威になることがらだ。
 
NHK問題は極めて重要である。

特定秘密保護法でも国民の「知る権利」侵害、制限が問題になっている。

国家の力を突出させ、基本的人権を制限する方向への誘導が大きく進み始めている。

この方向を明示しているのが、自民党憲法改正草案に示される、次の条文案である。

第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、保持しなければならない。国民は、これを濫用してはならないのであって、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う。

重要な表現は、

「常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う」

の部分だ。

基本的人権の上位に、「公益及び公の秩序」が位置付けられる。

つまり、「公益及び公の秩序」の名の下に、基本的人権を制限するとの考え方が、憲法の規定に盛り込まれるのである。
 
民主主義を健全に機能させるには、言論の自由が保障され、国民にすべての情報が制限されることなく公開されることが必要不可欠である。

また、とりわけ、人々の情報入手に圧倒的な影響を与えるマスメディア情報空間においては、ここで供給される情報に偏りが生じないための特段の配慮が求められる。

マスメディア情報空間において、NHKの持つ影響力は強大である。

NHKの不偏不党は、極めて重要な意味を持つ。

ところが、日本の現行制度には重大な問題がある。

内閣総理大臣がNHKを支配する、締め付けようとすれば、それが容易に実現してしまう仕組みが内在されているのだ。

それは、NHKの人事権が、最終的に内閣総理大臣帰属しているからである。
 
そのメカニズムについては、10月26日付メルマガ第702号記事

NHKの政治偏向が必然であるメカニズム解明」

に記述したが、改めて明記する。

NHKの組織は、経営委員会を最高機関として、その下に、会長-副会長-理事で構成される理事会があり、この理事会が現業部門の最高機関になる。

実務上のNHK運営のトップに立つのがNHK会長だが、このNHK会長を選任するのが経営委員会であり、その経営委員会の委員の任命権内閣総理大臣が握っている。

つまり、内閣総理大臣は、経営委員会委員の人事権を握っているから、実質的に経営委員会を支配できる。

この経営委員会がNHK会長を任命する。

副会長及び理事は、会長が経営委員会の同意を得て会長が任命する。

すなわち、内閣総理大臣は、経営委員の人選を通じて、NHK会長、副会長、理事のすべての任命権を握っていることになる。

問題は、この人事権をどのように活用するのかである。

放送法第31条が、内閣総理大臣の経営委員任命権を規定している。

(委員の任命)
第31条 委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。

重要なのは、この条文の後半に次の規定が盛り込まれていることである。

この場合において、その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野及び全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない。

つまり、内閣総理大臣といえども、自分の主義主張に基づき、自分の意向に沿う人物だけをNHKの経営委員会委員に起用することは許されていないのである。

ところが、いま現実に広がっている事実はどうか。

安倍晋三氏は、自分の個人的な思想・信条に近い人物だけをNHKの経営委員に起用しようとしているのではないか。

本来は、国会がこうした問題に適正に対処すべきであるが、与党絶対多数の現状では、国会が法律の規定に反した行政の暴走を阻止する機能を発揮し得ない。

日本の民主主義は重大な危機に直面しているのである。

NHK人事が、政治的意向で歪められるということは、NHKの放送が一段と偏向の度合いを強めることにつながることは明白である。

 

 

【2013年10月31日】小沢代表講演「国会改革について」
http://www.youtube.com/watch?v=alU3-NAZGvg#t=280

 

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